パライソ~楽園に迷い込んだ華~

エウラ

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22 俺の気持ちは

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応接室に案内されてソファを勧められて、今座ったとこ。

お茶とお菓子を出してくれたが、手を出せない。
なんならフードコートもまだ羽織ってるから、あちらさんには俺の顔は正しく認識出来てないはず。

だって、アルトがいないといつ脱げば良いのか分かんないんだもん!

居心地悪くもぞもぞしていたら、苦笑したイケオジ・・・おそらく声からして通信で話した団長さんが自己紹介を始めた。

「こうして会うのは初めてだが、この間通信で話したフルクベルトだ。アイントラハトがお世話になったね」

やっぱりそうだった。
アルトもこのぐらいの年齢になれば渋いイケオジになるのかな?

「この部屋には初めから防音結界の魔法がかかっている。あと、認識阻害の魔法も。・・・君ならその辺、詳しいんじゃないかな?」
「・・・・・・」

コクリと頷く。
入る前から分かっていたけど、でもアルトがいないのに勝手に正体バラしちゃマズいと思うんだよ。

「---やっぱり、アルト程信用してはくれないよね? 初対面だし仕方ない。アルトが戻るまで待とう。ああ、お茶が冷めてしまうねえ」

フルクベルトがそう言って立ち上がったら、廊下の方からバタバタと走る音が聞こえた。

「---家の中では走るなと、あれ程・・・・・・」

はぁっと溜息を吐いてフルクベルトがそのまま歩いていき扉を開けると、急いで来たらしいアルトが飛び込んできた。

「---っお待たせ!!」
「アルト!!」

思わず立ち上がってアルトの胸に飛び込んでいた。

ああ、安心する。
ぎゅっとしてくれる逞しい腕。
思わず胸に頬をすりすり・・・・・・。

「っコホン!!」

---やべえ、他の人がいたんだっけ・・・・・・。

ついでにすりすりしたせいでフードが脱げて顔はモロだしだった。
顔が熱を持ったのが分かった。

んん?
アルトの後から副団長さんも来た。
苦笑している。

扉を締めてお茶を入れ直してくれる副団長さん・・・うん、スパダリですか?

「騒々しくて悪かったね」
「ごめんね。アルトが走って行っちゃってさあ」
「・・・・・・スミマセン」
「いえ、俺も、その・・・・・・スミマセン」

各々謝って、ぷっと笑い出した。
空気が和んだところで。

「改めて、初めまして。ジェイド・カムイです。高位森人ハイエルフです」
「ああ、初めまして。君のことはアルトからある程度聞いているよ。森にいた理由が分からないということ、記憶が曖昧だと言うこと。そして世界樹の結界に護られている事もね」
「・・・はい。なんか自分が六年前から消息不明だというのも知らなかったし、ここの常識とかも全然・・・」

ホント、不審人物だよな。

なのに世界樹の聖域って、こんな俺でも信用してくれるほど信頼度の高い結界なんだな。

「そうらしいね。まあ、君が話せる範囲で大丈夫だから、話を聞かせて貰えると助かる。その、六年前の事も調べられるかもしれないし」
「ぇ、でも・・・迷惑じゃ無いですか? 俺、ずっと世界樹のところに引き籠もっているから、別に放って置いても・・・」

寂しいけど、関わり合いにならない方が良いんじゃないかな?

---アルトを心の中で想ってる分には、良いよな?

「そんなの駄目だ!」
「え」

想うのも駄目?!
アルトが心を読んだみたいに叫ぶからショックで涙目になってしまった。

「迷惑じゃ無いって!! それに引き籠もって一生誰にも会わないつもりなのか?!」

うおっ!
そっちか、焦った---。

「いやでも・・・俺、ハイエルフでしょ? もの凄く長生きなんでしょ? ・・・・・・関わった誰かに何時かは置いていかれる方なんでしょ?」

---そんなこと、俺は無理だ。
置いていかれる哀しさは、もう十分味わった。
もう、あんな思いは二度とごめんだ。

「それなら、最初から無かったことにして、ずっと独りで生きていく」

俺は心が弱いから。

自分が傷付きたく無いだけなんだ。

「---カムイ」
「・・・・・・何?」
「俺がいるから、泣かないで」
「・・・泣いてなんか」

ぎゅっと抱き締めてくるアルト。
アレ?
何で、雫が・・・。
温かい・・・え、俺、泣いてた?

「・・・・・・アルト・・・・・・俺・・・・・・」

ホントは離れたくない。
アルトと一緒にいたいよ・・・。

「大丈夫。父さん達が、何とかしてくれる」
「・・・はは、それはそうだが、お前もだろう?」
「俺はカムイの心を護るので忙しい」

アルトが即答した。

「---ふはっ! アルト・・・・・・お前、言うようになったなあ!! ・・・だそうだよ、頑張れ、フラン!!」

笑いながら気安く愛称で呼ぶエンドルフィン。

「お前もだろうが、エルフィン。この後、ツラ貸せ」
「ひぃっ!! ガラ悪っ! 仮にも公爵家当主がガラ悪っ!!」

フルクベルトもエンドルフィンを愛称で呼んでドスの効いた声を出した。

そのやり取りを聞いていたカムイは、泣いていたのも忘れてふふっと声を上げて笑った。

「カムイ?」
「・・・・・・ふふ、は、なんか、色々悩んでたのが馬鹿馬鹿しくなる。・・・はは・・・」

---何時かは失うことになったとしても、思い出は残る。
六年間の記憶を無くしていたとしても、この先今の記憶を失ったとしても。
きっと魂に刻まれて残っている。

それでいいじゃないか。

その時になったらまた悩めば良い。
独りじゃ無いなら、一緒に悩んで決めれば良い。


「・・・じゃあ、俺が分かる範囲でお話します。だから、よろしくお願いします」













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