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私が助けるから
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バシュッ__
「っ!?」
慌てて避ける悪魔。
「コンドハ……ナニ……?」
「ドミニカ……!?」
その呼び掛けに“ 私 ”はニヤリと笑った。
そして答えた。
「残念でした~私はドミニカちゃんじゃありませぇ~ん」
「「なっ!?」」
「お前は………」
「まさか………」
「ふっふっふ~やほやほ~二人とも待たせたね~!みんな大好き美智瑠ちゃんですよ~?エルちゃんもリット先生も元気してた~?」
と、ドヤ顔を決める私。
その反応にポカーンとだらしなく口を開ける三人。
「ちょっとちょっと~その反応は酷くないかい?せっかく助けに来てあげたってのに~」
「誰が助けろと言った!第一なぜお前が出てくるんだ!ドミニカはどうした!」
「はいはい、ちょっと答えるから待ってってば。まずドミニカについては選手交替ってことで前みたいな状態。まぁでも眠ってはないと思うよ?まぁ、眠ってもらったら困るけど」
「じゃあドミニカが消えることはないんですね……?」
「うん。それはないと思うよ。ドミニカに体の支配権を取られてたけど私もちゃんと存在してたしね」
「そうか…………」
ほっとため息をつく二人。
(相っ変わらずドミニカ中心なことで……)
と、私は内心呆れていた。
「ですが、なぜ無関係のあなたがわざわざ戦場に出てきたのかが理解できません。引っ込んでれば無事だったでしょう?どうしてあなたがドミニカと入れ替わってでも出てきたんですか?」
「そりゃあ二人を助けるために決まってんじゃん。これでも世話になったんだし、あっちでもここでのことは見えてたからね。というかすっごい周りにもやついてるけど、リット先生だよね?随分と情けないお姿で…………それじゃあ説得力皆無だよ?」
「っ!?……耳のいたい話です」
「全く情けないな~ほいっと」
「「「…………!?」」」
「視界が……!」
「イッタイ……ナニヲ…………」
私が手をかざすといとも簡単にリット先生にへばりついていた闇が消えた。
それを見て私はあることを確信し、ニヤリと笑った。
「それじゃあ私はこの二人とお話があるから、悪魔さんはちょっと大人しくしててね?」
そう告げ、念じると途端に悪魔の体は見えないなにかで拘束される。
「ナッ!?オマエ……ナニヲシタ…………」
「答えるつもりはないよ。あとおしゃべり禁止~」
「……ッ!?」
喋れずに、百面相をしている悪魔を放置して、再び彼らと対面した。
「それで、いったいどうしてこうなったわけ?あとすっごい今さらなんだけどさ、どうして三人だけでこんな無謀な戦いしてたわけ?最初は無理だったとしてもさ~途中で勝てないことぐらいわかるでしょ?その時点で逃げようよ。大人呼ぶとかしようよ。そんなに死にたいの?ねぇ馬鹿なの?」
「はぁ!?俺達が馬鹿だと!?」
「さすがにあなたに馬鹿と言われるのは心外です」
「え!?酷くない!?……でも事実でしょ?実際勝てなかったんだから今こうなってるんじゃん。むしろこっちとしては感謝して欲しいくらいなんだけど?今にも殺されそうな二人を見事に助けたんだからさ!」
「……そんなの余計なお世話だ」
「あらあらまぁまぁ……今日は随分と頑固ですねぇ~家のエルちゃん達は。お母さんはそんな子に育てた覚えはありませんよ!?」
「だから誰がエルちゃんだ!!あといつ俺がお前の息子になった!!」
「あら~反抗期かしら……お母さん悲しいわ」
「おいお前……いい加減にしろよ……?こんな状況でふざけるのは大概にしろ」
と、エルちゃんがピキピキ状態になる。
(おっと……煽りすぎたかな?)
