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529 再調査と魔導具 2
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翌日、俺とアークはヴァルハラ大公家にいた。
アークは昨日のうちにウラノス義父様に連絡をしていたらしく、俺が起きたら今日の予定を一日空けてくれと言ってきた。
どうやら大公家で話し合いをしたあと竜王陛下の元にも行くらしい。先触れで用件は伝えているそうだ。そこでの話し合いのあとに獣人国に連絡をするらしいが、今回は『フレンジー』の件は極秘で竜王国の王家と大公家の影達が相手に悟られないように動くという。
「だから表向きは『錬金術を語る会』と用件を伝える。ノアは大公家の一員だから、そこにアークや護衛騎士が随行するのはおかしくないからね」
「確かに、リンクスとの約束も本当のことだし裏で動くのはバレなきゃいいもんね。影の人達ならプロだし大丈夫そう」
どこで漏れて犯人の耳に入るか分からない現状、それは当たり前の行動だった。
「ということは、俺はもうそっちは気にせず、好き勝手に錬金術の話で盛り上がっていいんだよね?」
「まあうん、そうだね。せめて常識の範囲内で頼むよ。アークもよろしく」
「ああ」
ウラノスが苦笑して言うとアークも遠い目をして返事をした。二人とも諦めてるような節があるけど気にしない。
「そういえば、今日は義母様とか義兄様達の姿が見えないけど、どうしたの」
「アンジェリクとシルヴァラには私の仕事をちょっと頼んでいてな、ノアに会いたがったが、忙しいから我慢してもらってる。アルジェントはちょうどレインが発情期に入ってしまって、今はいなくてね」
「なるほど、それは忙しいね。そんな中ごめんなさい」
この間の件もあるのにアル義兄様が抜けて、その穴を埋めるので忙しいんだね。そこにきてまた俺が余計な仕事を増やしてしまったのか。
そう思ってちょっとシュンとしていると、ウラノス義父様が笑って言った。
「ノア、気にすることはないよ。無理そうならこちらもちゃんと言うし、他にもやりようはあるからね。だからノアはやりたいことをやっておくれ」
「うん、ありがとう」
そう言われたら俺もいつまでも落ち込んでないで、自分の出来ることをやろう。
「じゃあ竜王陛下の元へ向かおう。陛下もきっと久しぶりにノアに会えると喜んでいるだろう」
「そういえば大祖父様に会うのも久しぶりかも」
「色々あったもんな」
ウラノス義父様の言葉に俺も考えてみたら、確かに久しぶりだと思う。アークの色々という言葉はまさに色々な出来事を表していた。
「暴走しないといいな」
「うーん、護衛の人達の頑張りどころだねぇ」
「もはや陛下じゃなくてノアを護るための護衛だよな」
大祖父様を護るためじゃなくて、大祖父様から俺を護るための騎士達。うん、笑えない。
ウラノス義父様とアークと共に、俺も苦笑するのだった。
そして王城に行き、大祖父様の私室で会うことになったのだが、案の定、俺に飛びつこうとして大祖父様は騎士達に羽交い締めにされ、俺は素早くアークに庇われたのだった。
「陛下はもう少し学習して下さい。その頭は飾りですか」
「本当にアホですね、バカですね。もう耄碌したんですか」
ウラノス義父様に真顔で静かに説教され、一緒にいた側近のリュウギさんにも窘められて、大祖父様は萎れていた。
相変わらず一国の主に辛辣すぎるが、その主がこんな調子なので周りの苦労が偲ばれる。
アークは昨日のうちにウラノス義父様に連絡をしていたらしく、俺が起きたら今日の予定を一日空けてくれと言ってきた。
どうやら大公家で話し合いをしたあと竜王陛下の元にも行くらしい。先触れで用件は伝えているそうだ。そこでの話し合いのあとに獣人国に連絡をするらしいが、今回は『フレンジー』の件は極秘で竜王国の王家と大公家の影達が相手に悟られないように動くという。
「だから表向きは『錬金術を語る会』と用件を伝える。ノアは大公家の一員だから、そこにアークや護衛騎士が随行するのはおかしくないからね」
「確かに、リンクスとの約束も本当のことだし裏で動くのはバレなきゃいいもんね。影の人達ならプロだし大丈夫そう」
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「ということは、俺はもうそっちは気にせず、好き勝手に錬金術の話で盛り上がっていいんだよね?」
「まあうん、そうだね。せめて常識の範囲内で頼むよ。アークもよろしく」
「ああ」
ウラノスが苦笑して言うとアークも遠い目をして返事をした。二人とも諦めてるような節があるけど気にしない。
「そういえば、今日は義母様とか義兄様達の姿が見えないけど、どうしたの」
「アンジェリクとシルヴァラには私の仕事をちょっと頼んでいてな、ノアに会いたがったが、忙しいから我慢してもらってる。アルジェントはちょうどレインが発情期に入ってしまって、今はいなくてね」
「なるほど、それは忙しいね。そんな中ごめんなさい」
この間の件もあるのにアル義兄様が抜けて、その穴を埋めるので忙しいんだね。そこにきてまた俺が余計な仕事を増やしてしまったのか。
そう思ってちょっとシュンとしていると、ウラノス義父様が笑って言った。
「ノア、気にすることはないよ。無理そうならこちらもちゃんと言うし、他にもやりようはあるからね。だからノアはやりたいことをやっておくれ」
「うん、ありがとう」
そう言われたら俺もいつまでも落ち込んでないで、自分の出来ることをやろう。
「じゃあ竜王陛下の元へ向かおう。陛下もきっと久しぶりにノアに会えると喜んでいるだろう」
「そういえば大祖父様に会うのも久しぶりかも」
「色々あったもんな」
ウラノス義父様の言葉に俺も考えてみたら、確かに久しぶりだと思う。アークの色々という言葉はまさに色々な出来事を表していた。
「暴走しないといいな」
「うーん、護衛の人達の頑張りどころだねぇ」
「もはや陛下じゃなくてノアを護るための護衛だよな」
大祖父様を護るためじゃなくて、大祖父様から俺を護るための騎士達。うん、笑えない。
ウラノス義父様とアークと共に、俺も苦笑するのだった。
そして王城に行き、大祖父様の私室で会うことになったのだが、案の定、俺に飛びつこうとして大祖父様は騎士達に羽交い締めにされ、俺は素早くアークに庇われたのだった。
「陛下はもう少し学習して下さい。その頭は飾りですか」
「本当にアホですね、バカですね。もう耄碌したんですか」
ウラノス義父様に真顔で静かに説教され、一緒にいた側近のリュウギさんにも窘められて、大祖父様は萎れていた。
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