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【第三章】おいしいお菓子を食べたいな
23. 思いがけない誘い
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ふたつのカフェが大人気になり、令嬢たちともすっかり仲良くなったある日。
「本日は、皆さんに大事な話をしなくてはなりません」
先生が静かに切り出した。
「ロシェル王国についてどのようなことをご存知ですか?」
先生がロシェル王国の紋章、白鳥の絵を掲げる。アタシはさっと手を上げる。
「元々はひとつの国だったのが、大昔にロシェル王国とウォルフハート王国にわかれました。美のロシェル王国、武のウォルフハート王国と言われています。ロシェル王国の王族は、真っ白で、白ければ白いほど良い、色つきは野蛮というお国柄です。アタシはピンク髪なので、あちらの基準では野蛮人です」
大きな声で発言すると、他の三人が拍手をしてくれる。先生は苦笑いだ。
「我が国よりも厳しい貴族制で、平民からの成り上がりはほぼありませんわよね」
「平民商人から徐々に子爵に上り詰めたティガーン子爵家など、彼らにとっては許せない存在だと思う」
ロザムンド様とミシェル様の言葉に先生がうなずき、人差し指を立てた。
「それが今日の本題につながります。実はロシェル王国の王子と王女が間もなくこちらにいらっしゃいます。突然かつ一方的な訪問通達で、目的がわかりません。離宮に滞在していただくことになりますので、しばらく王子妃教育はお休みします」
クリスティーネ様が心配そうに尋ねる。
「それは、王宮でばったり接近してしまって、ご不興をこうむるのを防ぐためでしょうか?」
「それもありますが、王子妃候補ということで興味を持たれてしまい、強引にロシェル王国に連れて行かれることを恐れています」
先生が答えると、クリスティーネ様がハッとした様子でアタシを見る。ロザムンド様とミシェル様も心配そうだ。
「えーっと、もしかして、連れて行かれるのってアタシですか? まさか、そんな」
え、そんなことあるわけなくない? いくらなんでも、誘拐はしないでしょう。
「そのまさかです」
「ひえー」
先生に重々しく言われて、全身に北風が吹いた。
「ロシェル王国の王族にとって、平民は家畜のような存在です。あら、このカモ、珍しい色ね。もらって帰るわ。それぐらいの感覚です」
「アタシ、カモと一緒なんだ。そうなんだ」
「少し調べれば、サブリナさんが有能なことはすぐわかってしまいますものね」
「サブリナさんは、金の卵を産むガチョウだから」
「ガチョウ」
やっぱり、鳥なんだ。鳥かー。
「サブリナさんはわたくしにとって幸せの青い鳥ですわ。サブリナさんのことは、全力でお守りいたしますわ」
クリスティーネ様が涙目でアタシの手を握る。ロザムンド様とミシェル様がその上から手を重ねた。みんなの手が、力強くて温かい。
そんなわけで、王子妃教育も仕事も休むことになった。ロシェル王国の王族が帰国するまで、目立たないように大人しくしていなければいけないんだって。孤児院のみんなも、たまにはのんびりしなよって、何もさせてくれない。
夢を見てから、毎日忙しかったので、急にすることがなくなるとどうしていいかわからない。
「あああー、ひまーー」
庭で猫と一緒にゴロゴロしてると、ピエールさんが呼びに来た。
「サブリナ、買い物に行こう。こういうときは、パーッと金を使って憂さ晴らしするのがいいんだ。もちろんオレのおごりだ」
「いいんですか?」
「任せなさい。とっておきの店に連れていってやろう」
自信たっぷりなピエールさんに案内されたのは、画材道具のお店だった。
「どうだ、オレの一番好きな店だ」
「う、うわー。さすがピエールさん。斜め上でおもしろいです」
