パライソ~楽園に迷い込んだ華~

エウラ

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18 午後の通信タイム

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お昼御飯の後、ちょっと情報を整理したくて、アルトに断って一階の自室に籠もった。


えーと、俺が目を覚ましたのが半年前で、あの場所はここから北の森の中。
その時にはゲーム内での閃光の後から目を覚ますまでの記憶は無い。
巻き込まれた後、おそらく意識不明だったからだ。

・・・ミズチは、俺が消息を絶った後、6年経ってるって言ってた。
でも俺にはその認識は無い。
巻き込まれ召喚直前までと森の中からの記憶だけ。

ミズチ達は【パライソの住人】で直前までは一緒だったから、俺が巻き込まれたときに一緒にこの世界に来たんだと思う。
俺の精霊魔法の源だし、俺の一部となっていただろうから。

じゃあ、ここに転移してから本当に6年経ってたとしたら?
俺が本当に、その6年間の記憶を失っていたとしたら?

何故、失った?
何故、アスガルド神はメールでその事に触れなかった?

6年経ってたら俺は今32歳だよな?
でもステータスは26歳だったよな?

「・・・ステータス」

震える声でステータスボードを表示する。

【名前:ジェイド・カムイ(有原神威)/通称:E・E
性別:男
年齢:26歳
種族:高位森人
体力:A+
魔力:S+
称号:(異世界人、巻き込まれた者、)天涯孤独、精霊王、生産王、魔導王、(時を戻りし者、)アスガルド神の加護
備考:(勇者召喚に巻き込まれた者)】


「・・・・・・称号、隠蔽されてるところ、増えてる・・・時を戻りし者?」

なんだこれ?
まさか本当に6年間分の時間が戻ってるのか?
俺だけ?
何のために?

「---分かんねえ。神様の都合かな?」

考えても何も出て来ない。
・・・ま、いっか。

一般常識はアルトに教えて貰えるし、今のところ困らないかな?

「とにかく、知識を蓄えてから精霊達を探そう」


開き直って諦めて部屋を出た。

ドアを開けたら目の前にぬぼっとアルトが立っていてビビった。

「何? どうした? ・・・あれ、結構時間経ってた。お腹空いた? おやつ食べる?」
「・・・・・・いや、その・・・遅かったから、心配で」

アルトの耳と尻尾がしょぼんとへたってて、めっちゃ可愛いな!

「ごめんね、ありがとう。ひとまず落ち着いたから大丈夫。おやつ食べよう。俺が食べたいんだ」

そういってニッコリ笑ってリビングでお茶を飲んだ。



おやつタイム後。

夕御飯の下準備も終わった頃、アルトから通信のお誘いが来た。
相手が驚かないように、事前に俺が通信に出ることを了承済みだとか。
仕事が早いな、アルト。

「今から通信するけど、このままリビングで良い?」
「うんうん、全然オッケーだよ!」

うわあ、ドキドキする。
アルト(と水精霊ミズチ)以外では初だ!

「---こちら、アルトです。彼は今、俺の隣にいます」
〔ああ、待っていたよ。私は王立騎士団団長のフルクベルトと言う。アイントラハトの父だ。よろしく頼むよ〕

・・・・・・なんですと---!

軽く言われたけどアルトのお父さんだった!
・・・マジか。
しかも肩書きが凄いな!

「あの、初めまして。ジェイド・カムイと申します。アルト・・・アイントラハトさんにはお世話になってます」
〔いやいやこちらこそ、ご迷惑で無ければ2,3日泊めてやってくれ〕
「いえいえとんでもないです。ずっと独りだったから嬉しくて、いえ、あの」

あああ・・・言いたいことが言えない!
コミュ力最低かよ!

「カムイ、大丈夫だよ。落ち着いて」

そういって背中ポンポンしてくれる。

「あうあう・・・ごめんなさい」
〔・・・ふむ。仲が良さそうで良かった。もし良かったら、アルトが帰還するときに一緒に家に来てみないかい? 家の奥さんがね、ジェイド君に会ってみたいって言うんだよ。アルトのお気に入りだからって・・・〕
「父さん?! 何言って・・・!!」
「・・・あの、行ってみたいです。俺、他を知らないから、アルトと一緒なら行ってみたいです」
〔---ああ、もちろん! じゃあその辺りの話も詰めようか〕
「・・・・・・はぁ---分かった。じゃあ・・・カムイ、明後日の朝でどう?」
「ん、何時でも大丈夫。じゃあ後はアルトに任せてもいい?」
「ああ、良いよ」
「じゃあ御飯の支度してくるね」

そういってパタパタと台所に向かっていったカムイを温かい目で見てから、通信を再開した。

「---本気?」
〔家に招待か? もちろん。声だけだが、いい子じゃないか〕
「・・・・・・危険じゃない?」
〔今はまだ副団長の他には知られてない。それに、一度場所を確認しないと『転移』出来ないんだろう? 万が一の時に家なら安全だ。・・・他の家よりかはな〕
「・・・・・・よろしくお願いします」
〔はっはっは、任された〕

その後、御飯が出来るまで色々と話をしていたが、カムイの『晩御飯出来たよ』の台詞に新婚かと突っ込まれた。

---悪くない。



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