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二章
24 熊から落下
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その日の夕刻の事。
「……おや?」
周辺集落の要請に応じ、外部に出かけていたフロリアンは、もうあと幾らも歩けば砦が見えるという辺りでふと足を止めた。共に歩いていたルカスもそれに気がつき彼が見下ろしている雪の上を見る。
「足跡でございますね……」
「……どうやら砦に来客のようだ」
彼等とは別の方向から伸びるその痕跡は随分な数がある。
「とても統率の取れた行軍のようだ。馬の蹄もあるね……どこかの貴人でもいらしたかな……」
「……」
フロリアンがそう言うと、それを聞いたルカスの眉が小さく跳ねる。フロリアンは供のその反応に首をかたむけた。
「ルキ? 何か知ってるの?」
「……」
「ルキ?」
黙りこんだ男にフロリアンが怪訝にもう一度その名を呼ぶと、ルカスは渋々と口を開いた。それはおそらく辺境伯の家の関係者だろうと。
「え……? お前が手紙を……?」
話を聞いたフロリアンはまだ距離のある砦の方を困った顔で窺った。ルカスはつんと取り澄ましている。
「あいつにはさっさと引導を渡した方が良いですから。現実は見せておかねば」
「そこまでしなくても……そんな告げ口のような事をするなんて……」
「悠長な事は言っていられません。これ以上あいつが深みにはまる前にひっぱり出しておかないと」
そう言いながらルカスが思い出すのは、先日の大浴場の一件だ。ヴォルデマーと共にその脱衣所で仲睦まじい様子でいた娘。二人で入ったわけではないと言い張ってはいたが、それは看過できない出来事だった。
ルカスはそれを主人に報告してはいなかったが、その思いつめたような顔にフロリアンは何かを察する。
「……そう、何か見たんだね……」
フロリアンは少し切なげに笑んで。その娘が居るであろう砦の方向を眺めた。
「……そうか……」
「……」
それからフロリアンは黙り込むルカスに視線を戻し、苦笑した。
「まあ……焦ってしまったのは、私も一緒だしね……」
そうして再び帰路を歩きだした彼等が門へと辿り着くと、そこはいやに賑やかだった。内側から活気のある喧騒が門の外まで洩れている。
「……あれ?」
「ん……?」
開門をその外側で待っていたフロリアンとルカスは、ふと気がついて首を傾げる。
「この声……」
「ぅおおおおおお!!!」
「!?」
「落ちる落ちる落ちる!!」
「おい馬鹿! あんまり無茶すんな!」
「だって……! あそこに!! あそこにどうしても取りたい汚れが……!! 一体全体どなた様があのような場所をお汚しに……熊様! もう少し! もう少し背伸びして!!」
「まじか! 俺背伸び苦手なんだけど……」
「背伸び苦手なんて初めて聞きました! もうす、こ、し……!! あー!!!」(ここで落ちたような音)
「!? 大丈夫か!? お前無茶すんなぁ……徹夜明けとか言ってなかったか?」
「なんのこれしき!! おかげ様で今この世で一番元気ですよ、わたくしは!! ははははは重力めー!!」
「目がいっちゃってんなー」
怖えー怖えー、という野太い声と、不気味にハイな笑い声に、外に立っていたフロリアン以下、ルカス、その他の侯爵家の兵団はしんと静まり返った。
「……フロリアン様、どうやら馬鹿がとち狂っております」(氷の瞳)
「ミリー……頭打たなかったかな……」
フロリアンはハラハラと、ルカスはイライラと、門が開くのを待った。それがやっと人の通れるくらいの隙間を作ると、フロリアンとルカスは慌てて中へと滑り込む。
「ミリ!?」
「……これは……?」