「おお怖い怖い。てか最初と態度違いすぎない?ピリピリしてない?イラついてます?私煽りすぎた?だったらごめんごめんw怒っちゃった?」
「おいリット……全く誠意が感じないんだが……」
「大丈夫です、殿下。私も同じです」
「全く今日は二人ともノリが悪いなぁ~。ま、いいや。それじゃあお遊びはこれくらいにして、そろそろ反撃しますか!」
「おい!お前が始めたんだろうが!勝手にこっちのせいにするな!」
「というかあなた……戦う気なんですか?あんな化け物と……」
「ん~まぁなんとかなるでしょ」
「そんな無茶苦茶な……」
「お前には無理だ!下がってろ!俺達でやる!」
「え~やられっぱなしで今にも殺られそうだった君達に言われてもねぇ…」
「なっ!?お……お前に何がわかる!」
「わかるわけないじゃん。私はエルちゃんじゃないし、こっちの人でもないんだから。でも、子供だけで戦闘ってどうかと思うよ?いくら腕に自信があったとしてもさ。そんなのただの自殺行為だよ」
と、無意識に視線を鋭くしていった。
「…………っ」
それに珍しく動揺し、後退するエルちゃん。
「エルちゃんとリット先生は確かに戦闘経験あるかもしれないけどさーそれでもまだ子供なんだし、大人と比べたらまだまだでしょ?特にドミニカなんてただ見てるだけ、守られてるだけで完全に足手まといだったし。あの子、いる意味あった?」
「足手まといって……ドミニカに失礼だろ!」
「じゃあ逆に聞くけど、ドミニカになにができたわけ?あの子はエルちゃんたちが戦ってる間援護とかした?してないよね?それっている意味ないでしょ?むしろ安全を第一にするなら連れてこないほうが良かったんじゃないの?少なくとも私はそうおもうけど?」
「…………」
(返答なし………か。いやー論破って気持ちいわー!でもなんかドミニカのこといってるとムカついてきたわ。この際はっきりいっとくか!)
「あとさ~、ドミニカみたいになんにもしないで守られっぱなしな人って私……大っ嫌いなんだよね」
「「はぁ!?」」
(お、やっと反応が。おかえり二人とも)
「お前いきなり何を……仮にも自分の生まれ変わりだろ!?」
「えーだってなんか見ててムカついたから」
「よくそんなこと言えますね!?ドミニカが可愛そうですよ!」
「はーい!贔屓ってよくないと思いまーす!てか、我ながらドミニカについてはほんと見てて呆れたけど。まさかあんなに腐ってたとはおもわなかったよ………」
と、私は呑気に笑いながら呆れを含ませて言った。
「お前いい加減に………!」
と、説教をかまそうとするエルちゃんに。
「いい加減にするのはそっちだよ。エルドランド殿下様?」
「………は?」
(さぁ!説教タイムだよ、エルちゃん!説教されるのは君だ!)
「お前…………俺の名前ちゃんと覚えてたのか…………?」
「気にするとこそこ!?そこなの!?いくらなんでもそんくらい覚えてるよ!呼ばないだけで!」
「呼べよ!てかお前最初『覚えてなかったてへ』みたいなことほざいてたくせに今更なにいってんだよ!」
「どんだけアホ認識されてたの私!?……てこんなこといってる場合じゃないや」
「そうだな……」
(説教しようと思っただけなのにどうしてこうも話がそれるのかな~……?)
