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天敵襲来!
16-9
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「自分に…正直に…?」
いつの間にか、冬樹のアパートの手前にまで差し掛かっていた。
二人は、自然にその場に足を止める。
「うん。俺が大事にしたいと想っているヤツは、今も昔も…一人しかいないから…」
そう静かに真剣な眼差しを向けてくる雅耶に、冬樹は瞳を大きくした。
先日、長瀬に『冬樹チャンから何気に理由聞いといてよ♪』…なんて言われてしまって。
『何でオレがっ?お前が聞けよ。中学入学以来の仲良しなんだろっ?』
と、そんな話は跳ね除けたつもりだったんだけど。
『だって、俺だとついつい茶化しちゃうからさっ。雅耶もあんまり真面目に取り合ってくれないんだもん』
とか、頬を膨らましながら相変わらず勝手なことを言ってるから。
『そこ茶化さずにいられないんかっ!』
とか、ツッコミを入れていたんだ。
でも…本当のところ、長瀬も心配してるっていうのが見ていて分かったし、ちょっと聞いてみようと思った。
でも…。
(こんな状況に何て言っていいのか、分からない…)
何より雅耶のその真剣な眼差しに捕らえられて、目が離せなかった。
『本当に好きなのは…。俺が大事にしたいと想っているヤツは…。夏樹、お前だよ』
本当は、そう言いたかった。
目の前で迷うように瞳を揺らしているお前に。
その細い身体を抱きしめて、この想いを伝えたかった。
でも、それを口にしたらお前は苦しむのだろうか?
きっと…あの事故以来、ずっと冬樹を演じ続けているお前の。
きっと長かったであろう8年間を俺が壊してしまうことになるようなら、俺は…。
雅耶は瞳を伏せて、フッ…と息を継ぐように笑うと、
「さて…。明日もあるし、俺は帰るよ」
そう言って、次にはいつも通りの笑顔に戻った。
「あ…うん。そう、だな…」
何処かホッ…としている様子の冬樹の頭の上に、雅耶は掌をポンと、乗せると。
「じゃあな、冬樹。…おやすみ」
そう言って、自分の家の方へと続く道を帰って行った。
(雅耶…)
その場に残された冬樹は、雅耶の後ろ姿が見えなくなるまで、ずっとその背を見送っていた。
いつの間にか、冬樹のアパートの手前にまで差し掛かっていた。
二人は、自然にその場に足を止める。
「うん。俺が大事にしたいと想っているヤツは、今も昔も…一人しかいないから…」
そう静かに真剣な眼差しを向けてくる雅耶に、冬樹は瞳を大きくした。
先日、長瀬に『冬樹チャンから何気に理由聞いといてよ♪』…なんて言われてしまって。
『何でオレがっ?お前が聞けよ。中学入学以来の仲良しなんだろっ?』
と、そんな話は跳ね除けたつもりだったんだけど。
『だって、俺だとついつい茶化しちゃうからさっ。雅耶もあんまり真面目に取り合ってくれないんだもん』
とか、頬を膨らましながら相変わらず勝手なことを言ってるから。
『そこ茶化さずにいられないんかっ!』
とか、ツッコミを入れていたんだ。
でも…本当のところ、長瀬も心配してるっていうのが見ていて分かったし、ちょっと聞いてみようと思った。
でも…。
(こんな状況に何て言っていいのか、分からない…)
何より雅耶のその真剣な眼差しに捕らえられて、目が離せなかった。
『本当に好きなのは…。俺が大事にしたいと想っているヤツは…。夏樹、お前だよ』
本当は、そう言いたかった。
目の前で迷うように瞳を揺らしているお前に。
その細い身体を抱きしめて、この想いを伝えたかった。
でも、それを口にしたらお前は苦しむのだろうか?
きっと…あの事故以来、ずっと冬樹を演じ続けているお前の。
きっと長かったであろう8年間を俺が壊してしまうことになるようなら、俺は…。
雅耶は瞳を伏せて、フッ…と息を継ぐように笑うと、
「さて…。明日もあるし、俺は帰るよ」
そう言って、次にはいつも通りの笑顔に戻った。
「あ…うん。そう、だな…」
何処かホッ…としている様子の冬樹の頭の上に、雅耶は掌をポンと、乗せると。
「じゃあな、冬樹。…おやすみ」
そう言って、自分の家の方へと続く道を帰って行った。
(雅耶…)
その場に残された冬樹は、雅耶の後ろ姿が見えなくなるまで、ずっとその背を見送っていた。
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