パライソ~楽園に迷い込んだ華~

エウラ

文字の大きさ
2 / 45

2 仕方がないので

しおりを挟む

はいはーい。

このままココにいても仕方がないので拓けた場所を探して野営しまーす!

落ち着くところを探してからじゃないとゆっくり自分確認も出来ない。

空を見上げる。
うん、綺麗な青空に青い太陽・・・スゲー違和感。

今、太陽が天辺にあるから昼かな?
時間って24時間?
一週間は7日?
一年365日?
ソレすらわかんねー。
そんでどっちが北か南かわかんねー。

腰に下げっぱなしの羅針盤コンパスを見る。

「ココでも使えるかな・・・お? イケるイケる」

ヨシ、ひとまず南を目指して歩こう。


俺って両親事故でいっぺんに亡くして絶望した時期があったからさ、アレから比べたらマシって気持ちで生きてきたから、こんな状況でも前向きよ?

だって普通なら大した力も無いアラサーリーマンだけど今はハイスペックエルフ!
ゲーム内で散々使い慣れたこの体、おんなじように動けるんだぜ。
下手したらそれよりも動ける。
だってタイムラグとか無いから。

絶対勝ち組だろう!
ちまちまとレベル上げてて良かった!


そんなこんなで疲れ知らずに鑑定とかしながら体感で2時間ほど歩いていると水音が。
おお! 小川の近くに拓けた場所が!!
なんてラッキー!

異空間収納庫インベントリ開けるかな?

「・・・っし!」

考えただけで開けた中身は、やっほい! ゲームのまんま残ってる!
確か拠点ホーム設定出来る家があったはず・・・。

「ホイッと・・・おぉ───、ロッジ風の小ぶりな一軒家があっと言う間に! 凄えな、異世界」

ホームはまんま家。
ゲーム内では所定の場所にこの家を置けて、そこから自由にログイン、ログアウト出来た。

もちろん手に入れるのは結構大変だけど。
主に金額的な意味で。
ホ-ムのデザインはかなり充実していて、何故か純日本家屋もあった。

運営会社・・・・・・世界観、良いのか?
種族キャラには拘った癖に、とは思ったが。


早速中に入ると、広いリビングダイニングにキッチン。

「おっと、土禁にしよう。浄化魔法で綺麗になるとしてもやっぱり日本人だからな」

誰に言うともなく呟いてブーツを脱ぎ、靴箱代わりの台の上に置いて新品のサンダルを出す。

ソレを履いて中を探索する。

キッチンの奥に食糧庫がある。
ゲーム内では時間経過で腐るor熟成するというのがあったのでこの食糧庫は時間停止付きで腐らないようになっていたが、こちらも同じだった。

そして驚くことに、ロッジの中身は使った分増えて、個数が変わらなかった。
そしてインベントリの中も元に戻っていた。

そう、このロッジもインベントリに一個あるのだ。
出してもまた一個戻る。
何かあっても大丈夫!

凄えなホント。
俺、神様に会ってないけど、ありがとうって言っとくわ!

「これは助かるな。食べ物が合わないと辛いし、食材が尽きる心配が無くなった。アイテムも減らないから気にせず使える」

これで無理に食材調達に行かなくても済むしアイテムも無理に作らなくて良い。

「こっちは風呂とトイレだな。あ、一階にも部屋がある。独りだからここを自分の部屋にするか」

階段を上がって二階に行くと、三部屋あった。
そういえばホームはPTパーティー組める人数4人分の家だったのを思い出す。

ゲーム仲間とたまにPT組んで泊まったなあ。

「コッチは来客用かな・・・・・・泊まるヤツがいればの話だが・・・・・・」

現時点で人っ子一人いないが。
人以外もいないが!

