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45 話し合いは肉体言語ですよね? 1
しおりを挟むロルフの部屋に入った直後、ロルフが鍵を掛け防音結界魔法を張った。そしてセッカに向き直る。
セッカは首を傾げた。
「ルゥ?」
「・・・・・・せっかく両想いになれたのに、肝心なところが抜けてた」
「・・・・・・俺が忘れてたせいだろ? ルゥのせいじゃ・・・・・・」
酷く硬い声でそう言うロルフに戸惑いつつもそう返すと、ロルフは急に膝をついてセッカの右手を掬い上げると指先に口付けをした。
「セッカ。獣人はな、生涯たった一人の番いを愛する。アルファとかオメガ関係なく、魂レベルでの運命の番いだ」
「えっと・・・・・・それって、普通のアルファとオメガの番いとは違うってこと?」
「そうだ。そしてそれは非常に稀で生涯に出逢える確率は限りなく低い。そして出逢ってしまったら、もうその人しか愛せないくらい執着し一途なんだ」
そう言うロルフに戸惑うセッカ。
「その魂レベルでの運命の番いはさっき言ったように必ずしもアルファとオメガとは限らない。最初にお前に逢ったとき、お前はアルファだったが俺はそれでもお前を恋愛対象として好きになった」
「・・・・・・でも、たぶん俺の方は、ただの友人としての好意だったよ? 運命って感じはなかったと思う」
「そこが難しいところで、獣人は分かってもどうやら人族は分からないらしいんだ。コレがアルファとオメガとしての運命の番いだったら分かるらしいが。・・・・・・あの時、無理にでも連れ帰ればよかったと何度後悔したか」
そう言うと立ち上がり、そのままソファにエスコートするロルフ。セッカもつられて座った。
「あの時は俺自身も確証はなくて。もっと色々知ってから国に連れ帰ろうと思っていたんだ。そこに来てあの事故・・・・・・。アレではっきり分かった。失って初めて気付かされたんだ」
「あの時、俺が記憶を無くしてなければ、ルゥに助けを求めたのかな? ・・・・・・いや、たらればはもういい。結局、ルゥは俺をその預言者の言う運命の番いって確信してて、今は俺を、その、番いに選んでくれたんだろ?」
セッカは自分で言ってて照れた。耳が熱を持ってる気がする。なんとなく色っぽい空気になって来てロルフはセッカを凝視した。
「・・・・・・その、アルファとオメガの番いはうなじを咬むじゃん? ルゥの言う運命の番いも、やっぱり同じように咬むの? ・・・・・・俺のうなじ、咬まないの?」
「───っいいのか? 咬んで」
「・・・・・・うん」
セッカが目元を赤くしながらもロルフをしっかり見つめてそう言ったら、ロルフがゴクリと喉を鳴らした。
そして獰猛な顔でセッカを見つめ返した。
「咬んでしまったら、もう戻れないんだぞ? 言ったろ、人族はその感覚が分からないって」
「・・・・・・そうだけど。でも、ルゥを愛してるんだ。もう、ヘンな誤解とかしたくないしさせたくない。ルゥの国に行くなら、その前にちゃんと・・・・・・番いになっておきたい。番ってないからってルゥが万が一誰かに盗られるなんて、絶対に、イヤだ」
───だから、お願い。
そんな風にセッカから熱烈に迫られて、ロルフが拒めるはずもなかった。
こんなところでも男前なのはセッカの方で───。
もとよりセッカを番いにしたくて咬みたくていたロルフは、我が意を得たりとばかりにセッカをベッドへと抱き上げて運び、そっとのし掛かったのだった。
※ごぶさたです。
そういえばまだ咬んでないよね?とハッと気がつき、書いてます。次回はR18予定。気長にお待ち下さい。
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