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第三部 乙女ゲーム?高等部編
17
「も、もしかして、魔物退治が進んでないのも」
「王家と騎士団は魔物討伐に積極的だよ。まだ覚醒していないシレネを参加させて、現場で実践を積ませようとしたんだ。でも、これにトルマリンとガーネットと教会側が反対して、聖なる乙女を先に覚醒させるべきだと訴えているんだ。実際、今はシレネは教会に篭って頑張ってるらしいけど、なかなか能力が開花してないんだ」
魔物討伐も聖なる乙女の育成も進んでない理由は分かった。
それは国外が予想した通りだった。内部で王族と貴族の対立が互いに足を引っ張ってるんだ。
しかもキッカケは公爵家の希望で結ばれた婚約を、公爵家が勝手に破棄したこと。
しかも、当事者はジェードと、オレ!
ダメだ!こんなの他国に報告できない。
現状と他国への依頼で頭を悩ませてると、ジェードがジッとオレを見つめてるのに気づいた。
「何だ?」
「リア、僕の事、軽蔑する?」
「へ?何で?」
軽蔑どころか、申し訳なさと、感謝しかない。
「だってさ、僕は、1人の令嬢の未来を奪ったんだよ?」
「ジェード…」
「とても良い子だったんだ。いつも前向きで、賢くて、リアみたいに周囲への気遣いがすごくて…」
ジェードの声が詰まる。懸命に泣きそうになるのを堪えてるのが分かった。まるで小さな子みたいに。
かろうじて、動く両腕でジェードの頭を抱き寄せた。涙が見えない様、オレの胸を貸してやる。
「オレにその令嬢の良さは分からないよ。でも何か理由があってした事だろ?」
「うん。彼女からその日、どうしても破棄して欲しいってお願いされたんだ。きっと何か事情があったんだと思う」
「……そうだよ。だからさ、もしかしたら令嬢は今頃自由を謳歌してるかもしれないだろ?」
「…へ?自由?」
予想外の意見にジェードが変な声を出して顔を上げた。
「例えばだよ。ジェードが婚約破棄した事で、彼女が救われたと感じてる部分もあるかもしれないって話」
オレはまたジェードの頭を胸に引き寄せた。
「だからさ、もう自分を責めるなよ」
「……っ」
ジェードは何も言わなかった。ただ静かにオレの胸で泣いてる。オレも無言で、ただその頭を撫でてやる。
そう。ジェードは悪くない。
悪いのは、全部、オレだから。
「リア…何で泣いてるの?」
「…泣いてない」
気づけばオレの目からも涙が流れてた。泣く資格なんて、ないのに。
ジェードがちょっと身体を起こしてオレの目元を拭った。自分だって泣いてるくせに。
ジェードの綺麗な顔が近づいて来て、オレの目元にそっと口づけた。
まるでオレの涙を、苦しみを救う様に。
ジェードと視線がぶつかる。子供の時から見ている柔らかい緑の瞳が潤んで。その目尻から涙が溢れた。
今度はオレがその涙を救う様に、ジェードの目元に口付ける。
そしてまた、視線が絡むー。
まるで互いが吸い寄せられる様に、オレとジェードは唇を重ねた。
ジェードの唇は柔らかくて。ふに、と弾力があった。
気持ち良い。そう感じる。ただ触れただけなのに。何だか気持ちが通じ合うみたいで。
もっとしたくなった。
無意識にジェードの服を掴む。
ジェードが再び唇を重ねてきた。ふに、という柔らかさと、微かにリップ音がした。
それが耳を刺激して。甘酸っぱい気持ちが胸に広がる。
この感情を何て呼ぶのか、分からない。
だけど、胸がいっぱいで、なんだかまた泣きたくなって、少し、身体が震えた。
オレが微かに震えたのに気づいたのか、ジェードはチュッとリップ音を鳴らして、またキスしてきた。
そして。唇から、頬、おでこ、瞼。いたる所に、口づける。その度に、オレは溢れそうになる感情に身体が震えた。
「ジェード…」
「…なに?」
優しい瞳がオレを見つめる。この視線を独り占めしたい。そんな自分の気持ちに戸惑う。
「…何でもない」
「ふふ、どうしたの?赤くなってるよ」
「言うな」
拗ねて離れ様としたオレを。今度はジェードが抱き寄せた。さっきまでと体勢が逆転して、すっぽり奴の腕の中に収まる。それがちょっと悔しくて。不思議と安心した。
ジェードがオレの顎に手をかけて、持ち上げる。またキスされる。そう思ったけど。全然嫌じゃ無くてー。
オレは目を閉じて、されるがままジェードを受け入れた。
「王家と騎士団は魔物討伐に積極的だよ。まだ覚醒していないシレネを参加させて、現場で実践を積ませようとしたんだ。でも、これにトルマリンとガーネットと教会側が反対して、聖なる乙女を先に覚醒させるべきだと訴えているんだ。実際、今はシレネは教会に篭って頑張ってるらしいけど、なかなか能力が開花してないんだ」
魔物討伐も聖なる乙女の育成も進んでない理由は分かった。
それは国外が予想した通りだった。内部で王族と貴族の対立が互いに足を引っ張ってるんだ。
しかもキッカケは公爵家の希望で結ばれた婚約を、公爵家が勝手に破棄したこと。
しかも、当事者はジェードと、オレ!
