18 / 21
帰還
しおりを挟む
目が覚めると再び真っ白な世界にいた。
「戻って……きた……のかな…………?」
つまり私はフレアのすべてを見終わったということだろう。
いまいち時間の感覚が分からない。
今、現実はどんな状況なのだろう。
そう思えば、再びあの水晶玉が現れた。
私はそこに写った光景に絶句した。
「なに………これ…………」
そこには、悪魔の象徴である角と羽をはやしたフレアらしき女性と、傷だらけのエルドラントとリットルらしき人物。
座り込みながらその光景を見続けるドミニカ。
彼らの周りにはところどころに死体があった。
「いったい何が………!?」
そう叫んだ。
だが、私の干渉できない“外”で時間は進み続ける。
傷が増えていくエルドラント。
リットルもドミニカもなにもしない。
ただ、呆然としてるだけ。
無力な人達。
私も……その一人だ。
(また私は………なにもできないの………?見てるだけしかできないの………?)
無力な自分を恨んだ。
もっと自分に力があれば………!
心から望んだ。
ずっと欲しかったもの。
力がほしかった。
“運命”に抗える力が……。
「力が……欲しい……」
ポツリと呟いた。
でも……今欲しいのはその力じゃない。
もう……どうでもいい。
私が欲しい力は……。
「みんなを……助けられる力が欲しい!!」
望む。
叫ぶ。
叶うのすらも分からない。
それでも望んだ。
願った。
ずっと叶わなかった願い。
新たな願い。
今度こそ叶うことを信じて……。
その時……
『__あるよ』
一つの“声”が響いた。
「誰っ!?」
『あなたにはもうある。あなたが望む力が__』
(どういうこと……?訳が分からない)
『あなたはイレギュラーな存在だから__』
(イレギュラー……?)
『本来なら××は存在してないはずなのに__』
「!?どうして………あなたがその名前を………」
『今回のことはこちら側の責任。本来なら起こらなかったはずのバグ___』
「ちょっと待ってよ!もっと詳しく!!」
『あなたならできるよ。あなたにはそのチートがある。それを使えば、この世界を元に戻すことができる。現実に戻せるはずだよ。あの子じゃなく、あなたこそがそれをできるのだから……。だからお願い。この世界を変えて。元の現実に……世界に。ここはゲームじゃない………“現実”なのだから__』
「ねぇどういうことなの!?力って………」
『あとはお願いね。矢野 美智瑠さん__』
そうして、“不思議な声”が再び響くことはなかった。
「なんで………私の名前を………?彼女の名前だって………なんで知って………」
分からないことだらけ。
少しずつ……整理をしていていく。
あの声が言った意味。
考えて、考えて……。
「まさか……あの子が…………?」
そうだ。最初からおかしかった。
ドミニカはどうして私が覚えていないことを知っていたのか
思考していくことで、合わさるピース。
なにかが見えた気がした。
「そうか…………そういうことか」
と、納得した。
理解した。
(戻さないと……。あの子によって引っ掻き回された現実を)
そう決意したその時……。
『……お願い!誰か………助けて………!!』
一つの声が響いた。
ドミニカだ。
(まさかあんたに再び会うことになるとはね……相変わらず救いようのないお馬鹿さんだわ)
水晶には、今にも殺されそうな王子。
ヒロインであるはずの彼女はそれを黙ってみて、助けを呼ぶだけ。
こいつはどこまで腐れば気がすむのだろうか。
助けを求めるんじゃなくて、すぐに王子の前に立ちふさがれば彼は救えるじゃないか。
でも、王子を殺されるのはまずいし、フレアを助けられなくなるかもしれない。
(だから……行かないと………)
大丈夫。私にはできるはず。
その力があるはずだから……。
「私を……外へ……」
そう呟くと、私の身体は輝きだした。
(あの子のSOSを受けるのは癪だけど、これも仕方ない……か)
でも、最後にこれだけは言わせてもらおう。
「私……あなたみたいな人、大っ嫌い」
満面の笑みで私はドミニカに言ってやった。
そうして私の意識は外へ浮上していったのだった。
その光景を見続けるものがいた。
“彼女”は消えていく美智瑠を見つめていた。
『ごめんね……。最後まで、あなたに押し付けることになっちゃったね……』
(本来なら……私がやらなければいけないことだったはずなのに……)
でもできない。
自分は見守ることしかできないから。
彼女に力を与えることで精一杯だったから。
思えば、どこまでもあわれな少女だった。
結局、彼女に幸せは訪れなかった。
でも、どこまでも優しかった少女だった。
いつも笑っていた。
その下に眠る感情には、最後まで誰も気づくことはなかった。
それでも、彼女は笑顔を浮かべて生きた。
お人好しで、自らの命と引き換えに少女を助けた憐れな子だった。
(せめて、この世界では幸せに生きて欲しいと思ったのにな……)
でも邪魔が入ったせいでそれすら叶わなかった。
どうか今度こそ幸せになって欲しい。
本当の世界で……本来のあなたで……。
私は微笑み、静かに告げた。
『大丈夫だよ。あなたならきっとできるから。救えるから……。だってあなたこそが』
『本来のヒロインなのだから………』
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
はいはーい!どーも皆さんこんにちは!
