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罪と願いと…
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しおりを挟む「いったい何をやっているんだっ!」
広い部屋の中に響き渡る怒号。
その声の主神岡は、怒りが収まらないのか目の前の大きな机にバンッ…と両手をついて立ち上がると、凄い形相で目の前の男を睨みつけた。
「…申し訳ございません。現在、早急にシステムセキュリティの強化を命じております」
報告に来た男は一度だけ深々と頭を下げると、すぐに切り替えるように手元の書類へと目を通した。
「何の情報が流出したのか、そして不正アクセスの身元などは現在調査中です。未だ確定ではありませんが、システム班の報告によりますと、おそらく顧客データ等が盗まれた可能性があるとのことです」
「…馬鹿な…」
神岡は大きく舌打ちをすると、再び高級レザーの大きな椅子へとドッカリ座った。
「それは、ウチと組関係との繋がりも露呈したということになるんじゃないのか?」
「そう、ですね。具体的に名前を記載している訳ではありませんが、データを詳しく照合していけば、間違いなく何処に所属している者と繋がりがあるのかは、判別出来るものと思われます」
「……最低極まりないな。その情報が警察などへ流されたとしたらどうする?それこそ、会社の存続以前の問題だ。身の破滅だろうっ」
神岡は、興奮気味に声を荒げた。
「…ですが、我が社には警察関係者ともコネクションがあります。その辺は上手く揉み消す事が可能かと…」
「ならば、早急に連絡を入れておけ!さもないと、自分達の汚点も曝すことになると念を押してなっ」
「…かしこまりました」
その後、男が部屋を出て行くのを忌々しげに眺めていた神岡は、一人になると椅子をクルリと回転させ、窓越しに夜景を見下ろした。
足を組み、腕も胸の前で組んで椅子に深く腰掛けると、誰に言うでもなく一人呟いた。
「…何者かが水面下で動いている…ということか。薬の噂を耳にして、横取りを企む輩か。それとも、単にウチを陥れようとしてる連中か…。どちらにしても、もう悠長に構えてはいられないな。いよいよ本腰を入れてあのデータを回収しないと、取り返しがつかないことになる…」
神岡は目を細めると、意を決したように立ち上がった。クッションの効いた大きな椅子が、ギシリ…と音を立てる。
そして神岡は、おもむろに胸の内ポケットからスマホを取り出すと、何処かへ連絡を入れるのだった。
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