「とにかく!話を戻すよ!?まずエルちゃん!」
「な……なんだよ…………」
「仮にも未来の国王候補が大好きなドミニカちゃんを守るために自分を犠牲にしていいと思ってんの?カッコつけるのは勝手だけど、次期国王様であるエルちゃんが死んじゃったらどうするわけ?その辺考えてる?本来なら守られる立場は君なんだよ?エルちゃん」
「………!なんで俺がお前に説教されてるんだよ!それに俺は次期国王としてこの行動を…………!」
「次期国王だから自ら犯罪者捕まえなきゃいけないわけ?しかも凶悪なやつ。次期国王様なら人を使う人間になりなよ。それが本来の国王様ってやつでしょ?それともなに?あんたのお父様は毎回毎回犯罪者を自ら捕らえにいってるわけ?違うでしょ?あんたはただ大好きなか~わいいドミニカちゃんにいいとこ見せたいだけでしょ?自分が死んだときのことも考えてないで行動してるあんたはただの大馬鹿者だよ。エルちゃん?」
「……っ!?」
「それに、ドミニカが『誰か……助けて…………!!』とかほざいてたけど、本来ならドミニカがエルちゃんの間に自ら割って入ってれば、エルちゃんを助けられてた。でもあの子はそれをしなかった。なんでかわかる?自分が死にたくないからだよ。あの子は自分で行動しないでただただ周りに助けを求める甘ちゃんなんだよ。本来ならあの子は自分達の次期指導者であるエルちゃんを助けなきゃいけない立場だった。自分が死ぬことになってでもね……。でもあの子はそれをしなかった。それが真実だよ。いい加減認めなよ。あの子はエルちゃん達よりも自分が一番可愛いんだよ。もし私が出てこなかったらあんたらは死んでたんだからね?そんでフレアちゃんの偽物に殺られてお陀仏になってた。むしろ感謝してほしいよね、間一髪でエルちゃんを助けたんだから。いい加減現実見なよ。あの子は自分が可愛いだけのただの弱虫。エルちゃん達よりも自分が一番大切な自己チューなんだよ」
「だが!」
「いい加減自覚して。次期国王様であるエルちゃんが死んだらこの国は終わるってことをね」
「………」
「エルちゃんはそこらへんよく考えて反省すること!はい次リッちゃん!」
「リッちゃん!?」
「嫌だってこんな馬鹿を先生扱いするのもどうかと思ったから」
「馬鹿って失礼すぎませんかね!?」
「リッちゃんは馬鹿だよ。正真正銘のね。あなたはなにもわかってない。わかろうともしなかった。偽りの“事実”しか信じない。物事をちゃんと見て、理解して、見極めないあなたは……ただの馬鹿だよ」
「なにを……!!」
「嘘つきなドミニカのことばかりを信じて、実の姉に対しては噂や偽りの“事実”ばかりを信じて、向き合おうともしなかった。そんなあなたにフレアちゃんのことを愚弄する資格はないよ」
「……!」
(さて、言いたいこといった。あとは……)
「さ~てと、それじゃあ次期国王様のエルちゃんとお馬鹿なリット先生はそこで守られててね~。超優秀☆な美智瑠ちゃんにまっかせなさ~い。という訳で待たせちゃってごめんね~?フレアちゃんの偽物さん」
(やっぱり破られてるか……)
フレアちゃんの偽者は先ほど魔法を破ったらしく平然とそこにたっていた。
「……!!…………何ヲ言ッテルノ……?ワタシハフレア。可哀想ナフレアダヨ?」
私の発言に一瞬驚いたが、すぐ平然とそう言うフレアの偽者。
「うっわ~自分で可哀想って……引くわ~。でもあなたはフレアちゃんじゃないよ。あなたは悪魔。今までの事件の元凶。傷ついてたフレアちゃんをそそのかして操った卑怯者の悪魔だよ」
(だって私は見ていたもの。フレアちゃんの全てを…………)
「…………」
「なんだと!?」
(あ、おかえりエルちゃん)
しばらく沈黙していた悪魔だが、やがてやれやれと呆れたように笑って口を開いた。
「バレチャッテタナラ仕方ナイネ……ソウダヨボクハ“ 悪魔 ”。デモ『操った』ッテ言うノハ訂正シテ欲シイカナ。ダッテボクハフレアノノゾミヲカナエルテダスケヲシタダケダモノ」
「あっそうですか~。ま、でも……ずるいドミニカと違って、私はフレアちゃんのこと……結構好きなんだよね。だから……」
「フレアちゃんのこと返してもらうよ?悪魔さん」
そう、私は言った。
(待っててねフレアちゃん。絶対私が助けるから……!!)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
はいどーも皆さんこんにちは!
SAKURAです!
ついに戻ってきたよ美智瑠ちゃんが!
おかえりみちるん!みんな君を待ってたよ!主に私が!!!
ひっさびさのコメディー入れて楽しかったです!
やっぱりこうでないとね!
シリアスぶち壊しまくりましたが、後悔はしてません!!ドヤッ!((((殴
というわけで、次回は超優秀☆な美智瑠ちゃんの戦闘シーンですよ!いぇいいぇいぱふぱふ~
さてさてどうなるのか……楽しみですね!
それではまた次回!お会いできることを楽しみにしてます!
