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2度目の王子との対面
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皆さんこんにちは!
フレア・ティストリアになってしまった矢野 美智瑠です!
本日私は再び、あの場所へ向かっております。
そう…………
王宮です。
王子様といろいろお話をするそうです。
大丈夫かな?私………生きて帰ってこれるよね?
まぁ、リット先生もついてきてくれてるから大丈夫だよね!
「殿下、ティストリア公爵家のお三方をお連れしました」
と、大きな扉の前で執事服を来た人が言った。
私は最初は
(コスプレかな?)
と思った。
どうやらこの人は殿下?の従者らしい。
んで、その殿下があの王子様だそうです。
「入れ」
「はい、どうぞ」
と、扉を開けられる。
(うわぁ…………紳士だぁ………!!)
当然日本ではこういう人はいなかったため、物珍しくてついついじっと眺めてしまった。
「あ……あの…………なにか?」
「へ!?あ!すみません!つい珍しかったもので!」
「???」
「どうしたんですか、姉上。早く来て下さい。殿下を待たせる気ですか?」
「あ、ごめんなさい!!」
と、あわててリット先生の後を追った。
「珍しいな。お前があんなに毛嫌いしていたフレアを『姉』と呼ぶなんてな」
「殿下………!」
と、リット先生が片膝を立てて頭を下げた。
そしてこちらをチラリと見て目配せする。
(え?え?えーと………私もした方がいい?しろってことだよね?よし)
と、私はリット先生の真似をして膝を立てて座った。
「ちょっと!何してるんですか!?」
「え?だって真似しろって言われたから………」
「私は殿下に挨拶してくださいってアイコンタクトを送っただけなのに………!確かにそれは挨拶ですよ?でも男性用です!ちゃんと貴族の女性の作法をしてください!」
「いやだって知らないし………」
「はぁ!?って………あぁそうでした…………。あなたはフレアであってフレアじゃないんでしたね…………」
と、ガックリうなだれた。
(なんか1人で納得してる…………というか失礼な気がするのは気のせいかな!?ねぇ!!)
「フレアであってフレアじゃないだと?確かにあのときは様子がおかしいどころじゃなかったが………いったいどういうことだ?リット」
「はい。 “あの” 忌まわしいフレアはどうやら消えたようです」
「…………どういうことだ?」
「“この”フレアがなによりの証拠です。今ここにいるフレアはどうやら『ニホン』という別世界からやってきた『ヤノ ミチル』というものだそうです。私たちのことも記憶にないようでした。なにかの病気かと思い、病院にも参りましたが、結果は健康そのものでまったく異常はございませんでした」
(あの、とかこのとか………なんか酷くないですか扱いが。まぁ…………それもこの子の行いのせいだけど!!)
「ニホン…………イセカイ………だと…………。おいフレア」
「あ、はい!」
「私の名前はなんだ?」
「えーと………確か…………エル………エル………エル………」
「エルちゃん!」
「誰がエルちゃんだ!!」
「あれ?違うの?」
「なんでそんな名前に行き着いたのかこっちが聞きたい!!」
「え?エルちゃん可愛いでしょ?」
「男に可愛いとかいらねぇよ!!あと俺はエルちゃんじゃねぇ!『エルドランド・ドミニスト』だ!!」
「えじゃああってるじゃん。エルちゃんで」
「ど・こ・が・だよ!!」
「ほら、あだ名ってことで良いでしょ?」
「アダナ?」
「愛称愛称」
「なお悪いわ!!」
「はぁ…………はぁ…………」
「…………殿下。お疲れ様です」
「………確かにこいつはフレアじゃないな………フレアもフレアであれだったが………こいつもヤバイ………まさか俺を口論で引き出すだんて…………」
「大丈夫です。私も経験しましたから」
「………大変だったな」
「ありがたいお言葉です」
と、なぜか男性陣はお互いを労いあうなか、フレアは…………
(可愛いと思うんだけどなぁ………エルちゃん)
と、呑気に考えていたのだった…………。
フレア・ティストリアになってしまった矢野 美智瑠です!