そこでは大々的な清掃活動が行なわれていた。
熊やその他の獣人達は、それぞれ壁を磨く者、えっほ、えっほと待機所の中に荷物を運び入れる者と──騒々しく行きかっている。ここへ来てから隊士達が掃除しているのを初めて見た二人は寸の間目を瞬いた。
「……珍しいね、どうしたんだろう」
「……フロリアン様……あそこに……」
ルカスが指す方向の城壁ぎわに、フロリアンは栗色の髪の娘の姿を見つけほっと安堵した。何やら落ちた音がしたが、とにかく彼女は無事なようだった。
しかし、何やらいつもより背が高い──と思ったら……ミリヤムは大柄な熊の門番の肩の上に立っていた。下にいる熊の門番に足を支えられながらデッキブラシを持つ手をぷるぷる震わせて、遥か頭上の城壁の汚れを狙っている。その様子はまるでサーカスの曲芸のようである。とても安定が良いとは言い難い。
「……」
「……」
「何もそんなとこまで掃除しなくてもいいんじゃないか?」
「何を馬鹿な! また奥方様に褒めて頂きたいんでしょう!? 奥方様はお帰りの際、また必ず此処をお通りになるではありませんか! そうしたらまた足を止めていただけるかもしれないんですよ!? ピンチはチャンスです!!!」
「……そのピンチってお前が今肩から落ちそうなことか?」
なんか違うんじゃねーの? と熊。
その様子に一瞬呆気に取られていたフロリアンがハッとする。
「いけない……驚きすぎて見入ってしまったよ……やめさせないと……」
「こら馬鹿! そこの阿呆!!!」
「!?」
ルカスが怒鳴ると熊の上でミリヤムが振り返った。下の熊もびくっとした。
「あ、ぼっちゃ……」
振り返ったミリヤムは、一瞬フロリアンの顔を見て表情を曇らせた……が。その直後彼女は熊の上で絶叫した。
「ぎゃあああああああ!!!」
「!?」
その声にフロリアンも思わず身構える。しかし、そうしてフロリアンが一抹の気まずさに戸惑っている間に、ミリヤムは門番の肩の上から転がり落ちていた。
「ミ……っ!?」
その自らの安全を頭からすっぽぬかした様な着地のやり方に、フロリアンもルカスも慌ててそれに駆け寄る。
「ミリ、大丈夫!?」
「ぼ、ぼぼ……ぼ、坊ちゃま……」
「大丈夫、どこか打った?」
「なんでございますか、そのお姿はっ!?」
「……え?」
転がり落ちたかと思ったら、むくりと上半身を起こし悲壮な顔をつくる娘にフロリアンは動きを止める。ミリヤムは煤だらけの顔で青いんだか黒いんだか良く分らなかったが、兎に角血相を変えて己の主を凝視している。
「坊ちゃま……なぜ……そんな……泥、泥だらけにおなりで……!?」
「あ。ああ……これか……」
「おみ足が……ひぃっ、泥だらけ……っ、ぎゃー!!!!」
ルカスが半眼でため息をつく。
「今日我々は、先日の雨の折に周辺集落の傍で起こった土砂崩れの後処理に駆りだされたんだ。いちいち騒ぐな」
そう言うルカスも相当泥にまみれている。
「ぼ、坊ちゃまが、土砂崩れ……」
その言葉を聞いたミリヤムは意識をふっ飛ばしそうだったが、フロリアンは何てことないよ、と苦笑する。
「大丈夫だよミリ。とても充実していて楽しかった。皆さんも喜んでくださったし……」
しかしミリヤムは聞いていない。すっかり血の気の引いた顔で引き攣っている。
「坊ちゃまのご尊顔に泥、坊ちゃまのご尊顔に泥、坊ちゃまのご尊顔に泥……」
「そんなの大丈夫だから……」
と、フロリアンが言いかけた時、ミリヤムはおもむろに立ち上がった。そして目を大きく見開いて彼を見る。
「そんなのではありません! 充実も喜びも健康あってこそ!! 坊ちゃまが雑菌に汚染されたらどうするのです! は……そうだ! おふ、お風呂……お風呂ー!!!!」
ミリヤムは、驚くフロリアンの手を取って、砦に向かって駆け出した。ルカスが面倒くさそうにその後を追う。