それでは!
「っ!?」
慌てて避ける悪魔。
「コンドハ……ナニ……?」
「ドミニカ……!?」
その呼び掛けに“ 私 ”はニヤリと笑った。
そして答えた。
「残念でした~私はドミニカちゃんじゃありませぇ~ん」
「「なっ!?」」
「お前は………」
「まさか………」
「ふっふっふ~やほやほ~二人とも待たせたね~!みんな大好き美智瑠ちゃんですよ~?エルちゃんもリット先生も元気してた~?」
と、ドヤ顔を決める私。
その反応にポカーンとだらしなく口を開ける三人。
「ちょっとちょっと~その反応は酷くないかい?せっかく助けに来てあげたってのに~」
「誰が助けろと言った!第一なぜお前が出てくるんだ!ドミニカはどうした!」
「はいはい、ちょっと答えるから待ってってば。まずドミニカについては選手交替ってことで前みたいな状態。まぁでも眠ってはないと思うよ?まぁ、眠ってもらったら困るけど」
「じゃあドミニカが消えることはないんですね……?」
「うん。それはないと思うよ。ドミニカに体の支配権を取られてたけど私もちゃんと存在してたしね」
「そうか…………」
ほっとため息をつく二人。
(相っ変わらずドミニカ中心なことで……)
と、私は内心呆れていた。
「ですが、なぜ無関係のあなたがわざわざ戦場に出てきたのかが理解できません。引っ込んでれば無事だったでしょう?どうしてあなたがドミニカと入れ替わってでも出てきたんですか?」
「そりゃあ二人を助けるために決まってんじゃん。これでも世話になったんだし、あっちでもここでのことは見えてたからね。というかすっごい周りにもやついてるけど、リット先生だよね?随分と情けないお姿で…………それじゃあ説得力皆無だよ?」
「っ!?……耳のいたい話です」
「全く情けないな~ほいっと」
「「「…………!?」」」
「視界が……!」
「イッタイ……ナニヲ…………」
私が手をかざすといとも簡単にリット先生にへばりついていた闇が消えた。
それを見て私はあることを確信し、ニヤリと笑った。
「それじゃあ私はこの二人とお話があるから、悪魔さんはちょっと大人しくしててね?」
そう告げ、念じると途端に悪魔の体は見えないなにかで拘束される。
「ナッ!?オマエ……ナニヲシタ…………」
「答えるつもりはないよ。あとおしゃべり禁止~」
「……ッ!?」
喋れずに、百面相をしている悪魔を放置して、再び彼らと対面した。
「それで、いったいどうしてこうなったわけ?あとすっごい今さらなんだけどさ、どうして三人だけでこんな無謀な戦いしてたわけ?最初は無理だったとしてもさ~途中で勝てないことぐらいわかるでしょ?その時点で逃げようよ。大人呼ぶとかしようよ。そんなに死にたいの?ねぇ馬鹿なの?」
「はぁ!?俺達が馬鹿だと!?」
「さすがにあなたに馬鹿と言われるのは心外です」
「え!?酷くない!?……でも事実でしょ?実際勝てなかったんだから今こうなってるんじゃん。むしろこっちとしては感謝して欲しいくらいなんだけど?今にも殺されそうな二人を見事に助けたんだからさ!」
「……そんなの余計なお世話だ」
「あらあらまぁまぁ……今日は随分と頑固ですねぇ~家のエルちゃん達は。お母さんはそんな子に育てた覚えはありませんよ!?」
「だから誰がエルちゃんだ!!あといつ俺がお前の息子になった!!」
「あら~反抗期かしら……お母さん悲しいわ」
「おいお前……いい加減にしろよ……?こんな状況でふざけるのは大概にしろ」
と、エルちゃんがピキピキ状態になる。
(おっと……煽りすぎたかな?)
