堕ちろ!激かわ猫男子

芋谷

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風邪(2)

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目を覚ます。ダリスが隣にいないベッドがやけに広く感じられる。ぼんやりしていた意識は次第にはっきりとしていって、自分が風邪をひいていたことを思い出した。自らの額に手を当てる。熱はまだ残っているようだ。

「おはよー。昨日より顔色いいね」

小走りで駆けてきたダリスが顔を覗きこむ。ゆらりと髪が揺れた。

「あぁ。寝たらマシになった」
「そっか、よかった。朝ごはんは……、あ」

タイミングを測ったようにぐるる、と腹が鳴る。

「ごはん一応作ったけど。たべる?」
「ああ、もらいたい。」
「ん、待ってて」

ぱたぱたとダリスがキッチンに去る。先週末一緒に料理したときの記憶を思い返し不安がよぎる。調理は得意でないようだったが大丈夫だったのだろうか。怪我でもしていないといいが。

「おまたせ、はい」

トレーには白いボウルとスプーン。彼の手指に傷がないのを確認してほっとする。
ベッドから上体を起こし、トレーごとそれを受け取った。どの調味料を使ったのだか変なスパイスの匂いがする。
意を決して一口食べると、想像通り微妙な味がした。素材の味など知りませんと言わんばかりに多様な調味料が加えられ、謎の後味としつこさのある風味。中途半端な大きさで切られた葉野菜の表現し難い舌触り。食べられないほど不味くはないし文句を言うほど酷くもないが、美味いか不味いかの二択のみで評価するならば確実に不味い。

「どう?」
「悪くない。お前の味がする」
「きっもー」

眉を寄せてダリスが笑った。
最後の一口まで食べきると、また彼が口を開いた。

「で。今日、どーしよっか」
「寝たい」
「知ってた。そーじゃなくてさ、なんかおれにして欲しいこととかある?」

軽く首を傾げてダリスが問う。可愛らしい仕草がよく似合うと改めて感じる。

「ないならてきとーに過ごすけど」
「そうだな。……俺の隣で一日中寝てほしい。抱きしめたい」
「ぜんぜん元気じゃんきも。うつりたくないからやんないよばーか」

くすくす笑いながらそう言ったダリスは踵を返し、なんかあったら呼んでね、と残した。彼と一日中同じ家にいられると思うと、じんわりとしたものが込み上げてきた。
うたた寝から目覚めても、昨日ほど時間は経っていなかった。人間が寝られる量には限界がある。どうやらそれに達してしまったようだ。

「ダリス、」

なんて。呼んでも彼は来ないだろうな、そう分かってはいるが、自然と彼の名を呼んでいた。しんと静まり返った部屋に声は溶け、静寂が戻る。

「……えなんか今呼んだ?」
「え」
「あれ、気のせい?」
「いや呼んだが」
「やっぱ呼んでんじゃん」

どしたの、と言いながらダリスが寄ってくる。

「すまない。呼んだだけだ」
「えぇー……?」
「特に用は無い」
「あは。意外とかわいーとこあんね」

面倒なことをするなと怒られる覚悟だったが、ダリスの態度は優しかった。

「なに?暇になっちゃった?」
「……、そうだな。」
「そっかー。んー……ちょっと待ってて」

ばたばた音がする。扉が開いたり閉まったり、歩き回ったり、ごそごそ謎の音がしたり。
しばらくして、天井のみだった視界にまた彼が映った。

「じゃじゃーん!似合うくない!?」

胸元がガバリと開いた、太ももが全く隠せていないナース服。ピンクがかった白い布地のそれは、彼と付き合うずっと前に購入したものだ。

「なんで、それ」
「着替えなかったしクローゼット漁らせてもらった。ちょーどいいかなって」

彼がこれを着たらどんなに良いだろうと何度も妄想していたそれを着られ、コンマ二秒で勃起してしまう。体調の悪さに反して元気すぎる股間が恥ずかしい。

「……今日も抜こっか?」

安っぽい薄布に身を包んだ彼がそう笑った。



「ぅ゛、ッ……………♡」
「我慢汁やば……♡ もうイきそう?」

親指の腹でぐりぐりとカリの段差を擦られ悶える。右手で竿全体を擦られながら左手で亀頭周辺をいじられ、彼の指摘どおりごぷごぷ絶え間なく我慢汁を垂らしてしまう。動きが落ち着いたかと思うと激しく擦られ、イきかけたところで止められ。彼に翻弄されて股間は爆発寸前だった。体調さえ良ければ間違いなく押し倒していただろう。

「ッ♡ はッ♡ あ゛ー、ッ♡ っ♡♡♡♡♡♡」
「ふふ。イきたい?」
「イきたい、頼む、イかせてくれ……ッ♡ っ、♡♡」
「仕方ないなあ。……ん」

上下に擦られていた右手の動きが速くなる。カウパーでぬるぬるになった手で激しく擦られ、凄まじい快楽を与えられる。

「あ゛、イく……ッ♡ は、……ッッッ……♡♡♡」

びゅッッ♡♡♡♡♡♡ びゅ~~~~~~~~~~~ッ♡♡♡♡♡♡ びゅぷ……♡♡♡

「、……♡」

隣で手を動かしていたダリスの手が止まった。彼は勢いよく溢れ出て彼の顔にまで飛び散った精液を拭いながら、射精を終えて落ち着いたそれをじっと眺める。

「えっち、したい……」

予想だにしなかった言葉に激しく動揺する。何も言えないでただ固まっている俺を見て、彼は気まずそうに視線を逸らした。

「ごめんうそ、……、忘れて…………………」
「ダリス」
「うそだってば、ほんとごめん、……」

彼の頬に触れる。自分の指先よりも熱い頬。

「ダリス、しよう」
「え」
「セックス 。しよう、いや……したい。させて欲しい。」
「でも、」
「俺がダリスとしたいんだ。その、状況が状況だし、上手く動けないからお前が満足できるか怪しいが。……それでも。セックスしたい」

