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本編
「春を知った」
しおりを挟む「春を知った」
風があたたかくなると
待ってましたとばかりに
若い緑の芽が顔を出す
生まれたばかりの色はくすんでいて
緑だと教えられるまでは
焼けたあとの灰にばかり見えていた
霞んだ空気が青を隠し
二酸化炭素の量を増やす
その全てが光合成の材料になるのだと言うと
賢い誰かは大きな声で笑った
飛行機雲が広い空に
真っ直ぐな一本線を残す
あのふわふわとした雲を追いかけていけば
世界の果てにいけるのだろうか
酸素の薄い大気圏間近は
危険な場所だと引き止められる
隣に目を向けると
色の濃い蕾が膨らんでいた
いつの間にそこまで大きくなったのかと聞くと
あなたももう咲きそうだと言われてしまった
変わっていく周囲にばかり
気を取られていたが
実は
ずっと成長していたらしい
僕も 君も
このあたたかな風に吹かれて
花開くのを
今か今かと待ち侘びている
僕は何色になるのだろうか
君は何色になるのだろうか
何色だって構いはしない
僕と君の色が混ざって
何色にも変えられない
花を咲かせるのだから
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