残された熊の門番は──
「……あの染みどーすんの?」
と、呟いたとか。
「……おや?」
周辺集落の要請に応じ、外部に出かけていたフロリアンは、もうあと幾らも歩けば砦が見えるという辺りでふと足を止めた。共に歩いていたルカスもそれに気がつき彼が見下ろしている雪の上を見る。
「足跡でございますね……」
「……どうやら砦に来客のようだ」
彼等とは別の方向から伸びるその痕跡は随分な数がある。
「とても統率の取れた行軍のようだ。馬の蹄もあるね……どこかの貴人でもいらしたかな……」
「……」
フロリアンがそう言うと、それを聞いたルカスの眉が小さく跳ねる。フロリアンは供のその反応に首をかたむけた。
「ルキ? 何か知ってるの?」
「……」
「ルキ?」
黙りこんだ男にフロリアンが怪訝にもう一度その名を呼ぶと、ルカスは渋々と口を開いた。それはおそらく辺境伯の家の関係者だろうと。
「え……? お前が手紙を……?」
話を聞いたフロリアンはまだ距離のある砦の方を困った顔で窺った。ルカスはつんと取り澄ましている。
「あいつにはさっさと引導を渡した方が良いですから。現実は見せておかねば」
「そこまでしなくても……そんな告げ口のような事をするなんて……」
「悠長な事は言っていられません。これ以上あいつが深みにはまる前にひっぱり出しておかないと」
そう言いながらルカスが思い出すのは、先日の大浴場の一件だ。ヴォルデマーと共にその脱衣所で仲睦まじい様子でいた娘。二人で入ったわけではないと言い張ってはいたが、それは看過できない出来事だった。
ルカスはそれを主人に報告してはいなかったが、その思いつめたような顔にフロリアンは何かを察する。
「……そう、何か見たんだね……」
フロリアンは少し切なげに笑んで。その娘が居るであろう砦の方向を眺めた。
「……そうか……」
「……」
それからフロリアンは黙り込むルカスに視線を戻し、苦笑した。
「まあ……焦ってしまったのは、私も一緒だしね……」
そうして再び帰路を歩きだした彼等が門へと辿り着くと、そこはいやに賑やかだった。内側から活気のある喧騒が門の外まで洩れている。
「……あれ?」
「ん……?」
開門をその外側で待っていたフロリアンとルカスは、ふと気がついて首を傾げる。
「この声……」
「ぅおおおおおお!!!」
「!?」
「落ちる落ちる落ちる!!」
「おい馬鹿! あんまり無茶すんな!」
「だって……! あそこに!! あそこにどうしても取りたい汚れが……!! 一体全体どなた様があのような場所をお汚しに……熊様! もう少し! もう少し背伸びして!!」
「まじか! 俺背伸び苦手なんだけど……」
「背伸び苦手なんて初めて聞きました! もうす、こ、し……!! あー!!!」(ここで落ちたような音)
「!? 大丈夫か!? お前無茶すんなぁ……徹夜明けとか言ってなかったか?」
「なんのこれしき!! おかげ様で今この世で一番元気ですよ、わたくしは!! ははははは重力めー!!」
「目がいっちゃってんなー」
怖えー怖えー、という野太い声と、不気味にハイな笑い声に、外に立っていたフロリアン以下、ルカス、その他の侯爵家の兵団はしんと静まり返った。
「……フロリアン様、どうやら馬鹿がとち狂っております」(氷の瞳)
「ミリー……頭打たなかったかな……」
フロリアンはハラハラと、ルカスはイライラと、門が開くのを待った。それがやっと人の通れるくらいの隙間を作ると、フロリアンとルカスは慌てて中へと滑り込む。
「ミリ!?」
「……これは……?」
そこでは大々的な清掃活動が行なわれていた。
熊やその他の獣人達は、それぞれ壁を磨く者、えっほ、えっほと待機所の中に荷物を運び入れる者と──騒々しく行きかっている。ここへ来てから隊士達が掃除しているのを初めて見た二人は寸の間目を瞬いた。