「そうだろ。オレがサブリナを服屋とかカフェに連れていってもな。気持ち悪いだろ? そういうのは、ユリアとジョーの役目。さて、ここでは画材道具だけじゃなくて、絵も買えるんだ。好きな絵があったらこっそり言いなさい。こっそりな。ものによっては高すぎて手が出ないからな」
最後の方は小声になったピエールさん。おかしくって吹き出しそうになるのをこらえながら、飾られている絵をひとつずつ眺める。風景画が多い。湖のほとり、草原、森の中にいる鹿、川に浮かぶ小舟。
「あ、この青い鳥、かわいい」
夢で見た青い鳥にそっくり。丸っこい体にフワフワの羽、つぶらな黒い瞳。こんな幸せの青い鳥みたいな存在になりたいな。
「どれどれ」
ピエールさんは壁から額縁ごと絵をとりはずし、ささっと後ろ側を見る。
「よしよし、これを買ってあげよう」
「あの、アタシもお金払ってもいいですか?」
「どうして? これぐらいならオレは余裕で払えるぞ」
「自分でお金払ったら、アタシの絵って気分がするから」
「なるほど。その気持ちはすごくよくわかる。では銀貨二枚でどうだい?」
「はい、お願いします」
ピエールさんの手に銀貨を二枚置く。なんだか、誇らしい気分。働いて貯めたお金で、日用必需品じゃなくて、好きなもの、贅沢な絵を買った。アタシ、大人になったみたい。
青い鳥の絵を抱えてすっかり幸せ気分で孤児院に戻ったら、そんなアタシをどん底に突き落とすような招待状が待っていた。しかも本人が直々に持って来てる。
「やあ、君がサブリナだね。僕はディミトリ。ロシェル王国の王子だ」
白銀の髪と金色の瞳。雪が降ったら溶け込んじゃいそうだし、白馬に乗って駆けつけたら白馬と同化しちゃいそうな王子だ。直視すると目が痛いぐらいの美形が、とんでもない笑顔で突拍子もないことを言い出した。
「これから僕と従妹のモニカの歓迎パーティーが開催されるんだけど、君も来ないかと思って迎えにきた」
「無理です」
反射的に断ってしまった。ピエールさんの口が大きく開く。あごが落ちちゃいそう。
「無理? それはどうして?」
ディミトリ王子は不思議そうな顔をしている。こんな美王子なら、断られたことなんてないんだろうな。でも、無理なものは無理だ。
「ドレスがありませんから」
前孤児院長を断罪することになったチャリティーパーティーで着たドレスは、もう体に合わない。アタシだって成長しているのだ。
ディミトリが柔らかく微笑む。
「なんだ、そんなことか。今すぐ買いに行こう。そのままパーティーに行けばいいからちょうどいい」
「え、いやいや、そんなわけには」
「で、殿下。恐れながら、サブリナは平民です。パーティーの礼儀作法などが身についておりません。パーティーの雰囲気を壊しますし、本人も居づらいと思います」
「ピエールさん」
ありがとうー。その通り。よくぞアタシの気持ちを言ってくれました。
「気軽なパーティーだとアレックスが言っていたから、大丈夫だよ。エスコート相手がいなくて困っていたんだ。頼むよ」
「ぐぬぬ」
王子に頭を下げられて、断れる平民がいるだろうか。うぬぬ。ピエールさんもアタシも、困り切って体がユラユラする。
「さあ、急ごう」
「あわわ」
もうどうしようもなくて、馬車に乗ってしまう。見送るピエールさんが今まで見たことがないぐらい心配そう。う、市場に売りに出される子牛の気分だ。
「サブリナが来てくれてよかった」
「はあ」
強引に連れてきておいてよく言うよ、とはさすがのアタシでも言えない。
「ほら、下手に貴族の令嬢をエスコートしたら、婚約話につきすすみそうで。その点、サブリナは安全」
「平民で孤児だから」
「そうだね。あ、失礼だったね、ごめんね」
「いえ、事実だから別に。でも、ロシェル王国の王族は平民を嫌いなんだと思ってたから驚きました」