ダメだ!こんなの他国に報告できない。
現状と他国への依頼で頭を悩ませてると、ジェードがジッとオレを見つめてるのに気づいた。
「何だ?」
「リア、僕の事、軽蔑する?」
「へ?何で?」
軽蔑どころか、申し訳なさと、感謝しかない。
「だってさ、僕は、1人の令嬢の未来を奪ったんだよ?」
「ジェード…」
「とても良い子だったんだ。いつも前向きで、賢くて、リアみたいに周囲への気遣いがすごくて…」
ジェードの声が詰まる。懸命に泣きそうになるのを堪えてるのが分かった。まるで小さな子みたいに。
かろうじて、動く両腕でジェードの頭を抱き寄せた。涙が見えない様、オレの胸を貸してやる。
「オレにその令嬢の良さは分からないよ。でも何か理由があってした事だろ?」
「うん。彼女からその日、どうしても破棄して欲しいってお願いされたんだ。きっと何か事情があったんだと思う」
「……そうだよ。だからさ、もしかしたら令嬢は今頃自由を謳歌してるかもしれないだろ?」
「…へ?自由?」
予想外の意見にジェードが変な声を出して顔を上げた。
「例えばだよ。ジェードが婚約破棄した事で、彼女が救われたと感じてる部分もあるかもしれないって話」
オレはまたジェードの頭を胸に引き寄せた。
「だからさ、もう自分を責めるなよ」
「……っ」
ジェードは何も言わなかった。ただ静かにオレの胸で泣いてる。オレも無言で、ただその頭を撫でてやる。
そう。ジェードは悪くない。
悪いのは、全部、オレだから。
「リア…何で泣いてるの?」
「…泣いてない」
気づけばオレの目からも涙が流れてた。泣く資格なんて、ないのに。
ジェードがちょっと身体を起こしてオレの目元を拭った。自分だって泣いてるくせに。
ジェードの綺麗な顔が近づいて来て、オレの目元にそっと口づけた。
まるでオレの涙を、苦しみを救う様に。
ジェードと視線がぶつかる。子供の時から見ている柔らかい緑の瞳が潤んで。その目尻から涙が溢れた。
今度はオレがその涙を救う様に、ジェードの目元に口付ける。
そしてまた、視線が絡むー。
まるで互いが吸い寄せられる様に、オレとジェードは唇を重ねた。
ジェードの唇は柔らかくて。ふに、と弾力があった。
気持ち良い。そう感じる。ただ触れただけなのに。何だか気持ちが通じ合うみたいで。
もっとしたくなった。
無意識にジェードの服を掴む。
ジェードが再び唇を重ねてきた。ふに、という柔らかさと、微かにリップ音がした。
それが耳を刺激して。甘酸っぱい気持ちが胸に広がる。
この感情を何て呼ぶのか、分からない。
だけど、胸がいっぱいで、なんだかまた泣きたくなって、少し、身体が震えた。
オレが微かに震えたのに気づいたのか、ジェードはチュッとリップ音を鳴らして、またキスしてきた。
そして。唇から、頬、おでこ、瞼。いたる所に、口づける。その度に、オレは溢れそうになる感情に身体が震えた。
「ジェード…」
「…なに?」
優しい瞳がオレを見つめる。この視線を独り占めしたい。そんな自分の気持ちに戸惑う。
「…何でもない」
「ふふ、どうしたの?赤くなってるよ」
「言うな」
拗ねて離れ様としたオレを。今度はジェードが抱き寄せた。さっきまでと体勢が逆転して、すっぽり奴の腕の中に収まる。それがちょっと悔しくて。不思議と安心した。
ジェードがオレの顎に手をかけて、持ち上げる。またキスされる。そう思ったけど。全然嫌じゃ無くてー。
オレは目を閉じて、されるがままジェードを受け入れた。
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