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14 行き倒れた経緯とか諸々 1
さっきまで自然とアイの膝に座っていたけど、この体勢は恥ずかしいし落ち着かないので、とりあえず話を聞くために向かい合わせに座り直す。
アイはものすごく残念そうな表情になったけど、それでも手を離してくれた。
……そんな捨てられた子犬みたいな顔やめて。
「コホン。俺の話をする前に、確認することがある。ユーリは養父から『番い』のことを聞いているんだよね?」
「ああ、うん。この世界には自分の唯一となる『番い』が存在していて、出会えばすぐに分かるらしいって。実際、半年前の養父とライトリーフを見てたから理解はできた」
咳払いをして仕切り直したアイは、最初に僕に聞いてきたのでそう答える。半信半疑だったけど、この世界では普通のことだと認識できたから。
「そんなふうに番いを得られる確率はかなり低いんだ。だから大抵は気の合う相手と婚姻したり家同士の繋がりなどで政略結婚したりすることが多い」
「……でもさ、そのあとその『番い』と出会うこともきっとあるよね? その場合はどうなるの?」
お互い独身なら問題はないんだろうけど、既婚者だったら諦めるのか、それとも離婚して再婚? まさか略奪とか……
そう思って聞いたんだけど。
「そうだな。大抵は番いが現れたときには離縁するだろうな。政略結婚だとしたら余計に離縁を望むだろう。誰だって番いと一緒になりたいから」
「でもでも、一応好きで結婚した人もいるわけでしょ。それなのに片方が番いを選んで別れるのって……残されたほうは辛いよね」
「そこはこの世界ではたまにあることで……だからこそ付き合うときや婚姻するときに様々な条件を付けて納得のうえで婚姻するのが普通なんだ。気持ちはどうにもできないけど」
「……」
それが僕にはちょっと理解できない。番いと出会う直前までは確かにその人を好きだったのに、出会ったらコロッと忘れて番いを選ぶなんて──。僕が中途半端に日本の記憶があるからなのか……両親は恥ずかしくなるほど僕の目の前でもイチャイチャラブラブだったから。
「まあ、中には番いと認識したうえで現在の相手を選ぶなんて人もいる。だから必ずしも唯一の番いだと縛られるわけではないんだ」
「え、そ、そうなんだ」
それは考えつかなかった。番いは絶対的なものだと思っていたから。番いに出会っても番いを選ばない人もいるんだ。それって愛の力なのかな?
「それじゃあ、辛くても皆、納得して別れたりするのかぁ」
「とにかく、人それぞれということだ。まあ番いに出会える確率は長命種族でもなければかなり珍しいから、大抵は好いた相手と一生を共に遂げるだろう」
アイの言葉にそれもそうかと思う。実際、エルリオはうん百歳らしいから。正確な年齢は本人も忘れたって言うくらいとても長生きだから番いに出会えたんだろう。
「それならいいのかな。あの、でも先に言っておくと、僕はその番いのことが分からないと思う。僕のいた世界にはないものだから」
これだけははっきりさせておかないと、変な誤解が生まれても困る。
「うん、それも残されている書物に書いてあった。だからユーリは番いに出会っても反応がない」
「うん……うん? いや、そもそも僕には番いなんていないでしょ? だってこの世界に生まれた存在じゃないんだから。この世界の異物だから。きっと……余り物──」
「違う。ユーリは余り物なんかじゃない」
自嘲するようにそう言えば、向かいに座っていたはずのアイがいつの間にか僕の隣に座っていて、僕の肩をガシッと掴んでいた。
戸惑う僕の目をしっかりと見つめて、真剣な顔でアイが言った。
「ユーリは俺の番いだ。だから俺はここまでユーリに会いに来たんだ」
「…………え?」
僕が、アイの……番い?
アイはものすごく残念そうな表情になったけど、それでも手を離してくれた。
……そんな捨てられた子犬みたいな顔やめて。
「コホン。俺の話をする前に、確認することがある。ユーリは養父から『番い』のことを聞いているんだよね?」
「ああ、うん。この世界には自分の唯一となる『番い』が存在していて、出会えばすぐに分かるらしいって。実際、半年前の養父とライトリーフを見てたから理解はできた」
咳払いをして仕切り直したアイは、最初に僕に聞いてきたのでそう答える。半信半疑だったけど、この世界では普通のことだと認識できたから。
「そんなふうに番いを得られる確率はかなり低いんだ。だから大抵は気の合う相手と婚姻したり家同士の繋がりなどで政略結婚したりすることが多い」
「……でもさ、そのあとその『番い』と出会うこともきっとあるよね? その場合はどうなるの?」
お互い独身なら問題はないんだろうけど、既婚者だったら諦めるのか、それとも離婚して再婚? まさか略奪とか……
そう思って聞いたんだけど。
「そうだな。大抵は番いが現れたときには離縁するだろうな。政略結婚だとしたら余計に離縁を望むだろう。誰だって番いと一緒になりたいから」
「でもでも、一応好きで結婚した人もいるわけでしょ。それなのに片方が番いを選んで別れるのって……残されたほうは辛いよね」
「そこはこの世界ではたまにあることで……だからこそ付き合うときや婚姻するときに様々な条件を付けて納得のうえで婚姻するのが普通なんだ。気持ちはどうにもできないけど」
「……」
それが僕にはちょっと理解できない。番いと出会う直前までは確かにその人を好きだったのに、出会ったらコロッと忘れて番いを選ぶなんて──。僕が中途半端に日本の記憶があるからなのか……両親は恥ずかしくなるほど僕の目の前でもイチャイチャラブラブだったから。
「まあ、中には番いと認識したうえで現在の相手を選ぶなんて人もいる。だから必ずしも唯一の番いだと縛られるわけではないんだ」
「え、そ、そうなんだ」
それは考えつかなかった。番いは絶対的なものだと思っていたから。番いに出会っても番いを選ばない人もいるんだ。それって愛の力なのかな?
「それじゃあ、辛くても皆、納得して別れたりするのかぁ」
「とにかく、人それぞれということだ。まあ番いに出会える確率は長命種族でもなければかなり珍しいから、大抵は好いた相手と一生を共に遂げるだろう」
アイの言葉にそれもそうかと思う。実際、エルリオはうん百歳らしいから。正確な年齢は本人も忘れたって言うくらいとても長生きだから番いに出会えたんだろう。
「それならいいのかな。あの、でも先に言っておくと、僕はその番いのことが分からないと思う。僕のいた世界にはないものだから」
これだけははっきりさせておかないと、変な誤解が生まれても困る。
「うん、それも残されている書物に書いてあった。だからユーリは番いに出会っても反応がない」
「うん……うん? いや、そもそも僕には番いなんていないでしょ? だってこの世界に生まれた存在じゃないんだから。この世界の異物だから。きっと……余り物──」
「違う。ユーリは余り物なんかじゃない」
自嘲するようにそう言えば、向かいに座っていたはずのアイがいつの間にか僕の隣に座っていて、僕の肩をガシッと掴んでいた。
戸惑う僕の目をしっかりと見つめて、真剣な顔でアイが言った。
「ユーリは俺の番いだ。だから俺はここまでユーリに会いに来たんだ」
「…………え?」
僕が、アイの……番い?
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