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532 再調査と魔導具 5
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大公家の帰ると、忙しくて会えなかったアンジェリク義母様とシルヴァラ義兄様が出迎えに来ていた。
「お帰りなさい! 会いたかったよ、ノアちゃん!」
「久しぶりだな、ノアちゃん」
「うん、ご無沙汰してます、義母様、義兄様。お仕事は片付いたの?」
ウラノス義父様やアルジェント義兄様の補佐的な感じで忙しいって聞いてたけど。
「ああ、一応、一区切りついたんだ。ノアちゃんに会いたくて頑張ったんだよ」
「そうそう。だから、ちょっとだけど時間が空いたから、一緒にお茶でもと思って待ってたんだ」
義母様とシル義兄様がニコニコしながらそう言った。隣で聞いていたウラノス義父様にお伺いを立てると、頷いてくれたので、着替えたら皆でサロンに移動することに。
するとウラノス義父様が誰に言うともなく話し出した。
「ついでに影達の顔合わせもしちゃおうか。サン、陛下の影達とリュカリオン殿下のところのランも来ているのだろう?」
『はい。すでに待機しております』
「じゃあ、サロンに移動して待っててくれ」
『御意』
声だけ返して移動したらしい、大公家の影。さっき王城で会った影達とサロンに行ったのだろう。それにしても、大公家の影も鮮やかな隠密スキルだな。
「やっぱりいいなあ、隠密系スキル」
「は? え、ノアちゃん、まさか私達がウザくて逃げたくなった!?」
「それか、アークの重い溺愛にウンザリしたとか?」
「おい」
思わず漏れた俺の呟きに、義母様とシル義兄様がギョッとして、それにアークがツッコんだ。俺は王城でのアークとウラノス義父様とのやり取りを思い出して、思わず噴き出す。
「ぷっ、さすが親子。同じことを言ってて、笑っちゃった。ごめん、ふふっ。大丈夫、皆のことは大好きだから、逃げたりしないよ」
「え、同じことを?」
「まさかウラノスも?」
「うん。そっくり同じだった」
ホッとした義母様達と、渋い顔の義父様とアークに笑いながら、あとで王城でのやり取りを教えてあげようと思った。
そして謁見用の正装から軽装に着替えてサロンに向かうと、俺とアーク以外はすでに席に着いていた。
「待たせちゃった?」
「いや、皆が早く来すぎたんだ。久しぶりのお茶会だから。楽しみすぎて」
「あー、そういえば久しぶりだね。ここのところ、ずっと古の森に引き篭もってたもんね」
メーレの件があってから、生活がほとんど向こう中心になってたと、改めて実感した。
「俺も集中すると、時間を忘れちゃうからな。メーレもだいぶ元気になってきたし、これからはこっちに顔を出せるかな」
うーん、と考えていると、義父様達が苦笑した。
「ああいや、こっちは気にしないで、無理しない程度にね。気が向いたらでいいからね」
「そうそう。でも、都合がつきそうな日は、事前に教えてくれたらこっちも時間を作るから言ってね」
「うん、ありがとう」
こうして俺のことを気遣ってくれる家族がいるって、幸せ。だから俺から離れていくことはないから、安心してね。
そういう気持ちを込めてアークを見つめて笑うと、アークに通じたのか、ニコッと微笑み返してくれた。
「ヨシ、じゃあ先に影達の顔合わせをしちゃおうか」
落ち着いたところで、ウラノス義父がそう言った。
すると大公家の影とリュカリオン殿下の専属の影、それと今日来てもらった王家の影達が、サロンに音もなく降り立った。
「アンジェリクとシルヴァラにも話はしたが、今回の『フレンジー』の件で陛下からお借りした王家の影が四人。そして引き続きリュカリオン殿下の影を借りた。これから我が家の影も含めて、顔合わせを行う」
ウラノス義父様がそう言うと、影達は静かに漆黒のローブのフードを下ろした。
