堕ちろ!激かわ猫男子

芋谷

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二夜(8)

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「っ~~~!!!!!!?!!?!?!?」

耳をつんざくような絶叫。午前八時。俺のダリスに何事かと飛び起き、声の方へと急ぐ。
見ると、クローゼットを開けたダリスが硬直していた。

「あぁ、それを見たのか」

ダリスは振り向いて深呼吸をしてから、一息に俺を詰りだす。

「いや、なんか薄々察してはいたし前にもあんたみたいな奴いたけどさ、思ってたのと違う、だいたいこういうのいっぱいおれの盗撮写真とか貼りまくるくない?なんでおれ完全再現ラブドールがあるわけ?もうなんか怖いとかキモいとか呆れるとか通り越して逆に尊敬する。いくらしたのこれ」
「ふふ。いい出来だろう、特注で人肌になる内蔵ヒーターと呼吸機能もつけたんだ。中には一番お前のナカに近いオナホも入っている。ちなみに写真は飾っていないだけでHDDにまとめてあるから、見たいのであればいつでも言ってくれ。……たとえ印刷物だとしても、お前の顔が日光で褪色したり傷ついたり埃を被ったりしたら俺は発狂するから飾ってないだけなんだ。お前のことを愛していないわけでは断じて。決してない。……不安にさせたならすまない。誤解しないでほしい」
「………よくわかんないけど、自白ありがとね」

なんとも言えない表情を浮かべながら、ダリスは彼と全く同じ姿をしたラブドールの収納されているクローゼットを閉じた。

「……粗大ゴミ回収の日っていつだっけ」

ぼそりとしたその呟きは、聞こえなかったことにしよう。

昨晩彼のナカに挿れたまま眠って、今朝彼が俺の朝勃ちに興奮して逆レイプ……というのが最も理想だったのだが、とても残念な朝になってしまった。相手がダリスだし仕方ないよな、なんて思いながら部屋の電気をつけたりなどして歩き回る。そうこうしているうちに、奥から呼びかける声がした。いつの間にかベッドに帰っていた彼のものだった。

「そろそろ服貸してくんない?おれタオル一枚と紐だよ。さむい」
「暖房つけるか」
「そうじゃなくて。紐ほどいてなんか服ちょうだい」

見なくても拗ねたような表情が想像できる。ここでようやく、先ほどのクローゼット点検に状況がつながった。服でも盗んで上から着て逃げ出そうとしたが、予想の斜め上のものがクローゼットに入っていたというのがことの真相だったのだろう。

「……貸したら逃げるだろ」
「な……」

分かりやすく図星を刺されたような声。案の定と苦笑する。しかし、何も着せないのも可哀想だ。俺は彼と瓜二つのラブドールが眠るクローゼットをまた開いた。

「これなんてどうだ」

バニーガールの衣装を引き摺り出して見せる。

「絶対いや。てか袖ないじゃん、寒い」
「袖のあるタイプもある」
「……え、そうなんだ。じゃあそれ着る」

合意を得たところで、未開封の衣装セットを掘り出した。
ラバー素材の上着と、ぴっちりとしたタイツ。うさみみのカチューシャもついているが、元から生えている大きな猫耳と干渉するだろうから閉まっておく。

「なんだ。まともなのあるじゃん。タイツ電線しちゃうから紐解いて?」
「……。まあいいだろう」

ハサミを通して紐を切る。ぱら、と重力に従って垂れた紐を見るなりすぐ、彼はできた隙間に指を入れてせっせと解く作業に入った。
解き終わった彼はさっさとタイツに足を通し、上着に袖を通す。

「……え」

上下ともに着終わった彼は、もうこれ以上着るものはないのか?と訴えるようにこちらを見る。静かに首を横に振った。

「なにこれ。どういう服?」

以上なまでに丈が短い上着。胸も股間も丸出しの、服とはとてもいえない衣装。白い肌に赤い緊縛の痕、真っ黒なジャケットと網タイツがよく映える。

「あぁ、やはりSSサイズでちょうどだな。少しタイツの布が余っているが」
「え、これセットの服何枚か省いてない?下着とかないの?あと下半身タイツだけっておかしいでしょ」
「いや。これで正しい」

パッケージにある着用モデルの画像を見せる。うわぁ、と言わんばかりの目で見られるが、普通のバニーでなく逆バニーを希望したのは紛れもないダリスだ。

「よく似合っている。とてもかわいいな」
「全く嬉しくないんだけど。てかおなかさむい。おしりもさむい。」
「それはすまない。暖房の温度をあげよう」
「そうじゃなくてさ。普通のバニーも出してよそれも合わせて着るから」
「断る。それだとギリギリ外出できる格好になるじゃないか。……先ほどは触れなかったが、今日丸一日俺と過ごす約束について忘れてはいないよな。逃げようだなんて思うなよ」
「…………はい」

目を逸らした彼は、またベッドに潜り込んで暖をとりはじめた。
後を追って、彼の隣に寝そべる。手探りで晒された腹部に触れると、ダリスは分かりやすく拒絶を示した。

「ちょ、やめて、いきなり触んないで」
「何故」
「その……いいから」

手首を掴まれてどかされ、苛立ちがつのる。

「今日一日、俺とする約束だろう?」
「それは守るよ。違くて、その……自分で準備するから」

そう返され、納得して引き下がった。
ん、と小さな呻き声をたてながら、ダリスは洗浄することもなく即座に後ろをほぐし始めた。ちゅぷ……♡と中が広がる音が、掛け布団の繊維を貫通して聞こえる。

「あ。風呂場は好きに使ってくれ」
「昨日帰ってから何も食べてないし。平気」

ダリスはちゅぷ♡ちゅぷ♡という音を立たせながら、もぞもぞベッドの中で身を捩る。我慢できるか不安だったが、用意はあっという間に終わった。昨日散々しただけあって、すぐに解れたのだろう。

「ほら、いいよ」

す、と彼の髪が肩に触れる。柔らかい肌。目の前の彼の顔に、そっと唇を重ねた。

「んっ……っ♡は、……え、な、なに」
「キスくらいいいだろう?これからもっと凄い行為をするんだ」
「へ、……っ、ん…♡」

ふにふにとした、小さな唇の隙間に舌をねじ込む。

「ぁ、……っ、……、……………ふっ♡」
「……ッ」

熱い息が絡み合う。困った表情で眉を寄せ、目を伏せる彼の表情まで堪能したところで、唇を離す。シーツを擦って出たベッドの外の温度は冷たかった。

「!?、ど、どこいくの!?」

慌てたダリスの声を放る。向かったのは風呂場。座椅子を踏み台にして、吸盤で貼り付けた天井のディルドを何本か引き外した。
帰ってきたダリスははじめ期待と不安の入り混じった表情をしていたが、俺を見るなり表情を曇らせる。

「え……」
「今日はこれでたっぷり楽しもうな♡」
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