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終止符ー ピリオド ー
23-3
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冬樹の口から語られた過去は、あの日のまま時を止めてしまっていた夏樹とは対象的な、ある意味変化に富んだ生活だった。
崖から車で落ちた後、冬樹が流れ着いたのは、事故現場からは随分と離れた島民も僅かな小さな島だったという。
そこで出会った人々にお世話になり、今の冬樹があるというのだ。
「…島…か…?」
この辺りとは全く違う環境に、思わず驚きを隠せない。
「うん。そこで僕を見つけてくれた人が、ちょっと…色々な意味で特殊な人でね。事情を話したら、色々と協力してくれたんだ」
「協力…?」
「うん。僕には…あの事故を仕組んだのが神岡のおじさんなんだと、すぐに分かったから。色々調べて貰っていて、ずっと機会を窺っていたんだ」
そう穏やかに話す冬樹に、雅耶は目を丸くした。
「…分かっていたのか?」
「うん。あの日…なっちゃんとしてあの別荘に行って、力と一緒に外で遊んでいたんだけど、その時に父さんの車の側で怪しい行動をしている人物を見たんだ」
「車…?」
「うん。本人に直接聞いてみたら、車の整備を頼まれたって言ってたんだけど、あの時多分何か細工を施したんだと思う」
「…もしかして…ブレーキとかに?」
「多分ね…。別荘地からの帰り道は、暫く急な下り坂なんだ。その後に、大きなカーブが待っている。その手前で父さんは減速しようとしてブレーキが利かないことに気付いたんだ。その前に、父さんと神岡が揉めてるのも僕は見ていたし、何より例の…データのことを僕は父さんから事前に聞いていたからね…。確信したよ」
「…そうだったのか…」
「でも証拠を揃えないと訴えることも出来ないから、暫く様子を見ていたんだ。そうしたら、その内に神岡は会社を立ち上げて、父さんの作った薬を元に裏商売を始めて…。でも、そのことが逆にある組織に目を付けられることになって、今まさに追い詰められた状態にあるんだよ」
前を見据えながらそう話す冬樹は、強い意志を瞳に宿らせているように見えた。
きっと、この八年間…冬樹はずっと、この時を目指して戦って来たのだろう。
それでも、やはり分からないことが沢山ある。
「その、おじさんの薬って…いったい何なんだ?それに、『ある組織』っていうのは…?」
「先日、大物政治家が心疾患で突然亡くなったのを知ってるかな?」
「…?ああ…。確か心臓発作、だったっけ?」
「うん。それも多分、その薬のせいだよ」
「まさか…。薬で…?」
思いもよらぬ話に、雅耶は驚愕した。
「そう。その薬は…薬の証拠を残さず、意図的に発作を起こさせる、毒薬…。それは今、政治の世界は勿論、警察や極道の世界にまで魔の手を広げているんだ」
崖から車で落ちた後、冬樹が流れ着いたのは、事故現場からは随分と離れた島民も僅かな小さな島だったという。
そこで出会った人々にお世話になり、今の冬樹があるというのだ。
「…島…か…?」
この辺りとは全く違う環境に、思わず驚きを隠せない。
「うん。そこで僕を見つけてくれた人が、ちょっと…色々な意味で特殊な人でね。事情を話したら、色々と協力してくれたんだ」
「協力…?」
「うん。僕には…あの事故を仕組んだのが神岡のおじさんなんだと、すぐに分かったから。色々調べて貰っていて、ずっと機会を窺っていたんだ」
そう穏やかに話す冬樹に、雅耶は目を丸くした。
「…分かっていたのか?」
「うん。あの日…なっちゃんとしてあの別荘に行って、力と一緒に外で遊んでいたんだけど、その時に父さんの車の側で怪しい行動をしている人物を見たんだ」
「車…?」
「うん。本人に直接聞いてみたら、車の整備を頼まれたって言ってたんだけど、あの時多分何か細工を施したんだと思う」
「…もしかして…ブレーキとかに?」
「多分ね…。別荘地からの帰り道は、暫く急な下り坂なんだ。その後に、大きなカーブが待っている。その手前で父さんは減速しようとしてブレーキが利かないことに気付いたんだ。その前に、父さんと神岡が揉めてるのも僕は見ていたし、何より例の…データのことを僕は父さんから事前に聞いていたからね…。確信したよ」
「…そうだったのか…」
「でも証拠を揃えないと訴えることも出来ないから、暫く様子を見ていたんだ。そうしたら、その内に神岡は会社を立ち上げて、父さんの作った薬を元に裏商売を始めて…。でも、そのことが逆にある組織に目を付けられることになって、今まさに追い詰められた状態にあるんだよ」
前を見据えながらそう話す冬樹は、強い意志を瞳に宿らせているように見えた。
きっと、この八年間…冬樹はずっと、この時を目指して戦って来たのだろう。
それでも、やはり分からないことが沢山ある。
「その、おじさんの薬って…いったい何なんだ?それに、『ある組織』っていうのは…?」
「先日、大物政治家が心疾患で突然亡くなったのを知ってるかな?」
「…?ああ…。確か心臓発作、だったっけ?」
「うん。それも多分、その薬のせいだよ」
「まさか…。薬で…?」
思いもよらぬ話に、雅耶は驚愕した。
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