「突出している平民は気になる。君は、発情期のクジャク並みに目立ってるよ」
「発情期のクジャクって、そんな。アタシ、目立たないようにしてたのに」
「え、あれで?」
真ん丸な目で見られて、顔が赤くなる。もしかして、アタシは目立ちたがり屋に見えていたのかも。そんなつもりなかったのに。
「かわいそうだけど、他国にまで知られてしまった以上は、誰かの庇護下に入るべきだと思うよ。アレックスの誘いは断ったみたいだけど、どうして? もったいないな」
そんなことまで知られてるんだ。腕に鳥肌が立った。
「アレックスと僕は同い年でね。なにかと比べられてうんざりしている。アレックスが振られた女の子がいると聞くと、どうしても会いたくなった」
ディミトリ王子がとろけるような笑顔を浮かべる。たいていの女の子は恋に落ちちゃうと思う。でも、アタシはそれどころじゃなかった。だって、どうしよう。想定外すぎるよ。
ディミトリ王子もモニカ王女も、夢には出てこなかった。だから、彼らとの間にどんな未来が待っているのかわからない。不安だ。怖いよ。
これからは絶対に気を抜けない。ひとつの間違いが、断罪、追放、処刑につながるかもしれない。考えろ、アタシ。
高級な服屋に着いた。
「どれでも好きなのを選んで」
ディミトリ王子はのんびり言う。そんなわけあるかい。アタシ、知ってるんだからね。主賓との色かぶりは禁忌だって。未来のアタシは色かぶりしちゃって痛い目にあってた。確認しなきゃ。
「モニカ王女のドレスは何色ですか?」
「どうだろう? いつもそのときの気分で決めてると思うけど」
「そうですか。モニカ王女も銀髪で金色の目ですよね?」
ディミトリ王子がうなずく。
「それでは、銀色と金色、それに近い色はやめておきますね」
「ふーん」
ディミトリ王子は感心したような顔をしている。
「モニカ王女の好きな色はなんですか?」
「白かな」
どうしよう。何色を選べば正解なんだろう。うんうん悩んでいると思いついた。
「決めた、これにします」
「これ?」
「はい」
これなら大丈夫。アタシの戦闘服。
「本日は、皆さんに大事な話をしなくてはなりません」
先生が静かに切り出した。
「ロシェル王国についてどのようなことをご存知ですか?」
先生がロシェル王国の紋章、白鳥の絵を掲げる。アタシはさっと手を上げる。
「元々はひとつの国だったのが、大昔にロシェル王国とウォルフハート王国にわかれました。美のロシェル王国、武のウォルフハート王国と言われています。ロシェル王国の王族は、真っ白で、白ければ白いほど良い、色つきは野蛮というお国柄です。アタシはピンク髪なので、あちらの基準では野蛮人です」
大きな声で発言すると、他の三人が拍手をしてくれる。先生は苦笑いだ。
「我が国よりも厳しい貴族制で、平民からの成り上がりはほぼありませんわよね」
「平民商人から徐々に子爵に上り詰めたティガーン子爵家など、彼らにとっては許せない存在だと思う」
ロザムンド様とミシェル様の言葉に先生がうなずき、人差し指を立てた。
「それが今日の本題につながります。実はロシェル王国の王子と王女が間もなくこちらにいらっしゃいます。突然かつ一方的な訪問通達で、目的がわかりません。離宮に滞在していただくことになりますので、しばらく王子妃教育はお休みします」
クリスティーネ様が心配そうに尋ねる。
「それは、王宮でばったり接近してしまって、ご不興をこうむるのを防ぐためでしょうか?」
「それもありますが、王子妃候補ということで興味を持たれてしまい、強引にロシェル王国に連れて行かれることを恐れています」
先生が答えると、クリスティーネ様がハッとした様子でアタシを見る。ロザムンド様とミシェル様も心配そうだ。
「えーっと、もしかして、連れて行かれるのってアタシですか? まさか、そんな」
え、そんなことあるわけなくない? いくらなんでも、誘拐はしないでしょう。
