425 / 641
連載
487 お宝探し? 1
───というわけで。
オウランは執務があるのであちらに残り、ティンバーの案内でやって来た俺達。
ここは獣人国の王城内の騎士団詰め所。その敷地内にある倉庫のような建物にいる。
ここは普段は雨天時の屋内訓練場らしいが、今は所狭しと押収物が並べられていた。
ティンバーは近くにいた騎士に声をかけると進捗を教えてくれた
「こちらでおおまかに仕分けしつつこれから鑑定をして、終わったモノを更に細かく仕分けてマジックボックスに収納します」
「まだ始まったばかりでほとんど進んでいないですね。とりあえず並べていたところみたいです」
騎士の説明を聞いたティンバーが部屋を見渡しながらそう言った。
確かにザッと薬草類や鉱物類、魔導具などに分かれているだけだ。
「ひとまず紹介をいたしましょう。───おい、注目! 一旦作業の手を止めて集合!」
「「「はっ!」」」
ティンバーのかけ声に作業中だった騎士達がこちらを振り返り、ざざっと素早く整列した。
おお、さすが訓練された動きだ。ビシッと決まっている。
だがしかし俺は人見知り。ティンバーが声をかけた時点でアークの背中でぴるぴるしている。
ヴァン? ヴァンは俺に抱っこされたままアークと俺の間で潰されてるよ。
『・・・・・・ノア、苦しい』
「あああごめん! いい今、下ろすね!」
慌てて床に下ろすと、ヴァンは身体をブルブルと震わせて毛並みを調える。それから子狼より大きめの、体長二メートルくらいのサイズに変化してノアの足元にお座りした。
「かっかわ───」
「ノア」
「はっ・・・・・・ごめんなさい」
ワキワキした手を慌てて止めて、少し前のようなやり取りをしているなあと苦笑した。
いやいや、こんなことしてる場合じゃない。
「・・・・・・ノア、終わったらモフっていいから、今は我慢な」
「・・・・・・はい」
アークの呆れた声にシュンとした。
でも終わったら好きなだけもふれる! とウキウキしていたら、俺の心の声がダダ漏れだったらしくアークにツッコまれた。
「好きなだけとは言ってないからな?」
「・・・・・・えへ?」
誇大解釈しちゃった。ヴァンもそんな目で見ないでくれる? ティンバーも苦笑しないで。
「えー、ここにおられるのは竜王国のヴァルハラ大公家公子アルカンシエル殿とその番いのノア殿だ」
「アルカンシエルだ。よろしく」
「・・・・・・ノアです。よろしくお願いします」
「今回は鑑定の手伝いをして下さる。皆、よろしく頼む」
「「「よろしくお願いいたします!」」」
ティンバーが紹介をしてくれたので挨拶をすると騎士達は右手の拳を左胸にあててかかとをビシッと揃えると声を揃えてそう言った。
俺はやっぱりビクッとしてぴるぴるする。アークがぎゅっと抱き込んで頭をポンポンしてくれた。あー、落ち着く。
「言い忘れていた! ノア殿は人見知りだから必要以上に近付いたり大きな声を出さないように。・・・・・・すみません、ノア殿」
「いいいえ、慣れれば、大丈夫」
俺は顔だけティンバーに向けて首をふるふると振った。
ホッとしたティンバーが今度はヴァンを紹介する。騎士達ももの凄く気になっていたらしい。建国の話を聞いたあとだから彼らの視線の意味がもの凄くよく分かる。
それにサイズは小ぶりだけど本物のフェンリルだもんね。・・・・・・俺達は完全にイッヌ扱いだけど。
「皆も気になっているあの方は、初代国王陛下と共にこの国の建国に助力して下さった氷の幻獣フェンリル様だ」
「「「敬礼!」」」
ティンバーの紹介のあとに間髪入れず、ビシッと決める騎士達。俺はさすがにぴるぴるしなかったけど、一瞬ビクッとはしたかな。
そのせいでアークがちょっと苛ついた。
「・・・・・・煩ぇ」
「アーク、俺は大丈夫だから。それよりも鑑定始めようよ」
アークの胸元をぺしぺし叩いて離して貰う。
ヴァンは欠伸をしながら部屋の隅の方に歩いて行った。
『我は適当に寝てていいか?』
「構わないが、この場所にステイだからな」
アークに釘を刺されてる。うん。今度何処かにうろうろしに行ったらヴァン小屋に軟禁だな。
『・・・・・・分かっとる。飯抜きはもう勘弁だ』
ヴァンはめちゃくちゃ苦い声で呟いた。反省してるようだけど、ヴァンだからなあ。でも、まあいいか。
「早く終わらせてモフるからね!」
「はいはい」
『・・・・・・おう・・・・・・頑張れー』
アークとヴァンの呆れた声に訳知り顔のティンバーは苦笑し、騎士達はポカンとしていた。
いいじゃん。テンション上げていかないとね! ご褒美は大事!