半ば強引に振り向かせ、彼の目を見つめる。深い橙色の瞳の瞳孔が開く。

「……アイン、…………」

ベッドが軋む。彼の体重が太ももに乗る。

「ほんとに、挿れるよ……?♡」

射精したばかりなのにまたいきりたっているそれに、彼の温かい手が添えられる。ちゅぷ、ちゅぷ……♡とゆっくり肉襞に包まれる。

「んっ♡ はぁッ♡ ……ッ♡ ぅ……♡、はいっ、た……♡♡」

ダリスは俺を見下ろしながら幸せそうに笑う。ふにゃりとした目元が快楽に滲んで、今すぐ抱きしめたいほどに愛しい。
肉襞の動きだけでも気持ちよくて、動かれたらどうなってしまうのかと心臓がばくばくする。

「ん、ぅ…………♡♡」

ゆっくりと彼の腰が上下に揺れる。腰を浮かせるたび、名残惜しそうに中が絡みつく。

「あ、ぁぁ……………♡、ん、♡ あ゛ああぁぁ……♡ぁあぁ…………♡ ぁッッ……♡♡♡」
「ッ、ダリス、上手だな……♡」
「ん……、えへ、……ッ♡ は……ッ♡ ぁ、んん゛う~~ッ……♡♡ あ゛ぁあ…………っ♡♡♡♡♡」

熱も体のだるさも忘れて、快楽に身を委ねる。激しさのない穏やかな行為だが、どろどろ脳が溶けていく感じがする。毎日セックスするという義務ではなく、彼自身に求められているからなのだろうか。

「ッ♡ は、……ぁ……♡、……………っ、」

生ぬるい肉が離れて、代わりに彼の顔が寄る。柔らかいさらさらした髪がくすぐったい。ナース服を模した薄布が汗でぺたりと張りついて、白い肌が透けて見える。

「ダメだダリス、風邪がうつってしまう」
「おれとキスしたくないの?」
「……ッ、……♡」

ダリスの唇が触れる。柔らかい唇と何度か触れ合ったあと、互いに舌を入れて、長いこと愛しあう。唾液を送りあって、舌を絡めて、息が苦しくなるまで。

「アイン、あし、上げれる?」
「ああ」

言われた通りに足を上げると、彼は腿を挟み込むように跨った。膝裏に腕を通され、先ほどより深く尻を押し付けられる。

「ふか……♡ おく♡ おくきもちぃ……♡♡」

こちゅ♡ と奥に当たる。結腸まで深々と肉竿を咥えたダリスは、ぐりぐりと先端を最奥で甘やかす。

「きもちぃ~~…………♡ きもちぃ♡♡♡ はっ♡ あっ、はぅ♡ きもちいいのとまんなぃ゛ぃッ…………♡♡ はぁ………………♡ あぁん……あぁぁ♡ あ゛あぁッ…………♡♡」
「中うねってる……♡ 俺も気持ちいい……♡♡」

ダリスがいやらしく腰をくねらせより深くへ嵌めようとする。ほとんど腰を振っていないのに、雄を求めてきゅうきゅうと締め付ける中も気持ち良くて、睾丸が疼く。込み上げる射精感を押さえながら、彼に揺さぶられる。

「んほォォ゛お…………………おお゛~~~っっ………………♡♡♡♡ おく気持ちいいのぉぉ……♡♡♡ はへぇぇ……あへぇぇっ…♡ イク……♡ イクッッ……………………♡♡♡♡」
「は、……ッ♡、俺もイきそうだ……♡」
「いく♡♡ ぎもぢぃっ…………♡♡♡♡ ひぉ゛ッ♡♡♡♡♡ ふうッ……………♡♡ いく♡ いく……♡♡ いく゛ッ♡ イク♡ イク♡ イク♡ イクッ♡♡♡♡♡♡♡♡ せーし♡ せーしちょーだい?♡♡♡♡ ッ♡ ん゛♡♡」

びゅ♡ びゅるるるるる♡ びゅーッ………♡♡♡♡ びゅぷっ♡ びゅるるるるる♡ びゅるるるるるるるるる♡

「あ♡ でてる……♡♡♡♡ びゅーびゅー♡♡ せーし♡♡♡♡ きてる……………………♡♡♡♡」
「はーッ……♡ ……っ、ふーッ………………♡」
「ん゛♡ はーっ♡ はーっ♡ ぁぅ♡……ッんっん゛ぅ♡ う~~…………♡♡ はぁッ、ぁう゛ぅ…………♡♡ んぉお゛っ……♡ は、ぁ♡…」

射精の勢いが衰え、水っぽい精液がだらだらと漏れる感覚がする。残滓を絞られながら、疲労感に似た心地よさを感じる。
掴まれていた足を解放され、ダリスの体が離れていく。性液が細い銀糸のように伸びて、切れる。

「ん……♡」

ごろりと隣に寝転がった彼が優しく笑んで、頬にキスを落とされた。



翌朝。目が覚めて体を起こす。怠さも熱も吐き気もすっかり治って、食欲も元に戻っていた。

「あれ、治った?」
「みたいだ。
「よかったね。おれのおかげじゃん」
「そうだな。助かった、ありがとう」
「……ここツッコむとこだったんだけどな」

冗談っぽく笑いながらダリスが言う。

「お前がいると、風邪も悪くなかったな。二日間ありがとう。」
「そーお?じゃあ毎日看病しよっか?」
「それは……遠慮する」
「だろーね」

そんな会話をしながら食事を終え、二人で職場に向かった。
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