「そのまさかです」
「ひえー」
先生に重々しく言われて、全身に北風が吹いた。
「ロシェル王国の王族にとって、平民は家畜のような存在です。あら、このカモ、珍しい色ね。もらって帰るわ。それぐらいの感覚です」
「アタシ、カモと一緒なんだ。そうなんだ」
「少し調べれば、サブリナさんが有能なことはすぐわかってしまいますものね」
「サブリナさんは、金の卵を産むガチョウだから」
「ガチョウ」
やっぱり、鳥なんだ。鳥かー。
「サブリナさんはわたくしにとって幸せの青い鳥ですわ。サブリナさんのことは、全力でお守りいたしますわ」
クリスティーネ様が涙目でアタシの手を握る。ロザムンド様とミシェル様がその上から手を重ねた。みんなの手が、力強くて温かい。
そんなわけで、王子妃教育も仕事も休むことになった。ロシェル王国の王族が帰国するまで、目立たないように大人しくしていなければいけないんだって。孤児院のみんなも、たまにはのんびりしなよって、何もさせてくれない。
夢を見てから、毎日忙しかったので、急にすることがなくなるとどうしていいかわからない。
「あああー、ひまーー」
庭で猫と一緒にゴロゴロしてると、ピエールさんが呼びに来た。
「サブリナ、買い物に行こう。こういうときは、パーッと金を使って憂さ晴らしするのがいいんだ。もちろんオレのおごりだ」
「いいんですか?」
「任せなさい。とっておきの店に連れていってやろう」
自信たっぷりなピエールさんに案内されたのは、画材道具のお店だった。
「どうだ、オレの一番好きな店だ」
「う、うわー。さすがピエールさん。斜め上でおもしろいです」
「そうだろ。オレがサブリナを服屋とかカフェに連れていってもな。気持ち悪いだろ? そういうのは、ユリアとジョーの役目。さて、ここでは画材道具だけじゃなくて、絵も買えるんだ。好きな絵があったらこっそり言いなさい。こっそりな。ものによっては高すぎて手が出ないからな」
最後の方は小声になったピエールさん。おかしくって吹き出しそうになるのをこらえながら、飾られている絵をひとつずつ眺める。風景画が多い。湖のほとり、草原、森の中にいる鹿、川に浮かぶ小舟。
「あ、この青い鳥、かわいい」
夢で見た青い鳥にそっくり。丸っこい体にフワフワの羽、つぶらな黒い瞳。こんな幸せの青い鳥みたいな存在になりたいな。
「どれどれ」
ピエールさんは壁から額縁ごと絵をとりはずし、ささっと後ろ側を見る。
「よしよし、これを買ってあげよう」
「あの、アタシもお金払ってもいいですか?」
「どうして? これぐらいならオレは余裕で払えるぞ」
「自分でお金払ったら、アタシの絵って気分がするから」
「なるほど。その気持ちはすごくよくわかる。では銀貨二枚でどうだい?」
「はい、お願いします」
ピエールさんの手に銀貨を二枚置く。なんだか、誇らしい気分。働いて貯めたお金で、日用必需品じゃなくて、好きなもの、贅沢な絵を買った。アタシ、大人になったみたい。
青い鳥の絵を抱えてすっかり幸せ気分で孤児院に戻ったら、そんなアタシをどん底に突き落とすような招待状が待っていた。しかも本人が直々に持って来てる。
「やあ、君がサブリナだね。僕はディミトリ。ロシェル王国の王子だ」
白銀の髪と金色の瞳。雪が降ったら溶け込んじゃいそうだし、白馬に乗って駆けつけたら白馬と同化しちゃいそうな王子だ。直視すると目が痛いぐらいの美形が、とんでもない笑顔で突拍子もないことを言い出した。
「これから僕と従妹のモニカの歓迎パーティーが開催されるんだけど、君も来ないかと思って迎えにきた」
「無理です」
反射的に断ってしまった。ピエールさんの口が大きく開く。あごが落ちちゃいそう。
「無理? それはどうして?」
ディミトリ王子は不思議そうな顔をしている。こんな美王子なら、断られたことなんてないんだろうな。でも、無理なものは無理だ。
