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21 続続・軟禁生活
しおりを挟むシュルツに軟禁生活を言い渡されてから三日。
トイレ以外のほとんどを介助されて、お風呂も寝るのも一緒の生活を送っていた。
それで、今はお風呂あがり。
二人ともさっぱりしてほこほこしてる。
最初こそ一緒のお風呂は恥ずかしいと拒否したんだけど、溺れた後だし心配だと押し切られてからは、もう諦めた。
どうせ男同士だし?
・・・大人になって初めて見た他人のナニが大きいのだって、体格を考えれば当然だし?
べっ、別に自分のが小さいとか、思って無いったら無い!!
もともと薄かった性欲も、ハイエルフに転生してからめっきり無くなって、4年経った今でもそういった欲求が無い。
・・・・・・んん? アレ?
そういえば、この体になってから一度も出したこと無いような・・・。
・・・夢精も無い。
・・・・・・僕ってそもそも精通してるの?
どうしよう、めちゃくちゃ気になってきた。
え、もしかして僕っておかしいの?
病気とか?!
ユトピアの神様、15歳が成人って言ってたよね?
だったら、とっくに精通してても良いよね?
せ、精霊に聞いても分かんないだろうし・・・シュルツに聞いてみる?
でもでも、それでやっぱりおかしいってなったらどうしよう・・・。
僕はおそらく悲痛な顔をしていたんだと思う。
シュルツが湯上がりの後の水分補給にと果実水を渡して来たときに声をかけてきた。
「どうしたんだ、イツキ。青い顔で死にそうだぞ?」
「・・・・・・シュルツ・・・僕、気が付いたんだけど」
「・・・うん?」
おもむろに顔をあげてシュルツを見つめると、シュルツは怪訝そうな顔をした。
「僕・・・僕・・・・・・ここから白いの出したこと無いんだけど・・・!!」
「ブッ!!? ごふっ!!」
シャツを捲り、パンツを引っ張って僕の小さなボクを見えるようにしてそう言うと、シュルツは口を片手で押さえて咳き込んだ。
「シュ、シュルツッ、大丈夫?!」
「しっ・・・出しっ・・・・・・無い?! あ、いや、大丈夫・・・・・・っ」
は───っと息を吐くシュルツに、ごめんなさいと謝った。
シュルツは気にするなと言ってくれたが・・・。
「何で急にそんなこと・・・」
戸惑ったようにそう言うシュルツに、いきなり過ぎたかと、説明をしてみた。
「え? ああうん・・・ほら、今、シュルツと一緒にお風呂に入ってるじゃない? それでシュルツのアレ、普段も大っきいなあって思って・・・。(興奮したら)もっと大きくなるのかなって。そうしたら白いの?出るんだよね? そういえば僕は出した記憶が無いなあって・・・思って・・・あの、僕、何処か体・・・・・・おかしい?」
一生懸命説明したけど、シュルツの顔がどんどん険しくなっていって、僕の声も尻すぼみになっていった。
・・・・・・やっぱりおかしいの?
どうしよう、別に性欲無いから良いんだけど、体がおかしいっていうなら困る。
この世界で末永く、この森と精霊達と、幸せにまったり過ごしたいのに、出来なくなったら・・・。
「───僕、死んじゃう?」
思わず涙が零れた。
シュルツがハッとして抱き締めてくれる。
「死なない! 何処も悪くない! たぶん体が小さいから・・・それにハイエルフだから成長が遅いのかもしれない」
「・・・・・・そ、かな?」
「そうだ、俺の父に聞いてみよう。長く生きているからエルフの事も俺より詳しいと思うんだ。それに、イツキに会いたがってるし」
え? シュルツのお父さん?
思わず目をぱちくりとさせた。
「お父さん? シュルツの?」
「・・・ああ。上に兄もいる」
「・・・・・・そっか、家族・・・いるよね、そりゃあ・・・ねえ、それなら家に帰らないと。ウチに住んでて良いの?」
「良いに決まってる。とっくに成人して独り立ちしているんだから、たまに顔を出せば良い」
「それなら良いんだけど・・・あ、じゃあ、この森に来て貰うの? 僕・・・ここから出るの怖いんだよね・・・」
外には奴隷狩りとかいるんでしょ?
一人じゃ絶対、無理。
「ああ、それで精霊王様達に確認しようと思って・・・安全のために手練れを数人、イツキに付けたいし」
「? よく分かんないけど、精霊王達に話せば大丈夫だと思う。悪いヒトは入れないけど、シュルツの家族なら大丈夫だよね?」
「そうして貰えると助かる。取りあえず、今日はもう眠ろう」
「はーい、お休みなさい」
「お休み」
先ほどのやり取りも忘れて布団に潜ったイツキを抱き締めてシュルツも横になると、キュッと抱きしめ返された。
「えへへ、暖かくて、安心する・・・」
そう言ってシュルツの胸に額を擦り付けるとあっと言う間に寝入った。
「・・・・・・お休み、イツキ」
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