拾われた俺、最強のスパダリ閣下に全力で溺愛されてます 迷い子の月下美人

エウラ

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531 再調査と魔導具 4

わいわいがやがやと騒がしくなった部屋に、いつの間にか戻ってきていたカイリ。
それに気づいたリュウギが声をかける。

「カイリ、連れてきましたか」
『はい。モノ、テトラ、ノナ、御前に』
『は』

名を呼ぶカイリの声に小さく返事があり、三人の影が音もなく降り立った。
うん、彼らも凄腕の影達だね。

『モノです』
『テトラでぇす』
『……ノナ』

自己紹介のために、深く被っていた漆黒のローブのフードを脱ぐ三人を見る。
一番真面目そうなモノは藍色の短髪に黒に近い紫色の瞳で、軽い口調のテトラは緩いくせ毛のミディアムの黒髪と垂れ目がちの大きな翠色の瞳で、やや童顔。無口そうなノナは襟足の長い茶髪でちょっと細い糸目でつり目気味。そこからチラッと見えた瞳の色は青。

全員、見た目は二〇代前半に見える。そして三人の中ではテトラが一番小柄だ。それでも一七〇センチはあるだろうが。

『彼らは便宜上、そう名乗っていますが、本名ではありません。お好きに呼んでいただいて構いません』
「いや、別にその呼び名で構わないだろう。な、ウラノス達もいいよな?」
「もちろん、否やはありません」
「俺達もそれで大丈夫だ」
「よろしくね、モノ、テトラ、ノナ」

ウラノス義父様とアークも頷く。俺もそれでいいよ。三人とも個性的で分かりやすい。でもいざフードを被って気配を消すと、途端に見失う。

「やっぱりいいなあ、あのスキル。うーん、スキルとしては難しいけど、魔導具に付与とかだったら……」
「おい、ノア。まだ陛下の御前だから、自分の世界に行くな」
「ハッ、そうだった」

アークに突かれて我に返る。ブツブツとつい、考え込んじゃったけど、それどころじゃなかった。

「よいよい。相変わらず、そういうの好きじゃなぁ」
「うん、獣人国でもリンクス王子と盛り上がるんだ。楽しみ」

例え隠れ蓑のための表向きの用件だとしても、俺にとっては楽しい用件。わくわくする。

「まあ、ノアはそれでいい。裏で動くのは俺達の役目だから。好きなだけ語っててくれ」
「やった!」

アークの言質を取ったから、思う存分、語っちゃうぞ。

「じゃあ、そういうわけでその三人が今回の影ということで──」
『いえ、私も含みます』
「え? カイリも?」
『はい。三人のまとめ役として参加いたします』

リュウギがまとめようとしたら、カイリがサラッと口を挟んだ。
え、凄腕の影を四人も?
でも、そうしたら大祖父様の方が手薄になったりしない?
そう思ったのは俺だけではないようで、リュウギと義父様は少しの間、考え込んだ。大祖父様は静観している。

「陛下、今は情勢も安定していますし、緊急の案件もありませんから問題はないかと」
「そうさの。他にも優秀な者はおるし、今一番優先すべきは獣人国の問題だしの。ではカイリ、頼んだ。これ以降は、問題解決までウラノスの指示に従うように」
『御意』

リュウギの言葉に大祖父様も頷く。それなら大丈夫だろうと義父様とアークも頷く。

「陛下がそうおっしゃるのでしたら。このあと、私達とともに大公家に移動してもらいましょう。では陛下、御前失礼いたします」
「おう、忙しないが仕方ない。ノアちゃん、またおいで」
「はい」
「では、また」

こうしてひとまず、大公家に戻る。
カイリ達はすでに気配を消していて、勝手に大公家に移動するみたい。
あとで大公家の影達と顔合わせするんだろう。俺とも仲良くしてくれるといいなあ。

あとは、隠密系の魔導具を……作れるかな? こっそり腕輪に付与しちゃおうかな?

コレのせいであとでアークにお仕置きされることになるのだが、今の俺は、錬成や付与のことで頭がいっぱいで、そこまで気が回らなかったのだった。







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