「ドレスがありませんから」
前孤児院長を断罪することになったチャリティーパーティーで着たドレスは、もう体に合わない。アタシだって成長しているのだ。
ディミトリが柔らかく微笑む。
「なんだ、そんなことか。今すぐ買いに行こう。そのままパーティーに行けばいいからちょうどいい」
「え、いやいや、そんなわけには」
「で、殿下。恐れながら、サブリナは平民です。パーティーの礼儀作法などが身についておりません。パーティーの雰囲気を壊しますし、本人も居づらいと思います」
「ピエールさん」
ありがとうー。その通り。よくぞアタシの気持ちを言ってくれました。
「気軽なパーティーだとアレックスが言っていたから、大丈夫だよ。エスコート相手がいなくて困っていたんだ。頼むよ」
「ぐぬぬ」
王子に頭を下げられて、断れる平民がいるだろうか。うぬぬ。ピエールさんもアタシも、困り切って体がユラユラする。
「さあ、急ごう」
「あわわ」
もうどうしようもなくて、馬車に乗ってしまう。見送るピエールさんが今まで見たことがないぐらい心配そう。う、市場に売りに出される子牛の気分だ。
「サブリナが来てくれてよかった」
「はあ」
強引に連れてきておいてよく言うよ、とはさすがのアタシでも言えない。
「ほら、下手に貴族の令嬢をエスコートしたら、婚約話につきすすみそうで。その点、サブリナは安全」
「平民で孤児だから」
「そうだね。あ、失礼だったね、ごめんね」
「いえ、事実だから別に。でも、ロシェル王国の王族は平民を嫌いなんだと思ってたから驚きました」
「突出している平民は気になる。君は、発情期のクジャク並みに目立ってるよ」
「発情期のクジャクって、そんな。アタシ、目立たないようにしてたのに」
「え、あれで?」
真ん丸な目で見られて、顔が赤くなる。もしかして、アタシは目立ちたがり屋に見えていたのかも。そんなつもりなかったのに。
「かわいそうだけど、他国にまで知られてしまった以上は、誰かの庇護下に入るべきだと思うよ。アレックスの誘いは断ったみたいだけど、どうして? もったいないな」
そんなことまで知られてるんだ。腕に鳥肌が立った。
「アレックスと僕は同い年でね。なにかと比べられてうんざりしている。アレックスが振られた女の子がいると聞くと、どうしても会いたくなった」
ディミトリ王子がとろけるような笑顔を浮かべる。たいていの女の子は恋に落ちちゃうと思う。でも、アタシはそれどころじゃなかった。だって、どうしよう。想定外すぎるよ。
ディミトリ王子もモニカ王女も、夢には出てこなかった。だから、彼らとの間にどんな未来が待っているのかわからない。不安だ。怖いよ。
これからは絶対に気を抜けない。ひとつの間違いが、断罪、追放、処刑につながるかもしれない。考えろ、アタシ。
高級な服屋に着いた。
「どれでも好きなのを選んで」
ディミトリ王子はのんびり言う。そんなわけあるかい。アタシ、知ってるんだからね。主賓との色かぶりは禁忌だって。未来のアタシは色かぶりしちゃって痛い目にあってた。確認しなきゃ。
「モニカ王女のドレスは何色ですか?」
「どうだろう? いつもそのときの気分で決めてると思うけど」
「そうですか。モニカ王女も銀髪で金色の目ですよね?」
ディミトリ王子がうなずく。
「それでは、銀色と金色、それに近い色はやめておきますね」
「ふーん」
ディミトリ王子は感心したような顔をしている。
「モニカ王女の好きな色はなんですか?」
「白かな」
どうしよう。何色を選べば正解なんだろう。うんうん悩んでいると思いついた。
「決めた、これにします」
「これ?」
「はい」
これなら大丈夫。アタシの戦闘服。
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