「おお怖い怖い。てか最初と態度違いすぎない?ピリピリしてない?イラついてます?私煽りすぎた?だったらごめんごめんw怒っちゃった?」
「おいリット……全く誠意が感じないんだが……」
「大丈夫です、殿下。私も同じです」
「全く今日は二人ともノリが悪いなぁ~。ま、いいや。それじゃあお遊びはこれくらいにして、そろそろ反撃しますか!」
「おい!お前が始めたんだろうが!勝手にこっちのせいにするな!」
「というかあなた……戦う気なんですか?あんな化け物と……」
「ん~まぁなんとかなるでしょ」
「そんな無茶苦茶な……」
「お前には無理だ!下がってろ!俺達でやる!」
「え~やられっぱなしで今にも殺られそうだった君達に言われてもねぇ…」
「なっ!?お……お前に何がわかる!」
「わかるわけないじゃん。私はエルちゃんじゃないし、こっちの人でもないんだから。でも、子供だけで戦闘ってどうかと思うよ?いくら腕に自信があったとしてもさ。そんなのただの自殺行為だよ」
と、無意識に視線を鋭くしていった。
「…………っ」
それに珍しく動揺し、後退するエルちゃん。
「エルちゃんとリット先生は確かに戦闘経験あるかもしれないけどさーそれでもまだ子供なんだし、大人と比べたらまだまだでしょ?特にドミニカなんてただ見てるだけ、守られてるだけで完全に足手まといだったし。あの子、いる意味あった?」
「足手まといって……ドミニカに失礼だろ!」
「じゃあ逆に聞くけど、ドミニカになにができたわけ?あの子はエルちゃんたちが戦ってる間援護とかした?してないよね?それっている意味ないでしょ?むしろ安全を第一にするなら連れてこないほうが良かったんじゃないの?少なくとも私はそうおもうけど?」
「…………」
(返答なし………か。いやー論破って気持ちいわー!でもなんかドミニカのこといってるとムカついてきたわ。この際はっきりいっとくか!)
「あとさ~、ドミニカみたいになんにもしないで守られっぱなしな人って私……大っ嫌いなんだよね」
「「はぁ!?」」
(お、やっと反応が。おかえり二人とも)
「お前いきなり何を……仮にも自分の生まれ変わりだろ!?」
「えーだってなんか見ててムカついたから」
「よくそんなこと言えますね!?ドミニカが可愛そうですよ!」
「はーい!贔屓ってよくないと思いまーす!てか、我ながらドミニカについてはほんと見てて呆れたけど。まさかあんなに腐ってたとはおもわなかったよ………」
と、私は呑気に笑いながら呆れを含ませて言った。
「お前いい加減に………!」
と、説教をかまそうとするエルちゃんに。
「いい加減にするのはそっちだよ。エルドランド殿下様?」
「………は?」
(さぁ!説教タイムだよ、エルちゃん!説教されるのは君だ!)
「お前…………俺の名前ちゃんと覚えてたのか…………?」
「気にするとこそこ!?そこなの!?いくらなんでもそんくらい覚えてるよ!呼ばないだけで!」
「呼べよ!てかお前最初『覚えてなかったてへ』みたいなことほざいてたくせに今更なにいってんだよ!」
「どんだけアホ認識されてたの私!?……てこんなこといってる場合じゃないや」
「そうだな……」
(説教しようと思っただけなのにどうしてこうも話がそれるのかな~……?)
