婚約破棄されるはずが……………

SAKURA

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ヒロイン『ドミニカ・ガーランド』

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どうして上手く行かないの…………。
私はただ彼に愛してほしかっただけなのに…………。
私だけを見て欲しかっただけなのに………。


“ 今のわたくし ”の名前は『ドニミカ・ガーランド』。
エル様に愛された少女。
フレアに恨まれて、死にまで追いやられた哀れな少女。
そして……“ 昔のわたくし ”の名前はフレア………ティストリア………。
わたくしは禁術を使って、わたくしとあの小娘の体を入れ換えた。
代償は……あの小娘の大切な思い出や記憶。
わたくしの代わりに彼女から代償を取った。
だってわたくしから代償として記憶を取られたら、意味がないじゃない。
禁術の後、あの小娘に精神魔法をかけた。
フレア・ティストリアを埋め込んだ。
そう、完璧だった。
わたくしの代わりにあの小娘が処刑されて、わたくしはエル様と一生幸せに暮らすはずだった…………。
なのに…………
断罪中にあろうことかあの小娘はドミニカ・ガーランドではない『誰か』になった。
そのせいで、わたくしとの婚約宣言については保留。
フレアに対しての罰に関しても保留になったのだ。
つまり、またあの憎らしい小娘のせいでわたくしの完璧なシナリオは破壊された。

どうしてよ!?なんでいつもいつもわたくしの邪魔をするのよ!なんでわたくしばかりが不幸になって、あいつは幸せになるのよ!わたくしが何をしたっていうのよ!体を取り替えてもなお!記憶を失ってもなお!どうしてなのよ!なんで上手く行かないの……。どうして…………わたくしばっかり…………。
わたくしはただエル様に愛してほしいだけなのに…………。
彼の愛がほしい。
わたくしだけを見てほしい。
わたくしの理想は…………愛は…………おかしいの…………?
わたくしがおかしいの…………?
そんなの…………あるはずない。
あり得ない。
わたくしはいつだって努力したもの。
エル様のために!
エル様にふさわしい女性になるために!!
いずれ彼を支える立派な妻になるために!!!
なのにどうしてわたくしの邪魔をするの……?
わたくしを認めてくれないの……?
いつだって……努力したのに……。
どうして…………?
エル様に愛してもらえるように頑張ったのに…………なんで…………どうして!
どうしてあんな平民が選ばれるのよ!
ぽっと出の平民の癖に!
突然割り込んできた癖に!
光の魔法が使えるからってだけでどうしてあの子ばかり…………
誉められて!愛されて!認められるのよ!
なんの努力もしてない癖に!
魔法だけしか取り柄がないくせに!
わたくしの方が何倍も努力したのに…………。
なんだってやってきたのに…………。
どうして……わたくしはあの子のように愛されないの?
お父様もお母様も……誰も誉めてくれないの?
認めてくれないの?
ただただ欲しかった……。
愛情が欲しかった。
エル様の婚約者になったら、お父様も認めてくれると思ったのに…………。
エル様に愛されると思ったのに……。
素敵な日々が送れると……そう思ったのに…………。
なのにどうして…………?
わたくしが何をしたと言うの…………?
わたくしは愛が貰えれば…………それでいいのに…………。
一人は嫌…………。
寂しいのも痛いのも苦しいの悲しいのも嫌…………。
誰かわたくしを見て…………。
わたくしだけを見て…………。
わたくしを愛して…………。
誰かわたくしを望んで…………。
わたくしを認めて…………。
わたくしに居場所をください…………。
誰でもいいから…………。
わたくしに……存在理由をください。
…………愛をください。
…………居場所をください
お願いだから…………。

誰か…………わたくしを………私を…………

『ちゃんと見てください…………』


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

皆さんこんにちは。SAKURAです。
悪役令嬢ってだいたい悪者扱いされて可哀想だなと思い、悪役令嬢はどんな思いなんだろうと思い、フレア(本当の)視点でのお話を書いてみました。
悪役令嬢はお話によって家族にも見放されたり、王子にも愛されていなかったり、元々道具のように思われていたりと………とことん不幸なんですよね。
そんな悪役令嬢はたくさん努力をしてたんでしょう。
だからこそ、ヒロインを邪険に思うんだろうなと筆者は思いました。
いきなり特別と言うだけで、周りにちやほやされて、モテてたらそりゃあ嫌ですよね。私くらいの努力もしてないくせに!とか思うんでしょうね。
まぁ、個人的な意見ですけどね。←←

今回のお話のようなことを思う人はこの世界にもたくさんいると思います。
誰だって、自分のことを周りに認めてほしいし、家族と上手くいっていない方は家族に愛されたい、認めてほしいと思うでしょう。
努力してるのに報われない、認めてもらえない……そんな人達がこの世界にはたくさんいます。
そういう人達がこの世界にいるってことを皆さんにも知ってほしいなと思ってこの小説を書きました。
偽善者のような筆者ですみません。
それでもフレアちゃんの思いを読んでみて、自分や周りにいるかもしれないこういう人達のことを少しでも考えてくれたらいいなと思いました。
また、今辛い方に少しでも今回のお話で気持ちが楽になってくれたらいいなと思いました。

なんかよくわかんないこと言い出してすみません。
以上、筆者でした。
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