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連載
329 閑話 竜王陛下の日常
※うらのトトロ様リクエストです。
ここ竜王国の竜王陛下クリカラの朝は早い。
日が昇る前の薄暗い時間、使用人達が起き出して支度をし始める頃に起きると、私室のテラスから庭に出て軽くストレッチをすると素振りを始める。
30分ほど型に沿って振ったあと、今度は体術を始めた。
とても高齢とは思えないキレだ。
これもやはり30分ほど行うとひと息ついてコップに水を注ぎ、一気飲みしてテーブルにタンッと置く。
「ぷはーっ! 美味い!」
そうして休憩は終わりとばかりに今後はスクワットを1000回、腕立て伏せ、腹筋も1000回行った。
・・・・・・もの凄いスピードで。
「・・・・・・相変わらず筋トレ馬鹿だな」
「なんの、本当は1000回を5セットずつ熟したいんじゃがな!!」
「・・・そんな時間があるならサッサと書類の一枚や二枚や百枚捌いてくれ」
「ええ、増えてるじゃないか!! イヤじゃ! 体を動かしてる方が余程良いわ!!」
「はいはい、終わったら幾らでもやって良いぞ」
そう言ってリュウギに引き摺られていくクリカラを見送る使用人は、見慣れた光景だと笑っていた。
シャワーを浴びて着替えたクリカラは朝食を食べると執務室に籠もる。
書類仕事は机に座りっぱなしで、正直好きではない。
しかし竜王となって数百年、いい加減慣れもする。
大体、一年通して行われる行事などはほぼ定型通りで変わり映えのしないモノだし、どこそこの街でトラブルがあったとしてもこちらにあがってくるときにはすでに対処済みで手を出すことも無い。
淡々と書類を捌くのみ。
竜王となってからは自身の力を振るう場など無いに等しい。
それこそ戦でも起きれば話は違うが、今の平和な世の中、ましてや最強と謳われる竜人の国を落とそうと思う者もいない。
「平和なのは良いんだがなあ・・・」
血湧き肉躍る事など、もうウン百年起こったことは無い。
毎朝鍛錬と称して体を動かしているが、あれっぽっち、散歩にもならん。
「あー、思いっきり暴れたいのう・・・」
動かしていたペンを止めて窓を一瞥するとそう呟いた。
その様を見ていたリュウギはひっそりと溜息を吐いた。
「---何じゃと?」
その日、ヴァルハラ大公家から貰った連絡に耳を疑った。
「ですから、ヴァルハラ大公家の庭園が一部、古の森と繋がっているそうで・・・」
「・・・・・・意味が分からん」
思わず怪訝な顔をしてしまう。
「ですよね? 私も意味不明です。なのでヴァルハラ大公家で直に確認をしたほうが良いと判断致しましたので、コレから行って下さい」
「・・・・・・一応聞くが、誰が?」
「竜王陛下が」
「・・・・・・だが、執務が・・・・・・」
「それくらい後回しで結構ですよ。はいはい、とっとと支度をして行く!!」
「おっ、おう、分かった」
リュウギに追い立てられてヴァルハラ大公家の庭園に向かったクリカラは、王宮の庭園の魔境と化した迷路よりもヤバめな空間に、不謹慎ながらワクワクしてしまった。
「・・・・・・どういう仕組みじゃ?」
クリカラは付き添ったウラノスに聞いてみた。
「・・・・・・精霊王殿がいつの間にやらここを古の森に繋いでいたようなんです。やたらと精霊が多く視られるので不思議に思っていたら、目立たぬようにカモフラージュして、門を設置していたそうです」
コレですね、と指した先に庭のシンボル的な大樹の洞があった。
「この洞を古の森に固定して繋げてありました。もちろん安全のために精霊以外は通れないようになっていますが」
「---精霊王殿に頼めば、儂も通れるかな」
「え?」
《通れるよー。何だクリリン、古の森に行きたいのかい?》
「うわ、出たっ! あ、失礼しました・・・」
唐突に現れた精霊王に驚くウラノスとは反対に嬉々とするクリカラ。
「おう、行って魔物退治したいの! 最近運動不足でな!!」
《竜人はどうせ入れるし、討伐して減らしてくれるならこちらに否やは無いよ。じゃあ通れるようにしてあげよう》
「え、陛下、そんな勝手に決めては・・・」
「騎士団の連中も連れて行けば良いだろう。良い鍛錬となろう」
「---えー? ・・・はあ、リュウギ殿になんて言えば・・・」
頭を抱えて呻くウラノスを他所に精霊王とクリカラの話が決まり、後日また来ると去って行った。
「・・・精霊王殿・・・」
《まあそう言うな。誰でもというふうにはせんよ。それに騎士団の鍛錬という名目で行えば公に通るだろう?》
色々条件も付けるし、上位精霊も監視に付けるからと言うので、渋々オッケーした。
後でノア達も聞いて、喜んで洞門を使うようになるので、結果的には良かったそうだが。
「まあ、怪我しない程度に暴れて発散してくれた方がコッチも色々助かるよ。クリカラを抑えるのは骨が折れる・・・」
さすがにクリカラと違って、コッチは年相応な体力筋力なんだよ、筋肉馬鹿め・・・。
心の中で悪態をつくリュウギだった。
※色々とフラグ立って、そこそこ回収出来たかな?
