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17 色々と情報過多
しおりを挟むカムイは首を捻る。
「・・・・・・いつの間に? 昨日は無かったよな」
「無かったはずだ」
アルトも同意した。
《ああそれは、多分私と出会って記憶が少し戻ったからじゃないかしら。そもそも私と再会出来なかったらアスガルド神や精霊のことも認識できなかったろうし》
---まあ、いっか。
ミズチの言うことも一理あるかと気にしないことにした。
色々と情報が多すぎて頭がパンクしそう。
「えーと、取りあえず、残りの精霊達も探さないといけないって事で良い・・・?」
《そうねえ。出来たら私みたいに起こしてあげて欲しいわ。だって、皆ジェイドの事、大好きなのよ。名前で呼んで欲しいし、力も貸してあげたいわ》
「でもどうやって探せば・・・やっぱりここから出ないと無理だよなぁ・・・」
はぁ。
引き篭もりしようと決めたばかりなのに。
でも、大切な家族のような存在だもんな。
頑張って探すか・・・。
《頑張って探さなくても大丈夫よ。私達精霊は死ぬわけじゃ無いし、たまたま近くだったから私は目覚めたけど、貴方、どうせまだまだ死なないでしょ?》
「あー、うん。多分? ハイエルフがどれだけ長生きするのか知らないけど」
「・・・聞いた話だと数千年って・・・エルフでも千年は生きるらしい」
「---はぁ?!」
・・・・・・ええ?
数千年って、ナニソレ。
そんなに長い時間、独りで・・・・・・?
ゾッとした。
さすがに無理だって。
どれだけ別れを繰り返せば良いんだ?
心が折れるって・・・・・・。
「・・・・・・死にたい」
「---! カムイ、そんなこと言わないで」
「---え? あれ、俺何か言った?」
無意識に何か言葉が出てた?
「ごめん、なんだっけ?」
「・・・いや、大丈夫」
《・・・ジェイド、私達は死なないからずっと一緒よ? 何時でも呼んでね?》
「ああ、うん。うん? なんの話だっけ? まあいいや、取りあえず一狩りして帰ろう」
「え、狩り、するのか?」
アルトがびっくりしてるけど、腕前披露するって言ったじゃん。
「うん。ここには妙に惹かれてたから来たんだよ。まあ、来て良かったけど。きっと他の子達ともそういうのあるよね。だから気長に探すよ。またね、ミズチ」
《ええ。ココにいるけど、呼べばジェイドのところに転移するわ。と言うか、ジェイドも転移出来るわよね?》
「あー、記憶がないので、行ける範囲が世界樹の森のちょっとした範囲だけなんだよね。・・・転移魔法の存在も忘れてた」
《相変わらず抜けてるのね。記憶がなくてもそこは変わらないんだ、さすがね》
「さすがって何? いや良い、藪蛇になりそう・・・」
ふふふと笑ったミズチと別れて魔獣を探すと、鹿っぽいのを見つけた。
「(本当にやるのか?)」
「(もちろん。アルトは見てて)」
そういって気配を消して近づき、刀を出して居合い切り。
スパッと首を刎ねてお終い。
鹿もどきをインベントリにしまって戻るとアルトがあんぐりしていた。
「アルト?」
「・・・・・・なんだ今の。いつ剣を抜いたの? 全く見えなかった」
「うん、一瞬でね。かなりの腕とこの刀じゃないと無理かな?」
「へええ・・・・・・凄いな。見直した」
「えっ?! 本当? 嬉しいな」
じゃあ帰ろうと、早速転移でホームに戻った。
アルトには驚くから急にやるなと怒られた。
ごめんなさい。
まだお昼頃だったので、さっき狩った鹿肉?をミンチにしてハンバーグにした。
「・・・これは何?」
「さっきの鹿もどきを細かくして色々加えて捏ねて焼いた肉の団子?」
「良く分からんが、良い匂い」
うん、食欲をそそるよね?
おかわり、たんと用意してあるからたくさん食べてね!
「・・・美味っ!!」
「でしょー? こんなに食べてくれる人がいたら作りがいあるよなー」
俺もにっこにこしながら食べた。
普通盛り一杯だけだけど、その間にアルトは3回おかわりしてた。
最終的に5人分平らげてた。
凄いな。
それくらい食べるとああなるのか?
自分の体を見る。
・・・・・・はぁ。
・・・・・・無理だな。
もう成長期は終わってる。
ていうかアバターだったから、変わりようが無いか。
アルトには胡乱な目で見られた。
ちくしょう・・・。
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