極度の男性恐怖症悪役令嬢は配役変更を希望します!

SAKURA

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第一章 極度の男性恐怖症な少女は悪役令嬢に転生する

第十六話 慣れない

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「あ、旦那さ………じゃなくてお父様」
「う、うん」
「………」
「………」

うぅ………この前は勢いで言えたけど普段だと慣れないぃぃぃ!!

「ユリア、おはよう」
「!おはようございますお母様!!」
「(´・ω・`)」

あ、お父様泣きそう………。
だって仕方ないじゃないですか………素直に恥ずかしいんですよ。
お母様はそこまで苦手じゃないので比較的言いやすいですが………。

「ねーさま!おはよ!」
「エリー、おはよう」
「………( ;∀;)」

あ………。

「なんで私じゃダメなんだぁぁぁぁぁ」
「あっお父様!!」

叫びながら走り出すお父様。

「お父様!廊下は走ってはあぶな………」

ゴン!!

「何をしてるんですか当主様」
「いたいっ!なにするんだキリム!」
「廊下は走ってはいけません。子供ですかあなたは!」
「そんなことないもん!大人だもん!」
「うわぁー………」
「そんなに引くことかい!?」
「良い大人………しかも男がもんって………」
「そういう決めつけが世の中を悪くするんだ!!」
「カッコいいこといってるみたいに言われても顔で台無しですからね!?」

確かに顔が涙と鼻水でぐしゃぐしゃすぎて………汚い。

「娘にも嫌われてる気がする!!」
「誰だってそうなりますよ!早く顔を洗ってきてください!!」
「(´・ω・`)」
「そんな顔してもダメですからね!?」
「………はい」

まぁ、なんだかんだと賑やかな日常です(苦笑)。

***

あの日以降私はユリアとして家族と仲良くしようと努力しています。
毎日食事には参加してますし、エリーと姉妹らしく敬語をはずすよう努力をしたり、お母様とお茶をしたり………とにかく頑張っているんです!
なのに………どうしてもお父様だけ上手くいかないんですよね………。
仲良くなるのって難しいです………。


「ねぇじいや。お父様と仲良くなるにはどうしたらいいと思う?」
「旦那様と………ですか?」
「うん。なんというか………前ほどに上手く会話ができないというか………」

本当にコミュニケーション能力皆無で申し訳ないです。

「無理に仲良くしようと考えずとも、お嬢様のペースでいいと思いますけどねぇ………」
「ですが………それだとまた逃げてしまいそうなので………」

「………お嬢様は旦那様がお嫌いですか?」

「………いいえ」

怖いと思ったときはあります。
でも、嫌いだとは思いません。
というより嫌いになれない………というのが正しいかもしれません。

「その気持ちがあれば大丈夫ですよ。ですがきっかけが欲しいのでしたらエイリアの日に贈り物をするというのはいかがでしょう?」
「エイリアの日………?」
「えぇ。この国の伝統的なお祭りです。女神イリア様に日頃の感謝と今後の縁を望むお祭りなんです。そのため、多くの者が大切な人にエイリアの花と共に感謝を贈る日で有名なんですよ」
「なるほど………確かにいいかも………!!ありがとう、じいや」
「いえいえ」
「さっそくいろいろ考えてみるわね!!」



***


「これがエイリアの花ですか………綺麗」

淡い黄色で花びらは五枚。
ユリのような厚みとひまわりのはなびらよりも広めな長い花びらが特徴。
儚くもどこか勇気をくれるようなそんな優しい花。
花言葉は………親愛。

「………」

そっと図鑑に描かれたエイリアを指で撫でる。
なぜかと言われてもそうしたくなったんです。

「とても………素敵な花です」

贈ろう。この花を。
私の大切な人たちに。
そして伝えたい。
数えきれない感謝と私の思いを。

「そうと決まったら行動ですね!」

そう意気込んで、私はそのための準備を始めるのでした………。

☆☆☆☆


お久しぶりです!長らくお待たせしてしまい大変申し訳ございません!
ちょっと風邪をこじらせてしまい………+結膜炎。
三日くらい死んでました………ごめんなさい。
3日間のブランクは大きかった………(泣)
一応今日から投稿再開いたします!
これからもよろしくお願いいたします!!

☆エイリアの日 解説
エイリアの日は父の日、母の日なんかを合わせたものだと考えていただければ!
モチーフはエイリアの花。
花を贈ったり、それをかたどったものを贈ったりするお祭りです。
家族、恋人、友人などが対象です。
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