【完結】ねこネコ狂想曲

エウラ

文字の大きさ
17 / 26

17 事件の顛末

しおりを挟む

僕が救出されて、熱が下がる間に事件は解決していたようだ。

あれから一週間。
高い熱は二日ほどで下がったものの、その後微熱が続き、起き上がれるようになったのは救い出されてから五日目の事だった。

その後、大事を取って二日。
ベッドの住人と化した僕の元にはたくさんの冒険者さんがお見舞いに来てくれた。

特にギルマスとサブギルマス、僕が攫われる前まで見てくれていた職員さんが大泣きだった。

「ごめんなさい---! あの時キモいって言われてもついて行ってれば良かった・・・・・・!」

そういってわあわあと泣くもんだから、ちょっと笑っちゃった。

「気にしにゃいで? さすがにおトイレはいや、かにゃ?」
「うわああん! 本当によかった!」

ギルマス達も、もうちょっと落ち着いて?

そんなこんなで、リハビリも兼ねて、ヒョウガさんと冒険者ギルドにやって来ました。

着いてから下ろして貰ったんだけど。

もう、ヒョウガさん、すっかり過保護になっちゃって。
膝から下ろしてくれない。

「もう二度とあんな目に合わせないぞ」
「うん、ぼくももういやかにゃあ・・・ちゅらかっちゃの。かなちかっちゃの」

そういってヒョウガさんをぎゅぎゅっと抱き締めた。

「ところで、こにょひちょたちは、だれ?」

そう、リハビリと言っているが、どうやら用事があってここに来たらしい。

ギルマスの部屋になんか偉そうな人が集まっているんだもん。

「彼らは今回の事件の関係者だ。どういう経緯でああなったのか、結果、どうなったのかの報告の為にきて貰った」

そっか、確かに当事者と関係者には必要だよね。
そう思ってよく見れば・・・。

「・・・あ、あのときのおにいしゃんたちにゃ」
? 誰だ?」

僕の言葉にピクリと反応して睨むヒョウガさん。
あ、鋭い瞳は何時もの事なの?
僕の前では何時も優しいんだけどなあ。

「・・・は。第一警備隊第二小隊長のケネスと申します。サナ殿が閉じ込められていた小屋で接触しております」
「同じく第二小隊のマックスと申します」

二人とも緊張した面持ちだ。
うん。
今のヒョウガさん、怖そうだもんね。
ここは僕がフォローせねば!

「・・・へえ?」
「あにょね、ないちゃったけど、ハンカチで拭いてくれちゃのよ。やさしかっちゃの」

そう、二人とも始めから気遣ってくれて、泣き出した僕をオロオロしながら優しく接してくれたんだよ。
だから怒らないで。

「---そうか。まあ良い」

何となくサナの気持ちを察したらしいヒョウガが、やや不服そうだが引いてくれたようだ。
良かった。

場の空気がちょっと和らいだので、警備隊の隊長だというシップさんが説明を始めた。

それによると、僕が攫われる二週間ほど前に闇オークションが開かれる情報を得たらしい。
詳しく調べると、密かに噂になっていた『オッドアイの猫又の子』を攫って、目玉商品にするらしいと。

警備隊は領主主導の下、これを機に闇オークションを摘発しようと調査を始めたそうだ。

それで、噂の猫又の子サナの周りを張っていると、その子はよく冒険者ギルドにいて一人になりにくい事が分かった。

痺れを切らした闇オークションのヤツらが低ランクの金に困っている冒険者を金で買収して、ギルド内で一人になった隙に攫った。

その間、警備隊の人達は密かにサナの周りを張って、人攫いが動くのを静観していたそうで・・・。

ようはに使われた訳だ。

その結果がである。

そりゃあヒョウガさん怒るよね。
僕だってヒョウガさんが同じ目にあったら、相手をボコボコにしちゃうよ!

結果的にヒョウガさんが助けてくれたから良かったけど、普通の5歳児だったらトラウマもんだよ。

いや、精神年齢16歳の僕だって怖かったもん。


僕は思わず、むーっと頬を膨らまして怒りのポーズをとった。


「「「ぅぐっ!」」」


何故か皆、悶えた。


どーして?!









しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

とある社畜のハロウィン

斯波良久@出来損ないΩの猫獣人発売中
BL
ハロウィンの夜。終電を逃した智広は、ハロウィンを楽しむ人々を避けるようにして近くの店に入る。今まで何度か利用したことのあるイタリアン食堂のはずだったが、店はファンタジー風の仮装をした人達で溢れていて――。

義弟の婚約者が私の婚約者の番でした

五珠 izumi
ファンタジー
「ー…姉さん…ごめん…」 金の髪に碧瞳の美しい私の義弟が、一筋の涙を流しながら言った。 自分も辛いだろうに、この優しい義弟は、こんな時にも私を気遣ってくれているのだ。 視界の先には 私の婚約者と義弟の婚約者が見つめ合っている姿があった。

2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。

ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。 異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。 二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。 しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。 再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

僕だけの番

五珠 izumi
BL
人族、魔人族、獣人族が住む世界。 その中の獣人族にだけ存在する番。 でも、番には滅多に出会うことはないと言われていた。 僕は鳥の獣人で、いつの日か番に出会うことを夢見ていた。だから、これまで誰も好きにならず恋もしてこなかった。 それほどまでに求めていた番に、バイト中めぐり逢えたんだけれど。 出会った番は同性で『番』を認知できない人族だった。 そのうえ、彼には恋人もいて……。 後半、少し百合要素も含みます。苦手な方はお気をつけ下さい。

好きだと伝えたい!!

えの
BL
俺には大好きな人がいる!毎日「好き」と告白してるのに、全然相手にしてもらえない!!でも、気にしない。最初からこの恋が実るとは思ってない。せめて別れが来るその日まで…。好きだと伝えたい。

最強賢者のスローライフ 〜転生先は獣人だらけの辺境村でした〜

なの
BL
社畜として働き詰め、過労死した結城智也。次に目覚めたのは、獣人だらけの辺境村だった。 藁葺き屋根、素朴な食事、狼獣人のイケメンに介抱されて、気づけば賢者としてのチート能力まで付与済み!? 「静かに暮らしたいだけなんですけど!?」 ……そんな願いも虚しく、井戸掘り、畑改良、魔法インフラ整備に巻き込まれていく。 スローライフ(のはず)なのに、なぜか労働が止まらない。 それでも、優しい獣人たちとの日々に、心が少しずつほどけていく……。 チート×獣耳×ほの甘BL。 転生先、意外と住み心地いいかもしれない。

婚約破棄を傍観していた令息は、部外者なのにキーパーソンでした

Cleyera
BL
貴族学院の交流の場である大広間で、一人の女子生徒を囲む四人の男子生徒たち その中に第一王子が含まれていることが周囲を不安にさせ、王子の婚約者である令嬢は「その娼婦を側に置くことをおやめ下さい!」と訴える……ところを見ていた傍観者の話 :注意: 作者は素人です 傍観者視点の話 人(?)×人 安心安全の全年齢!だよ(´∀`*)

処理中です...