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352 コレが本題 2
ゴホンとあからさまな咳払いをして、注意をこちらに引くグラウクス。
「まあ、なんだ、つまりそこら中に浮いてる島があってだな」
「うんうん」
「肉眼で見えるような高さにある島は、今のところ一番デカいのが竜王国になるわけだ」
「へえ、そうなんだ。物知りなんだね、さすが偉い学者さん!」
グラウクスが小さい子供に教える先生のように話すと、ノアが純粋に感心してそう言った。
グラウクスはそう言う言葉をあまり言われ慣れていないのか、何処か気恥ずかしそうに目を彷徨わせる。
「・・・うん、なんて言うか・・・・・・純真で天然で可愛過ぎて、直視出来ねえ・・・。お前ら、良く平気だな」
「だろ? 慣れたって言っても不意打ちには弱いぜ?」
「コレがノアの良いところ」
「アークは冷静な顔の下にたぶんデレ顔を隠してるよ」
何やら顔を掌で覆って天を仰ぐグラウクスとぼそぼそ話すギギルル兄弟。
アークは苦笑しながらノアの頭をポンポンした。
「?」
相変わらず分かっていないのはノアだけだった。
その後、復活したグラウクスが言うには、その大小数多ある浮島の中に、常人には辿り着けないような島があるという。
飛行能力ももちろんだが、どうやら島全体に結界らしきモノが張ってあるらしくて、近寄れないとか。
「幾ら俺が梟族で翔ぶ事が出来るといっても、体力はもちろん戦闘力だってそこそこだ。認めたくはないが、ゾアと同年代って事を踏まえるとあちこち探索に行くには気力だけじゃあ無理だ」
苦笑しながらそう話すグラウクス。
「そこで、飛翔の力は断トツで長命で肉体も強靱な竜人なら、何か知ってたり、もしくはそれらしき島に遭遇した、なんて話がないかなと思った訳で・・・」
ソレを聞いてアーク達は納得した。
「・・・・・・なるほどなあ」
「確かに、ルルが魔法で翔ぶのも限度があるし」
「鳥獣人だって長時間翔ぶわけじゃないしな」
「途中で空にいる魔獣と遭遇なんかしたら最悪だな」
「空中戦って魔法一択なところがあるよな」
「調査なんて夢のまた夢ってところだな」
「---分かってくれるか、お前ら・・・!」
うん。
変人レベルで拘っている考古学者の悲願とみた。
竜人の誰かに聞きたくても、大っぴらに竜人ですって看板付けてるわけじゃなし、だからといって声をかけまくるわけにもいかず。
後は竜王国に行けば一番だが、ココは正反対の位置だし、何よりもグラウクスがゾアの元を離れるつもりが無いのだろう。
好奇心よりも恋心の方が上だったわけだ。
さすが、伊達にこじらせ純愛していない。
筋金入りの初恋だな。
「ノアは当然の如く除外で、後はレオン達が冒険者は長いから、何か知ってるかもな」
「それなら大祖父様も長生きだから何か知ってるんじゃない? 聞いてみようよ」
「・・・・・・大祖父様? 誰? ・・・イヤまて、やっぱ良い!!」
「大祖父様は竜王陛下だよ?」
「---っやっぱりー!! 聞かなきゃ良かった---!!」
「「だから諦めろって」」
てんやわんやとしながら、ココが喫茶店の個室で、ノアが防音防御結界を張っていたからいいものの、さすがにこれ以上はマズいと、お会計を済ませてグラウクスの家に行くことになった。
グラウクスの自宅はギルファームからさほど遠くない一戸建ての割と大きい家だった。
「通いでハウスキーパーを頼んであるが、3日おきだから多少は散らかってて、すまんな」
主に溜まった汚れを清掃して、食料の買い出しや作り置きのおかず等。
仕事部屋は立ち入らせず、自分で片付けているそうだ。
「ご両親は、どうしたの?」
「ン? ああ、二人とも健在でな、今頃はどっかの迷宮を探索の為に潜ってるんじゃないかな。パワー有り余ってるからなあ、あの二人は」
「レオンとシェイみたいだね。俺達もそんな夫夫になれると良いね、アーク」
「そうだな」
「「「はいはい、ご馳走様ー!!」」」
今度はギギルル兄弟に合わせてグラウクスも声を揃えて笑った。
※遅くなりました。
今週末まで所用で時間が取れにくいので更新滞りがちです。
お待ち下さいませ。
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