オウランは執務があるのであちらに残り、ティンバーの案内でやって来た俺達。
ここは獣人国の王城内の騎士団詰め所。その敷地内にある倉庫のような建物にいる。
ここは普段は雨天時の屋内訓練場らしいが、今は所狭しと押収物が並べられていた。
ティンバーは近くにいた騎士に声をかけると進捗を教えてくれた
「こちらでおおまかに仕分けしつつこれから鑑定をして、終わったモノを更に細かく仕分けてマジックボックスに収納します」
「まだ始まったばかりでほとんど進んでいないですね。とりあえず並べていたところみたいです」
騎士の説明を聞いたティンバーが部屋を見渡しながらそう言った。
確かにザッと薬草類や鉱物類、魔導具などに分かれているだけだ。
「ひとまず紹介をいたしましょう。───おい、注目! 一旦作業の手を止めて集合!」
「「「はっ!」」」
ティンバーのかけ声に作業中だった騎士達がこちらを振り返り、ざざっと素早く整列した。
おお、さすが訓練された動きだ。ビシッと決まっている。
だがしかし俺は人見知り。ティンバーが声をかけた時点でアークの背中でぴるぴるしている。
ヴァン? ヴァンは俺に抱っこされたままアークと俺の間で潰されてるよ。
『・・・・・・ノア、苦しい』
「あああごめん! いい今、下ろすね!」
慌てて床に下ろすと、ヴァンは身体をブルブルと震わせて毛並みを調える。それから子狼より大きめの、体長二メートルくらいのサイズに変化してノアの足元にお座りした。
「かっかわ───」
「ノア」
「はっ・・・・・・ごめんなさい」
ワキワキした手を慌てて止めて、少し前のようなやり取りをしているなあと苦笑した。
いやいや、こんなことしてる場合じゃない。
「・・・・・・ノア、終わったらモフっていいから、今は我慢な」
「・・・・・・はい」
アークの呆れた声にシュンとした。
でも終わったら好きなだけもふれる! とウキウキしていたら、俺の心の声がダダ漏れだったらしくアークにツッコまれた。
「好きなだけとは言ってないからな?」
「・・・・・・えへ?」
誇大解釈しちゃった。ヴァンもそんな目で見ないでくれる? ティンバーも苦笑しないで。
「えー、ここにおられるのは竜王国のヴァルハラ大公家公子アルカンシエル殿とその番いのノア殿だ」
「アルカンシエルだ。よろしく」
「・・・・・・ノアです。よろしくお願いします」
「今回は鑑定の手伝いをして下さる。皆、よろしく頼む」
「「「よろしくお願いいたします!」」」
ティンバーが紹介をしてくれたので挨拶をすると騎士達は右手の拳を左胸にあててかかとをビシッと揃えると声を揃えてそう言った。
俺はやっぱりビクッとしてぴるぴるする。アークがぎゅっと抱き込んで頭をポンポンしてくれた。あー、落ち着く。
「言い忘れていた! ノア殿は人見知りだから必要以上に近付いたり大きな声を出さないように。・・・・・・すみません、ノア殿」
「いいいえ、慣れれば、大丈夫」
俺は顔だけティンバーに向けて首をふるふると振った。
ホッとしたティンバーが今度はヴァンを紹介する。騎士達ももの凄く気になっていたらしい。建国の話を聞いたあとだから彼らの視線の意味がもの凄くよく分かる。
それにサイズは小ぶりだけど本物のフェンリルだもんね。・・・・・・俺達は完全にイッヌ扱いだけど。
「皆も気になっているあの方は、初代国王陛下と共にこの国の建国に助力して下さった氷の幻獣フェンリル様だ」
「「「敬礼!」」」
