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連載
232 一方その頃(sideギギ&ルル兄弟)
竜王国に着いた初日。
ギギとルルはアーク達と別れて騎士に送って貰った宿屋でひと息つく。
「はあ---やっぱり大貴族なんだな、アークって」
「ねー、改めて実感したよ。さすがにあんな扱いされたらイヤでも分かるわ」
冒険者としてのアークは言葉遣いも平民と変わらないし驕ったところもない。
だが、端々で貴族っぽい仕草や言葉がスルッと出てくるのを見ると、やっぱりそうなんだなと認識させられて。
俺達の方が長生きしてんのに、なんていうか達観してるというか経験豊富というか・・・。
「アイツはアイツで苦労してんだろうな・・・」
「俺達、御貴族様じゃなくて良かったよね」
しみじみと言うルルに速攻頷いた。
「俺達にはこれくらいの宿がちょうど良い!」
「うんうん。ほどほどが一番」
そうしてのんびり過ごした次の日、この街のギルドに顔を出した。
「頼も---!!」
「煩いよ、バカ兄!!」
相変わらずのギギにすかさずツッコむルル。
ポカンとしたギルド内の何とも言えない空気感。
「・・・・・・あれ、スベった?」
「ウケを狙うんじゃない!」
「いや狙ったわけじゃねえけどよ・・・まあちょっとはウケるかなとは思ったけども・・・おいおい、ゲンコツ作るな! ジミに痛い!」
ルルは最近冗談が通じないなあ・・・歳か?
あ、いや自分も同じだったわ、双子だったよブーメランだった!
「それよりさすがにアークとノアはいないか・・・。帰ってきたばっかりだもんなあ・・・」
「当然でしょ。あの大公家だよ、構い倒されてるに決まってんじゃん。アークそっちのけで構われてヤキモチ焼いてるよきっと」
「あーあー、有り得る。目に浮かぶようだぜ」
「そうなんだけど、良いからほらお兄、さっさとギルマスに声かけて観光しようよ! 皆の邪魔になるから」
よく見るとギルド内の皆が二人を凝視していた。
特に受付の灰狼の若い子がガン見していて、隣の黒狼の先輩らしい子に小突かれていた。
ギギとルルは顔を見合わせてからスタスタとその受付に向かって歩いて行った。
受付はちょっとザワついている。
黒狼の方はあちゃあ、というように額を押さえて、灰狼の若い子は目が爛々としていた。
面白えな。
ギギはニヤリと笑い、ルルは黒狼と同じように額を押さえていた。
「よお、俺達はギギとルルっていう魔人族の冒険者だが、ギルマスに会えるか? ああ、俺達はアークとノアの連れだが、たぶん昨日の門のところの騒ぎ知ってるだろ?」
「はい! 存じております。アルカンシエル様とノア様と一緒にいらっしゃったAランク冒険者様ですよね?! ギルマスは今、執務室にいらっしゃいます。確認を・・・・・・大丈夫だそうです。そちらで職員がご案内致します」
「おう、ありがとうな」
「ありがとうね」
そう言われてひらりと手を振って移動する。
背後でザワついているのが分かったが、振り返らなかった。
さっきの受付の子達、なんかウチら兄弟に何となく似てたな、なんてルルが思っていた事にギギも気付いていたが、さすがにツッコまなかった。
盛り上がる子を宥め窘める先輩。
・・・騒ぐギギと苦労性のルル。
立場が似ていると、黒狼の先輩も思って苦笑していた。
ギルマスの執務室に入ると、ギルマスがカロンだと挨拶をしてきたのでこちらも名乗り返す。
「単刀直入に言うと、俺達も『見守り隊』に入っているから何かあれば協力は惜しまないっていうことだ。ノアとは友人関係だしな」
「そうそう。だから遠慮なくどうぞってコトです」
「---そいつは助かる。その時は遠慮なく頼ろう」
「ヨシ、じゃあ用はそれだけなんで、後はぶらぶらと街を歩いてと。クエストボードに良いのがあれば受けても良いな」
「じゃあ、お邪魔しました」
「おう、またな!」
それからしばらくして色んな噂が飛び交った後、ギルドの訓練所でアークとノアのエキシビションマッチを行うと聞いた二人が面白そうだと準備に加わって特等席を用意して貰ったのは内緒である。
※アーク達と別れたあとのギギルル兄弟の足取りでした。
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