ヴァルハラ大公家の庭園と王宮の庭園・・・魔境になりつつある。
ここ竜王国の竜王陛下クリカラの朝は早い。
日が昇る前の薄暗い時間、使用人達が起き出して支度をし始める頃に起きると、私室のテラスから庭に出て軽くストレッチをすると素振りを始める。
30分ほど型に沿って振ったあと、今度は体術を始めた。
とても高齢とは思えないキレだ。
これもやはり30分ほど行うとひと息ついてコップに水を注ぎ、一気飲みしてテーブルにタンッと置く。
「ぷはーっ! 美味い!」
そうして休憩は終わりとばかりに今後はスクワットを1000回、腕立て伏せ、腹筋も1000回行った。
・・・・・・もの凄いスピードで。
「・・・・・・相変わらず筋トレ馬鹿だな」
「なんの、本当は1000回を5セットずつ熟したいんじゃがな!!」
「・・・そんな時間があるならサッサと書類の一枚や二枚や百枚捌いてくれ」
「ええ、増えてるじゃないか!! イヤじゃ! 体を動かしてる方が余程良いわ!!」
「はいはい、終わったら幾らでもやって良いぞ」
そう言ってリュウギに引き摺られていくクリカラを見送る使用人は、見慣れた光景だと笑っていた。
シャワーを浴びて着替えたクリカラは朝食を食べると執務室に籠もる。
書類仕事は机に座りっぱなしで、正直好きではない。
しかし竜王となって数百年、いい加減慣れもする。
大体、一年通して行われる行事などはほぼ定型通りで変わり映えのしないモノだし、どこそこの街でトラブルがあったとしてもこちらにあがってくるときにはすでに対処済みで手を出すことも無い。
淡々と書類を捌くのみ。
竜王となってからは自身の力を振るう場など無いに等しい。
それこそ戦でも起きれば話は違うが、今の平和な世の中、ましてや最強と謳われる竜人の国を落とそうと思う者もいない。
「平和なのは良いんだがなあ・・・」
血湧き肉躍る事など、もうウン百年起こったことは無い。
毎朝鍛錬と称して体を動かしているが、あれっぽっち、散歩にもならん。
「あー、思いっきり暴れたいのう・・・」
動かしていたペンを止めて窓を一瞥するとそう呟いた。
その様を見ていたリュウギはひっそりと溜息を吐いた。
「---何じゃと?」
その日、ヴァルハラ大公家から貰った連絡に耳を疑った。
「ですから、ヴァルハラ大公家の庭園が一部、古の森と繋がっているそうで・・・」
「・・・・・・意味が分からん」
思わず怪訝な顔をしてしまう。
「ですよね? 私も意味不明です。なのでヴァルハラ大公家で直に確認をしたほうが良いと判断致しましたので、コレから行って下さい」
「・・・・・・一応聞くが、誰が?」
「竜王陛下が」
「・・・・・・だが、執務が・・・・・・」
「それくらい後回しで結構ですよ。はいはい、とっとと支度をして行く!!」
「おっ、おう、分かった」
リュウギに追い立てられてヴァルハラ大公家の庭園に向かったクリカラは、王宮の庭園の魔境と化した迷路よりもヤバめな空間に、不謹慎ながらワクワクしてしまった。
「・・・・・・どういう仕組みじゃ?」
クリカラは付き添ったウラノスに聞いてみた。
「・・・・・・精霊王殿がいつの間にやらここを古の森に繋いでいたようなんです。やたらと精霊が多く視られるので不思議に思っていたら、目立たぬようにカモフラージュして、門を設置していたそうです」
コレですね、と指した先に庭のシンボル的な大樹の洞があった。
「この洞を古の森に固定して繋げてありました。もちろん安全のために精霊以外は通れないようになっていますが」
「---精霊王殿に頼めば、儂も通れるかな」
「え?」
《通れるよー。何だクリリン、古の森に行きたいのかい?》
「うわ、出たっ! あ、失礼しました・・・」
唐突に現れた精霊王に驚くウラノスとは反対に嬉々とするクリカラ。
「おう、行って魔物退治したいの! 最近運動不足でな!!」
《竜人はどうせ入れるし、討伐して減らしてくれるならこちらに否やは無いよ。じゃあ通れるようにしてあげよう》
「え、陛下、そんな勝手に決めては・・・」
「騎士団の連中も連れて行けば良いだろう。良い鍛錬となろう」
「---えー? ・・・はあ、リュウギ殿になんて言えば・・・」
頭を抱えて呻くウラノスを他所に精霊王とクリカラの話が決まり、後日また来ると去って行った。
「・・・精霊王殿・・・」
《まあそう言うな。誰でもというふうにはせんよ。それに騎士団の鍛錬という名目で行えば公に通るだろう?》
色々条件も付けるし、上位精霊も監視に付けるからと言うので、渋々オッケーした。
後でノア達も聞いて、喜んで洞門を使うようになるので、結果的には良かったそうだが。
「まあ、怪我しない程度に暴れて発散してくれた方がコッチも色々助かるよ。クリカラを抑えるのは骨が折れる・・・」
さすがにクリカラと違って、コッチは年相応な体力筋力なんだよ、筋肉馬鹿め・・・。
心の中で悪態をつくリュウギだった。
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ヴァルハラ大公家の庭園と王宮の庭園・・・魔境になりつつある。
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