「……珍しいね、どうしたんだろう」
「……フロリアン様……あそこに……」
ルカスが指す方向の城壁ぎわに、フロリアンは栗色の髪の娘の姿を見つけほっと安堵した。何やら落ちた音がしたが、とにかく彼女は無事なようだった。
しかし、何やらいつもより背が高い──と思ったら……ミリヤムは大柄な熊の門番の肩の上に立っていた。下にいる熊の門番に足を支えられながらデッキブラシを持つ手をぷるぷる震わせて、遥か頭上の城壁の汚れを狙っている。その様子はまるでサーカスの曲芸のようである。とても安定が良いとは言い難い。
「……」
「……」
「何もそんなとこまで掃除しなくてもいいんじゃないか?」
「何を馬鹿な! また奥方様に褒めて頂きたいんでしょう!? 奥方様はお帰りの際、また必ず此処をお通りになるではありませんか! そうしたらまた足を止めていただけるかもしれないんですよ!? ピンチはチャンスです!!!」
「……そのピンチってお前が今肩から落ちそうなことか?」
なんか違うんじゃねーの? と熊。
その様子に一瞬呆気に取られていたフロリアンがハッとする。
「いけない……驚きすぎて見入ってしまったよ……やめさせないと……」
「こら馬鹿! そこの阿呆!!!」
「!?」
ルカスが怒鳴ると熊の上でミリヤムが振り返った。下の熊もびくっとした。
「あ、ぼっちゃ……」
振り返ったミリヤムは、一瞬フロリアンの顔を見て表情を曇らせた……が。その直後彼女は熊の上で絶叫した。
「ぎゃあああああああ!!!」
「!?」
その声にフロリアンも思わず身構える。しかし、そうしてフロリアンが一抹の気まずさに戸惑っている間に、ミリヤムは門番の肩の上から転がり落ちていた。
「ミ……っ!?」
その自らの安全を頭からすっぽぬかした様な着地のやり方に、フロリアンもルカスも慌ててそれに駆け寄る。
「ミリ、大丈夫!?」
「ぼ、ぼぼ……ぼ、坊ちゃま……」
「大丈夫、どこか打った?」
「なんでございますか、そのお姿はっ!?」
「……え?」
転がり落ちたかと思ったら、むくりと上半身を起こし悲壮な顔をつくる娘にフロリアンは動きを止める。ミリヤムは煤だらけの顔で青いんだか黒いんだか良く分らなかったが、兎に角血相を変えて己の主を凝視している。
「坊ちゃま……なぜ……そんな……泥、泥だらけにおなりで……!?」
「あ。ああ……これか……」
「おみ足が……ひぃっ、泥だらけ……っ、ぎゃー!!!!」
ルカスが半眼でため息をつく。
「今日我々は、先日の雨の折に周辺集落の傍で起こった土砂崩れの後処理に駆りだされたんだ。いちいち騒ぐな」
そう言うルカスも相当泥にまみれている。
「ぼ、坊ちゃまが、土砂崩れ……」
その言葉を聞いたミリヤムは意識をふっ飛ばしそうだったが、フロリアンは何てことないよ、と苦笑する。
「大丈夫だよミリ。とても充実していて楽しかった。皆さんも喜んでくださったし……」
しかしミリヤムは聞いていない。すっかり血の気の引いた顔で引き攣っている。
「坊ちゃまのご尊顔に泥、坊ちゃまのご尊顔に泥、坊ちゃまのご尊顔に泥……」
「そんなの大丈夫だから……」
と、フロリアンが言いかけた時、ミリヤムはおもむろに立ち上がった。そして目を大きく見開いて彼を見る。
「そんなのではありません! 充実も喜びも健康あってこそ!! 坊ちゃまが雑菌に汚染されたらどうするのです! は……そうだ! おふ、お風呂……お風呂ー!!!!」
ミリヤムは、驚くフロリアンの手を取って、砦に向かって駆け出した。ルカスが面倒くさそうにその後を追う。
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