「とにかく!話を戻すよ!?まずエルちゃん!」
「な……なんだよ…………」
「仮にも未来の国王候補が大好きなドミニカちゃんを守るために自分を犠牲にしていいと思ってんの?カッコつけるのは勝手だけど、次期国王様であるエルちゃんが死んじゃったらどうするわけ?その辺考えてる?本来なら守られる立場は君なんだよ?エルちゃん」
「………!なんで俺がお前に説教されてるんだよ!それに俺は次期国王としてこの行動を…………!」
「次期国王だから自ら犯罪者捕まえなきゃいけないわけ?しかも凶悪なやつ。次期国王様なら人を使う人間になりなよ。それが本来の国王様ってやつでしょ?それともなに?あんたのお父様は毎回毎回犯罪者を自ら捕らえにいってるわけ?違うでしょ?あんたはただ大好きなか~わいいドミニカちゃんにいいとこ見せたいだけでしょ?自分が死んだときのことも考えてないで行動してるあんたはただの大馬鹿者だよ。エルちゃん?」
「……っ!?」
「それに、ドミニカが『誰か……助けて…………!!』とかほざいてたけど、本来ならドミニカがエルちゃんの間に自ら割って入ってれば、エルちゃんを助けられてた。でもあの子はそれをしなかった。なんでかわかる?自分が死にたくないからだよ。あの子は自分で行動しないでただただ周りに助けを求める甘ちゃんなんだよ。本来ならあの子は自分達の次期指導者であるエルちゃんを助けなきゃいけない立場だった。自分が死ぬことになってでもね……。でもあの子はそれをしなかった。それが真実だよ。いい加減認めなよ。あの子はエルちゃん達よりも自分が一番可愛いんだよ。もし私が出てこなかったらあんたらは死んでたんだからね?そんでフレアちゃんの偽物に殺られてお陀仏になってた。むしろ感謝してほしいよね、間一髪でエルちゃんを助けたんだから。いい加減現実見なよ。あの子は自分が可愛いだけのただの弱虫。エルちゃん達よりも自分が一番大切な自己チューなんだよ」
「だが!」
「いい加減自覚して。次期国王様であるエルちゃんが死んだらこの国は終わるってことをね」
「………」
「エルちゃんはそこらへんよく考えて反省すること!はい次リッちゃん!」
「リッちゃん!?」
「嫌だってこんな馬鹿を先生扱いするのもどうかと思ったから」
「馬鹿って失礼すぎませんかね!?」
「リッちゃんは馬鹿だよ。正真正銘のね。あなたはなにもわかってない。わかろうともしなかった。偽りの“事実”しか信じない。物事をちゃんと見て、理解して、見極めないあなたは……ただの馬鹿だよ」
「なにを……!!」
「嘘つきなドミニカのことばかりを信じて、実の姉に対しては噂や偽りの“事実”ばかりを信じて、向き合おうともしなかった。そんなあなたにフレアちゃんのことを愚弄する資格はないよ」
「……!」
(さて、言いたいこといった。あとは……)
「さ~てと、それじゃあ次期国王様のエルちゃんとお馬鹿なリット先生はそこで守られててね~。超優秀☆な美智瑠ちゃんにまっかせなさ~い。という訳で待たせちゃってごめんね~?フレアちゃんの偽物さん」
(やっぱり破られてるか……)
フレアちゃんの偽者は先ほど魔法を破ったらしく平然とそこにたっていた。
「……!!…………何ヲ言ッテルノ……?ワタシハフレア。可哀想ナフレアダヨ?」
私の発言に一瞬驚いたが、すぐ平然とそう言うフレアの偽者。
「うっわ~自分で可哀想って……引くわ~。でもあなたはフレアちゃんじゃないよ。あなたは悪魔。今までの事件の元凶。傷ついてたフレアちゃんをそそのかして操った卑怯者の悪魔だよ」
(だって私は見ていたもの。フレアちゃんの全てを…………)
「…………」
「なんだと!?」
(あ、おかえりエルちゃん)
しばらく沈黙していた悪魔だが、やがてやれやれと呆れたように笑って口を開いた。
「バレチャッテタナラ仕方ナイネ……ソウダヨボクハ“ 悪魔 ”。デモ『操った』ッテ言うノハ訂正シテ欲シイカナ。ダッテボクハフレアノノゾミヲカナエルテダスケヲシタダケダモノ」
「あっそうですか~。ま、でも……ずるいドミニカと違って、私はフレアちゃんのこと……結構好きなんだよね。だから……」
「フレアちゃんのこと返してもらうよ?悪魔さん」
そう、私は言った。
(待っててねフレアちゃん。絶対私が助けるから……!!)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
はいどーも皆さんこんにちは!
SAKURAです!
ついに戻ってきたよ美智瑠ちゃんが!
おかえりみちるん!みんな君を待ってたよ!主に私が!!!
ひっさびさのコメディー入れて楽しかったです!
やっぱりこうでないとね!
シリアスぶち壊しまくりましたが、後悔はしてません!!ドヤッ!((((殴
というわけで、次回は超優秀☆な美智瑠ちゃんの戦闘シーンですよ!いぇいいぇいぱふぱふ~
さてさてどうなるのか……楽しみですね!
それではまた次回!お会いできることを楽しみにしてます!
それでは!
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