※作者が間違えないようにということで、王家の影達四人のイラストを人物設定覚書2に載せてます。興味のある方はどうぞ。
四人の種族はまだ記載していません。
「お帰りなさい! 会いたかったよ、ノアちゃん!」
「久しぶりだな、ノアちゃん」
「うん、ご無沙汰してます、義母様、義兄様。お仕事は片付いたの?」
ウラノス義父様やアルジェント義兄様の補佐的な感じで忙しいって聞いてたけど。
「ああ、一応、一区切りついたんだ。ノアちゃんに会いたくて頑張ったんだよ」
「そうそう。だから、ちょっとだけど時間が空いたから、一緒にお茶でもと思って待ってたんだ」
義母様とシル義兄様がニコニコしながらそう言った。隣で聞いていたウラノス義父様にお伺いを立てると、頷いてくれたので、着替えたら皆でサロンに移動することに。
するとウラノス義父様が誰に言うともなく話し出した。
「ついでに影達の顔合わせもしちゃおうか。サン、陛下の影達とリュカリオン殿下のところのランも来ているのだろう?」
『はい。すでに待機しております』
「じゃあ、サロンに移動して待っててくれ」
『御意』
声だけ返して移動したらしい、大公家の影。さっき王城で会った影達とサロンに行ったのだろう。それにしても、大公家の影も鮮やかな隠密スキルだな。
「やっぱりいいなあ、隠密系スキル」
「は? え、ノアちゃん、まさか私達がウザくて逃げたくなった!?」
「それか、アークの重い溺愛にウンザリしたとか?」
「おい」
思わず漏れた俺の呟きに、義母様とシル義兄様がギョッとして、それにアークがツッコんだ。俺は王城でのアークとウラノス義父様とのやり取りを思い出して、思わず噴き出す。
「ぷっ、さすが親子。同じことを言ってて、笑っちゃった。ごめん、ふふっ。大丈夫、皆のことは大好きだから、逃げたりしないよ」
「え、同じことを?」
「まさかウラノスも?」
「うん。そっくり同じだった」
ホッとした義母様達と、渋い顔の義父様とアークに笑いながら、あとで王城でのやり取りを教えてあげようと思った。
そして謁見用の正装から軽装に着替えてサロンに向かうと、俺とアーク以外はすでに席に着いていた。
「待たせちゃった?」
「いや、皆が早く来すぎたんだ。久しぶりのお茶会だから。楽しみすぎて」
「あー、そういえば久しぶりだね。ここのところ、ずっと古の森に引き篭もってたもんね」
メーレの件があってから、生活がほとんど向こう中心になってたと、改めて実感した。
「俺も集中すると、時間を忘れちゃうからな。メーレもだいぶ元気になってきたし、これからはこっちに顔を出せるかな」
うーん、と考えていると、義父様達が苦笑した。
「ああいや、こっちは気にしないで、無理しない程度にね。気が向いたらでいいからね」
「そうそう。でも、都合がつきそうな日は、事前に教えてくれたらこっちも時間を作るから言ってね」
「うん、ありがとう」
こうして俺のことを気遣ってくれる家族がいるって、幸せ。だから俺から離れていくことはないから、安心してね。
そういう気持ちを込めてアークを見つめて笑うと、アークに通じたのか、ニコッと微笑み返してくれた。
「ヨシ、じゃあ先に影達の顔合わせをしちゃおうか」
落ち着いたところで、ウラノス義父がそう言った。
すると大公家の影とリュカリオン殿下の専属の影、それと今日来てもらった王家の影達が、サロンに音もなく降り立った。
「アンジェリクとシルヴァラにも話はしたが、今回の『フレンジー』の件で陛下からお借りした王家の影が四人。そして引き続きリュカリオン殿下の影を借りた。これから我が家の影も含めて、顔合わせを行う」
ウラノス義父様がそう言うと、影達は静かに漆黒のローブのフードを下ろした。
※作者が間違えないようにということで、王家の影達四人のイラストを人物設定覚書2に載せてます。興味のある方はどうぞ。
四人の種族はまだ記載していません。
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