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「成蘭…楽しかったな…」
夏樹は、ポツリと呟いた。
その寂しげな横顔に、事情を察して雅耶は疑問を口にした。
「…そうか…。今後の学校については、どうなるんだ?夏樹としての学歴とかって…」
「うん…。今までの夏樹の学歴は、本当は何もないことになってるから、実際は難しいみたいなんだけど…」
実は、その辺りの根回しも九十九が全てやってくれていた。
成蘭高等学校は私立である。
ある意味、学校長や経営トップに上手く話を付けられれば、その辺はどうにでもなるというのは、九十九談である。
実際、そんなことを話し付けられる人物がそうそういるとは思えないが、九十九という人物は、とにかく凄い人だった。
成蘭に相談を持ち掛けた結果、夏樹の成績が優秀だったこともあり、同じ学校法人が経営する別の女子高へ編入試験を受けることで転入可能だという話を付けてくれた。
「えっ…じゃあ、その女子高に行くのか?」
「うん…。試験に合格出来れば…の話だけど…」
男だらけの環境から、今度は女だらけの環境へ。
実際、気は重いが選択肢など無い。
仕方がないと、夏樹は腹を括っていた。
「でも、今のままじゃ…流石に女子高へ行くのが抵抗あるから、少し時間を貰ったんだ…」
「…抵抗?…何で…?」
「だって…。こんな身なりで、女子高に行っても女装にしか見えないだろ?髪だって短いし…。オレ、変態だと思われたくないもん…」
そう、呟く夏樹に。
雅耶は思わず吹き出してしまった。
「あっ!笑ったなっ」
「ははは、ごめん、ごめんっ!!だってお前、変態だとか言うから…っ」
(いや、見た目はそこらの女子より全然可愛いし大丈夫だと思うんだけど…。それより夏樹の場合、言葉使いの方が問題なんじゃ…)
…という、ツッコミは己の内に閉じ込めておく。
「大丈夫だよ。お前なら全然大丈夫だって。俺が保証するよ」
爽やかに笑って言う雅耶に。
夏樹は僅かに頬を膨らませると「笑ってそう言われても、何かな…」と、不貞腐れるように言った。
すると、雅耶は不意に足を止めた。
「俺がついてるから大丈夫だよ。ずっと夏樹の傍にいるから…。応援してるし、どんなことがあっても俺が夏樹を守るよ」
急に大人びた瞳で見詰めてくる雅耶に。
夏樹は初め驚いたような表情を浮かべていたが、小さく頷くと。
「…うん。雅耶のこと、信じてるよ…」
そう言って微笑んだ。
「よし。じゃあ、行こうか」
雅耶は、いつもの人懐っこい笑顔を浮かべると、夏樹の前へと手を差し出した。
その大きな手に、そっと自らの手を添える。
繋いだ温かな手。
ずっと、一緒にいてくれる人がいる。
それだけで、大丈夫。
雅耶と一緒なら…
きっと、どんな困難だって乗り越えていけるから。
夏樹は、ポツリと呟いた。
その寂しげな横顔に、事情を察して雅耶は疑問を口にした。
「…そうか…。今後の学校については、どうなるんだ?夏樹としての学歴とかって…」
「うん…。今までの夏樹の学歴は、本当は何もないことになってるから、実際は難しいみたいなんだけど…」
実は、その辺りの根回しも九十九が全てやってくれていた。
成蘭高等学校は私立である。
ある意味、学校長や経営トップに上手く話を付けられれば、その辺はどうにでもなるというのは、九十九談である。
実際、そんなことを話し付けられる人物がそうそういるとは思えないが、九十九という人物は、とにかく凄い人だった。
成蘭に相談を持ち掛けた結果、夏樹の成績が優秀だったこともあり、同じ学校法人が経営する別の女子高へ編入試験を受けることで転入可能だという話を付けてくれた。
「えっ…じゃあ、その女子高に行くのか?」
「うん…。試験に合格出来れば…の話だけど…」
男だらけの環境から、今度は女だらけの環境へ。
実際、気は重いが選択肢など無い。
仕方がないと、夏樹は腹を括っていた。
「でも、今のままじゃ…流石に女子高へ行くのが抵抗あるから、少し時間を貰ったんだ…」
「…抵抗?…何で…?」
「だって…。こんな身なりで、女子高に行っても女装にしか見えないだろ?髪だって短いし…。オレ、変態だと思われたくないもん…」
そう、呟く夏樹に。
雅耶は思わず吹き出してしまった。
「あっ!笑ったなっ」
「ははは、ごめん、ごめんっ!!だってお前、変態だとか言うから…っ」
(いや、見た目はそこらの女子より全然可愛いし大丈夫だと思うんだけど…。それより夏樹の場合、言葉使いの方が問題なんじゃ…)
…という、ツッコミは己の内に閉じ込めておく。
「大丈夫だよ。お前なら全然大丈夫だって。俺が保証するよ」
爽やかに笑って言う雅耶に。
夏樹は僅かに頬を膨らませると「笑ってそう言われても、何かな…」と、不貞腐れるように言った。
すると、雅耶は不意に足を止めた。
「俺がついてるから大丈夫だよ。ずっと夏樹の傍にいるから…。応援してるし、どんなことがあっても俺が夏樹を守るよ」
急に大人びた瞳で見詰めてくる雅耶に。
夏樹は初め驚いたような表情を浮かべていたが、小さく頷くと。
「…うん。雅耶のこと、信じてるよ…」
そう言って微笑んだ。
「よし。じゃあ、行こうか」
雅耶は、いつもの人懐っこい笑顔を浮かべると、夏樹の前へと手を差し出した。
その大きな手に、そっと自らの手を添える。
繋いだ温かな手。
ずっと、一緒にいてくれる人がいる。
それだけで、大丈夫。
雅耶と一緒なら…
きっと、どんな困難だって乗り越えていけるから。
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