夫婦×交換(R18)

ももも

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 扉の先の洗面所は、広々していて、奥にはガラス張りの浴室が見えた。

(ホテルみたいだな)

 ガラスや鏡にも曇りは見当たらず、ぴかぴかに掃除されている。生活感を感じないなと裕也は思った。

(香澄もこれくらい綺麗にしてくれればいいのに)

 そんなことを考えながら用を済ませてトイレを出たところ、扉の前にドラム式の洗濯機によりかかっている結花子がいたので、裕也は驚いて目を見開いた。

「そんなに驚かなくていいのに」

 結花子は微笑みながら、裕也との距離を縮めた。 
 気づいた時には、その赤い唇が近づいて来ていた。裕也は顔を背けようとしたが、彼女の細い白い指が頬に優しく触れた瞬間、思わず力を抜いて、自分の唇に重なるそれを受け入れてしまった。

 ふわりとかするように、唇と唇が触れ、鼻先を仄かな香水の香りがかすめた。ごくり、と喉を鳴らし、視線を彼女に向ける。少し下、顎のあたりに微笑む結花子がいた。

――綺麗な人だな。

顔が熱くなり、顔を舌に向けると、結花子の着ているベージュ色のVネックの間から、豊かな胸の谷間と、それを彩る黒いレースの下着が見えた。胸を意識した瞬間、それが自分の身体に押し付けられていることを意識しだ。

確かな弾力を感じて、心臓がどくんと鳴った。血が頭に、そして下半身に巡るのを感じる。

「ここ……、硬いわ」

 結花子は裕也の頬に添えていた手をゆっくりと下に降ろしていった。

「う」

 ズボンの上から、結花子の指がゆっくりと大事なものを愛でるように裕也のそこを撫でた。彼女の繊細な指が動くたび、血液がそこに集まり、行き場を失くして硬く肉を勃ち上がらせる。

「奥さん、あの……、止めてください」

 息を荒くしながら、裕也は彼女の手を押さえた。それでも結花子はそのまま指を動かす。

「どうして?」

「だって、結城さん……社長も、俺の妻もそこにいますし」

 リビングの方からは、料理の説明を続ける拓真の声と、それに頷く香澄の声が聞こえてくる。

「社長も、妻も――ね」

 結花子はくすりと笑った。
 今、裕也は妻よりも、自分の勤め先の社長である拓真のことを先に口にした。
 そちらの方をより気にかけているということだ。
 思った通り、と結花子は口角を上げる。
 
 拓真に結婚式の写真を見せてもらった時に微妙な違和感に気づいたのだ。
 満面の笑顔の新婦に、少し緊張とは違うような、強張り気味の笑顔の新郎。
 二人の気持ちが噛み合っていないような気がした。
 ――二人ともかわいそう、と思った。ついでに、面白そう、とも。

「裕也くん、あなた、モテるでしょう。かわいい感じで、女の子がつい気にしてしまうタイプだもの」

 結花子はゆっくりとした口調で聞く。
 何が言いたいんだこの人は、と裕也はごくりと喉を鳴らす。

「香澄さんとお付き合いしている間も何度か浮気をしたわね?」
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