本日私は再び、あの場所へ向かっております。
そう…………
王宮です。
王子様といろいろお話をするそうです。
大丈夫かな?私………生きて帰ってこれるよね?
まぁ、リット先生もついてきてくれてるから大丈夫だよね!
「殿下、ティストリア公爵家のお三方をお連れしました」
と、大きな扉の前で執事服を来た人が言った。
私は最初は
(コスプレかな?)
と思った。
どうやらこの人は殿下?の従者らしい。
んで、その殿下があの王子様だそうです。
「入れ」
「はい、どうぞ」
と、扉を開けられる。
(うわぁ…………紳士だぁ………!!)
当然日本ではこういう人はいなかったため、物珍しくてついついじっと眺めてしまった。
「あ……あの…………なにか?」
「へ!?あ!すみません!つい珍しかったもので!」
「???」
「どうしたんですか、姉上。早く来て下さい。殿下を待たせる気ですか?」
「あ、ごめんなさい!!」
と、あわててリット先生の後を追った。
「珍しいな。お前があんなに毛嫌いしていたフレアを『姉』と呼ぶなんてな」
「殿下………!」
と、リット先生が片膝を立てて頭を下げた。
そしてこちらをチラリと見て目配せする。
(え?え?えーと………私もした方がいい?しろってことだよね?よし)
と、私はリット先生の真似をして膝を立てて座った。
「ちょっと!何してるんですか!?」
「え?だって真似しろって言われたから………」
「私は殿下に挨拶してくださいってアイコンタクトを送っただけなのに………!確かにそれは挨拶ですよ?でも男性用です!ちゃんと貴族の女性の作法をしてください!」
「いやだって知らないし………」
「はぁ!?って………あぁそうでした…………。あなたはフレアであってフレアじゃないんでしたね…………」
と、ガックリうなだれた。
(なんか1人で納得してる…………というか失礼な気がするのは気のせいかな!?ねぇ!!)
「フレアであってフレアじゃないだと?確かにあのときは様子がおかしいどころじゃなかったが………いったいどういうことだ?リット」
「はい。 “あの” 忌まわしいフレアはどうやら消えたようです」
「…………どういうことだ?」
「“この”フレアがなによりの証拠です。今ここにいるフレアはどうやら『ニホン』という別世界からやってきた『ヤノ ミチル』というものだそうです。私たちのことも記憶にないようでした。なにかの病気かと思い、病院にも参りましたが、結果は健康そのものでまったく異常はございませんでした」
(あの、とかこのとか………なんか酷くないですか扱いが。まぁ…………それもこの子の行いのせいだけど!!)
「ニホン…………イセカイ………だと…………。おいフレア」
「あ、はい!」
「私の名前はなんだ?」
「えーと………確か…………エル………エル………エル………」
「エルちゃん!」
「誰がエルちゃんだ!!」
「あれ?違うの?」
「なんでそんな名前に行き着いたのかこっちが聞きたい!!」
「え?エルちゃん可愛いでしょ?」
「男に可愛いとかいらねぇよ!!あと俺はエルちゃんじゃねぇ!『エルドランド・ドミニスト』だ!!」
「えじゃああってるじゃん。エルちゃんで」
「ど・こ・が・だよ!!」
「ほら、あだ名ってことで良いでしょ?」
「アダナ?」
「愛称愛称」
「なお悪いわ!!」
「はぁ…………はぁ…………」
「…………殿下。お疲れ様です」
「………確かにこいつはフレアじゃないな………フレアもフレアであれだったが………こいつもヤバイ………まさか俺を口論で引き出すだんて…………」
「大丈夫です。私も経験しましたから」
「………大変だったな」
「ありがたいお言葉です」
と、なぜか男性陣はお互いを労いあうなか、フレアは…………
(可愛いと思うんだけどなぁ………エルちゃん)
と、呑気に考えていたのだった…………。
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