ティンバーの紹介のあとに間髪入れず、ビシッと決める騎士達。俺はさすがにぴるぴるしなかったけど、一瞬ビクッとはしたかな。
そのせいでアークがちょっと苛ついた。
「・・・・・・煩ぇ」
「アーク、俺は大丈夫だから。それよりも鑑定始めようよ」
アークの胸元をぺしぺし叩いて離して貰う。
ヴァンは欠伸をしながら部屋の隅の方に歩いて行った。
『我は適当に寝てていいか?』
「構わないが、この場所にステイだからな」
アークに釘を刺されてる。うん。今度何処かにうろうろしに行ったらヴァン小屋に軟禁だな。
『・・・・・・分かっとる。飯抜きはもう勘弁だ』
ヴァンはめちゃくちゃ苦い声で呟いた。反省してるようだけど、ヴァンだからなあ。でも、まあいいか。
「早く終わらせてモフるからね!」
「はいはい」
『・・・・・・おう・・・・・・頑張れー』
アークとヴァンの呆れた声に訳知り顔のティンバーは苦笑し、騎士達はポカンとしていた。
いいじゃん。テンション上げていかないとね! ご褒美は大事!
あなたにおすすめの小説
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
家族に忘れられていた第五王子は愛され生活を送る
りーさん
ファンタジー
アズール王国の王宮には、多くの王子や王女が住んでいる蒼星宮という宮がある。
その宮にはとある噂が広まっていた。併設されている図書館に子どもの幽霊が現れると。
そんなある日、図書館に出入りしていた第一王子は子どものような人影を見かける。
その時、父である国王にすら忘れられ、存在を知られていなかった第五王子の才覚が露になっていく。
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
家に帰ったら、妻は冷たくなっていた。突然シングルファザーになった勇者パーティーの治癒師は家族を修復したい
八朔バニラ
ファンタジー
勇者パーティーに所属し、魔王討伐した治癒師(ヒーラー)のゼノスは街の人々の歓声に包まれながら、3年ぶりに家に帰った。家族が出迎えてくれると思ったが、誰も出迎えてくれない。ゼノスは不満に思いながら家に入ると、妻の身体は冷たくなっていた。15歳の長男ルミナスはゼノスの代わりに一家の柱として妹を守り抜き、父に深い拒絶のこもった瞳を向けていた。そして、8歳の長女ミリアは父の顔も忘れていた。
ゼノスは決意する。英雄の肩書きを捨て、一人の不器用な父親として、バラバラになった家族の心を繋ぎ合わせることを。
これは世界最強の治癒師が家族を修復する物語である。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
「存じ上げませんが、どちら様ですか?」——忘れることが、最も残酷な復讐になった
歩人
ファンタジー
伯爵令嬢フィーネは婚約破棄のショックで過去の記憶を全て失った。名前も、家族も、婚約者も——何もかも。保護してくれた辺境の薬師に弟子入りし、「フィー」と名乗る少女として穏やかに暮らし始めた。朝は薬草を摘み、昼は薬を調合し、夕方は師匠の息子——無口だが優しい青年ルカスと一緒に夕焼けを見る。「私、前の自分より今の自分が好きです」。五年後。辺境に一人の貴族が現れた。やつれた顔で「フィーネ、迎えに来た」と。彼女は首を傾げた。「存じ上げませんが、どちら様ですか?」——嘘ではなく、本当に覚えていない。忘れることが、最も残酷な復讐になった。