さちれいにサチアレ!

壊れ始めたラジオ

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さちれい編

スローガンその15「もう一人の助っ人」

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『放せぇ! 放してくれぇ! あおいちゃん! 助けてくれあおいちゃぁん! あ……! あおいちゃん……。そんな……。私はただ……、伊ヶ崎波奈いがさきはなに……いつも前に立っていたあの憎い女に……復讐したかっただけで……幸せに……幸せになりたかっただけなのに……』




「……」
「……裏切ったはずの甲ヶ崎華那こうがさきはなのことが気になるの? あおい
「……何を言うんだい? そんなまさか。僕はただ金に目がくらんだだけさ。たったそれだけの理由で上司を差し出した屑だよ」
「屑だと思うんならそうなんじゃない?」
「ああ、それでいいさ」
「……さて、帰ってきたわね。我らがアジトに」
「あぁ。僕らの……」
「ロックオープン! ただいマルゲリータ三種のキノコのせ!」
「っておい人の話を最後まで……」
「……おかえり、早智ねぇ
「ただいマスカレイドで仮面舞踏会!」
「まだ言うのか。……おっと、君が番を……」
「そうよ。……出でよ!」
「既にでてるぞ」
「……それもそうね。紹介するわ。我がご近所さん、大須多十羽おおずたとばァ! ……ちゃんよ」
「た……と……ば……?」
「たとば」
「たとば…………」

 ……まさか、蝶茶韻理が呼んでいたのがこんな小さな女の子だったとは。見たところ小学生のようだが……。

「……よろしく。僕は番門碧つがいかどあおい。蝶茶韻理と同じく、天寿の監査室で働いている」
「……よろしくなんだぜorz」

 ……ん?
 今、彼女はなんと言ったんだ?

「『おーず』よ」
「しれっと人の心を読まないでくれないか、蝶茶韻理」
「……くっ! 初対面の人間にはっきりと声を届けられていなかったとは……! 悔しいんだぜorzおーず!」
「そんな四つん這いになって悔しがるほどのことでもないだろう」
多十羽たとばちゃん、ちょっと生真面目なのよ」
「『生真面目』という表現は果たして正しいのか?」
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