「寂し───」

というわけで。
当面の目標は周囲の把握と動物を含む生き物との接触、と。


さて、気付いたときはお昼頃で、今は三時のおやつの時間くらいか?
些か気が動転していたようで、落ち着いたら空腹が襲ってきた。

軽く食べよう。

「・・・コーヒーとサンドイッチで良いか」

【パライソの住人】では回復アイテムでこういう料理も売ってたし作ってもいた。
だからインベントリには色んな料理がたくさんある。
もちろん材料もあるから自作できるけどね。
俺、独り暮らしで自炊してたし。


インベントリから出してリビングで椅子に座って食べながら考える。

目が覚めてからちょっとだけ確認したステータスをじっくりと見てみるか・・・。
さっきは死なないように体力とか魔力とかだけ気にして見たから、後はよく見なかった。

余裕がなかったとも言う。

「ステータス」

そう言ったらフォンッと半透明のボードが目の前に現れた。


ゲーム内ではメニューで開かれた画面がここではステータスで現れる。
最初に確認した事でもある。
『メニュー』や『ステータス』と言って自分の能力を確認する事。

「これはまさしく異世界あるあるのテンプレだな」

俺はとりあえず、上から下まで一通り目を通すことにした。



しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

植物チートを持つ俺は王子に捨てられたけど、実は食いしん坊な氷の公爵様に拾われ、胃袋を掴んでとことん溺愛されています

水凪しおん
BL
日本の社畜だった俺、ミナトは過労死した末に異世界の貧乏男爵家の三男に転生した。しかも、なぜか傲慢な第二王子エリアスの婚約者にされてしまう。 「地味で男のくせに可愛らしいだけの役立たず」 王子からそう蔑まれ、冷遇される日々にうんざりした俺は、前世の知識とチート能力【植物育成】を使い、実家の領地を豊かにすることだけを生きがいにしていた。 そんなある日、王宮の夜会で王子から公衆の面前で婚約破棄を叩きつけられる。 絶望する俺の前に現れたのは、この国で最も恐れられる『氷の公爵』アレクシス・フォン・ヴァインベルク。 「王子がご不要というのなら、その方を私が貰い受けよう」 冷たく、しかし力強い声。気づけば俺は、彼の腕の中にいた。 連れてこられた公爵邸での生活は、噂とは大違いの甘すぎる日々の始まりだった。 俺の作る料理を「世界一美味い」と幸せそうに食べ、俺の能力を「素晴らしい」と褒めてくれ、「可愛い、愛らしい」と頭を撫でてくれる公爵様。 彼の不器用だけど真っ直ぐな愛情に、俺の心は次第に絆されていく。 これは、婚約破棄から始まった、不遇な俺が世界一の幸せを手に入れるまでの物語。

【本編完結】落ちた先の異世界で番と言われてもわかりません

ミミナガ
BL
 この世界では落ち人(おちびと)と呼ばれる異世界人がたまに現れるが、特に珍しくもない存在だった。 14歳のイオは家族が留守中に高熱を出してそのまま永眠し、気が付くとこの世界に転生していた。そして冒険者ギルドのギルドマスターに拾われ生活する術を教わった。  それから5年、Cランク冒険者として採取を専門に細々と生計を立てていた。  ある日Sランク冒険者のオオカミ獣人と出会い、猛アピールをされる。その上自分のことを「番」だと言うのだが、人族であるイオには番の感覚がわからないので戸惑うばかり。  使命も役割もチートもない異世界転生で健気に生きていく自己肯定感低めの真面目な青年と、甘やかしてくれるハイスペック年上オオカミ獣人の話です。  ベッタベタの王道異世界転生BLを目指しました。  本編完結。番外編は不定期更新です。R-15は保険。  コメント欄に関しまして、ネタバレ配慮は特にしていませんのでネタバレ厳禁の方はご注意下さい。

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *本編完結しました

二十年仕えた王女が私を敵に売った。それでも守ることにした

セッシー
ファンタジー
二十年間、王女殿下の護衛騎士として仕えた。その殿下が、私を敵に売った。 牢の中で事実を知り、一分考えて——逃げることにした。殿下の目的を、まだ果たしていないから。 裏切りの真相を確かめるため、一人王都へ戻る護衛騎士の話。

運命の番はいないと診断されたのに、なんですかこの状況は!?

わさび
BL
運命の番はいないはずだった。 なのに、なんでこんなことに...!?

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。 ★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

聖獣召喚に巻き込まれた俺、モフモフの通訳をしてたら冷徹騎士団長に外堀を埋められました

たら昆布
BL
完璧っぽいエリート騎士×無自覚な愛され系

処理中です...