拾われた俺、最強のスパダリ閣下に全力で溺愛されてます 迷い子の月下美人

エウラ

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353 錚々たる面子 1

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場が和んだところでノアが切り出した。

「取りあえずさ、竜王国のレオン達に連絡を取ってみない?」
「・・・どうやって? ギルド経由で連絡を取るのか?」

グラウクスが怪訝そうに聞いてきた。
確かに普通なら簡単に連絡は取れないけど・・・。

「ジャジャーン。実は携帯通信魔導具とは別に音声通話用の小型版を作ったんだ。今回はアクセサリータイプ」

そう言ってテーブルに出したノア。
イヤリングやチャーム、ペンダントトップなど様々なアクセサリー。

「・・・コレ、全部、通信魔導具なのか?」
「・・・すげ・・・普通に見た目アクセサリーだよね」
「何時作ってたんだ・・・?」

グラウクスが呆気にとられ、ギギルル兄弟も驚いた。

「ああ、この前、竜王国にいる間にね。以前、レオン達と連絡取れなくて大変だって義父様達がぼやいてたから、後で作ろうと思ってたんだ。でもこれはさっき言ったように音声だけだよ。ギギ達にあげた携帯通信魔導具のような映像は無理なんだ」

そう言うノアにギギ達は首をブンブンと横に振って応えた。

「いやいや、コレで十分だって!」
「こんなに小さくてちゃんと通信できるのが凄いって!」
「そ? で、コレをレオン達にも渡してあるから、連絡出来るんだよ。ちなみに俺達は腕輪に機能を付与してるからこういうタイプの媒体じゃないんだけど」

レオン達にはピアスタイプのを作ってあげた。
冒険者で戦闘をするから、ジャラジャラするのは邪魔だって。
うん、俺達もそうだから気持ちは分かる。

「あ、ギギ達も通信できるように、その腕輪に付与してあげる。コッチは俺達とレオン達専用の音声通信ね」
「「えっ?! い、良いのか?」」

そう言ってアークを窺えば、今更だと頷いた。

「お前ら、ノアの親友だろう?」
「「---ああ、じゃあ頼む」」
「ちょっと貸してね・・・はい、出来たよ。頭で考えても口に出しても通信できるからね」

一瞬で付与したノアに、もはや諦めの境地のグラウクス達だった。

「---はい、じゃあ本題。レオン達に通信します!」
「・・・ああ」

ハッと我に返ってそう応えたグラウクスに微笑んで、ノアは腕輪からレオン達に通信を入れた。

少しして声が聞こえた。

『---はい、どうした、ノア?』
「この間振り。レオン達にちょっと用があって・・・」
「単刀直入に言うと、空に浮いてる浮島の事で何か知ってることがないか聞きたいんだよ」
「うん。グラウクスって考古学者の人と知り合って」
『---ああ、あの変人学者・・・』

アーク達のやり取りを聞いていた当の本人とギギ達は何とも言えない様子だった。

「---やっぱり変人で通ってるんだ・・・」
「変人! 誰に聞いても変人ってか!」
「---煩い」

側でのそんなやり取りが聞こえたのか、レオン達が怪訝そうな声になった。

『・・・もしかして、ソコにいるのか?』
『俺達じゃなくても有名だよね、グラウクスって考古学者。変人だって』
「・・・やっぱりそうなんだ。・・・うん。ココにいるよ。ちなみにその人の家ね」
『---ああ、ソレでグラウクスさんが浮島の事を?』
「そう。竜人なら空のことに詳しいかなって」
『じゃあ、取りあえずウラノスとか兄上にも声をかけておくよ。後で連絡するから待ってて』
「ありがとう。よろしくお願いします!」

じゃあまた、と通信を切ってグラウクスに向き直すと、何故か膝から崩れ落ちていた。

「どうしたの、グラウクス?!」
「・・・王弟殿下に竜王陛下・・・有り得ねえ・・・」
「---ああ、凄い方々に変人って認識されてたから?」
「いや、国の・・・竜人のトップに情報提供して貰えるって事に気持ちがついて行けないような?」
「---お前ら、規格外が過ぎる・・・」
「これ以上ない情報源じゃない?」
「そうだな・・・ふふっ」

打ちひしがれたグラウクスを横目に、好き放題言っているアーク達だった。






※遅くなりました。
お盆前後で色々忙しく、更新滞りがちです。
スミマセン。







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