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297 魔人国と竜王国の協議会 3
本日10時からの会議の前に、昨日の宣言通り精霊王はやって来た。
やはり何の前触れもなく、目の前に金色の魔力が散ったと思ったら瞬きのウチに現れた。
もはや何も言うことが無い、というか諦めた。
「自由すぎだろ、精霊王は・・・」
《だって、今日が本題だろう?》
呆れた声音でそう言うアークに精霊王は頓着せずにそう応える。
「まあ、確かにそうなんだが」
「喚ばなくても来てくれたんだから良いんじゃない? 助かるし」
「いやそうなんだが・・・」
---そんなにホイホイ現れて良いのか?威厳とか希少性とか・・・・・・良いんだろうな・・・きっと気にもしてないよな・・・。
などと心の中で考えていることなどお構いなしに再びルンルンな二人。
アークはもう諦めた。
---ノアが良いならいっか。
何処までも番い至上主義である。
そして案の定、想定していた状況なのか驚く素振りも見せずにノア達と合流すると、侍従を先頭に移動する竜王陛下達。
「・・・なあ、やっぱり自分で来ちゃったのか?」
後ろでこっそりアークに尋ねるギギに、アークは溜息を吐いて応える。
「15分前行動だったな」
「精霊王、割と几帳面?」
ルルが驚いた。
ギギも、聞こえていたレオン達もびっくりしている。
「そんなわけあるか。アレは単にノアに会いたくて行動してるだけだろう。そもそも精霊に外界の時間の感覚なんて分かるのか?」
「いやあ、分からないと時間に間に合うようには来られないんじゃないか? 案外、時刻とか確認してたりして」
《我の住処に砂時計を置いているのよ。一日分の時刻が分かるようにメモリ付きで》
ヌッと話に入り込んできた精霊王にギョッとする。
「精霊王、急に割り込むな! 心臓に悪い」
《スマンスマン、だが何やら我のことを話していたようなのでな》
「え、精霊王様、時刻チェックしてたの?!」
「・・・ええ・・・砂時計を凝視する精霊王・・・シュールな絵面なんだけど」
アークの苦言をさらっと流す精霊王にツッコむギギルル兄弟とヘンな空気が辺りを包む。
《ちなみにちゃんと暦も置いてある。暦担当の精霊もいるぞ。我だとうっかり忘れるのでな》
はははと笑ってるが、良いのかそんなんで。
相変わらずマイペースな精霊王だったが・・・。
《それで此奴の罰だが》
会議場に入って席に着いた途端、精霊王の雰囲気がガラッと変わった。
顔は笑ってるが、目がちっとも笑っていない。
カフカから例の檻を受け取ると、周りの人から見えるくらいまで大きくした。
今は円卓の中央にふわふわと浮いている。
中にいるダンダリアンは、相変わらず魔力を吸われて力無く横たわっている。
代わりに魔力で咲いた花があちこちで花開いていた。
話には聞いていたが、恐ろしい檻だ。
綺麗な薔薇には棘がある・・・まさにそれを体現していた。
《我らで決めて良いのよな?》
そう言う精霊王の微笑みが今はただただ恐ろしい。
報告にもあったが、精霊王はかなりお怒りのようである。
しかしセラフィムは然もありなん、と納得もしていた。
自分だって愛しい我が子が酷い目に遭ったなら同じように憤るだろう事が考えられたからだ。
だからこれは当然の権利。
「我ら魔人国としては問題ありません。後は冒険者ギルドの二人・・・確か其方らも過去の犠牲者だったか?」
「「はい、魔王陛下」」
「うむ、ならば其方らと竜王国側で気の済むように罰を与えて欲しい」
その言葉に精霊王達はニヤリと笑った。
---後日、セラフィムは『この時ばかりはちびりそうになった』と涙目でラヴィアに呟いたそうだ。
それくらい、真っ黒な笑みだった。
※ざまぁまでいかなかった・・・。あと少し・・・。
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