なんかいろいろ伏線?張りすぎてどうしてこうなった\(^o^)/状態のSAKURAさんです!
いや~ほんとどうしてこうなった\(^o^)/
即興って怖いね!でも構成考えるのもめんどくさくて……(言い訳乙)
だが後悔はしていない!(キリッ)
まぁちゃんと答え合わせ?はするから!
てか、本当にこれ短編なのか……とちょっと怖くなってます!
11月中に終わるのだろうか……((((;゜Д゜)))ガタガタ
まぁやるしかないね!うん!(ポジティブ)
というわけで、なんかハチャメチャ展開になってますが、今後も読んでいただけると嬉しいです!
完結までもうしばらくお付き合いしていただけると……(^_^;)(汗)
というわけで、いよいよ美智瑠はんのフレア救出編入る……かな?
まぁ入ると思います!
入らなかったらごめんなさい!
はたしてフレアちゃんは無事救うことができるのか!
美智瑠ちゃんは何者だったのか!
真実はどうなるのか!
お楽しみに!
それでは以上!SAKURAでした!
「戻って……きた……のかな…………?」
つまり私はフレアのすべてを見終わったということだろう。
いまいち時間の感覚が分からない。
今、現実はどんな状況なのだろう。
そう思えば、再びあの水晶玉が現れた。
私はそこに写った光景に絶句した。
「なに………これ…………」
そこには、悪魔の象徴である角と羽をはやしたフレアらしき女性と、傷だらけのエルドラントとリットルらしき人物。
座り込みながらその光景を見続けるドミニカ。
彼らの周りにはところどころに死体があった。
「いったい何が………!?」
そう叫んだ。
だが、私の干渉できない“外”で時間は進み続ける。
傷が増えていくエルドラント。
リットルもドミニカもなにもしない。
ただ、呆然としてるだけ。
無力な人達。
私も……その一人だ。
(また私は………なにもできないの………?見てるだけしかできないの………?)
無力な自分を恨んだ。
もっと自分に力があれば………!
心から望んだ。
ずっと欲しかったもの。
力がほしかった。
“運命”に抗える力が……。
「力が……欲しい……」
ポツリと呟いた。
でも……今欲しいのはその力じゃない。
もう……どうでもいい。
私が欲しい力は……。
「みんなを……助けられる力が欲しい!!」
望む。
叫ぶ。
叶うのすらも分からない。
それでも望んだ。
願った。
ずっと叶わなかった願い。
新たな願い。
今度こそ叶うことを信じて……。
その時……
『__あるよ』
一つの“声”が響いた。
「誰っ!?」
『あなたにはもうある。あなたが望む力が__』
(どういうこと……?訳が分からない)
『あなたはイレギュラーな存在だから__』
(イレギュラー……?)
『本来なら××は存在してないはずなのに__』
「!?どうして………あなたがその名前を………」
『今回のことはこちら側の責任。本来なら起こらなかったはずのバグ___』
「ちょっと待ってよ!もっと詳しく!!」
『あなたならできるよ。あなたにはそのチートがある。それを使えば、この世界を元に戻すことができる。現実に戻せるはずだよ。あの子じゃなく、あなたこそがそれをできるのだから……。だからお願い。この世界を変えて。元の現実に……世界に。ここはゲームじゃない………“現実”なのだから__』
「ねぇどういうことなの!?力って………」
『あとはお願いね。矢野 美智瑠さん__』
そうして、“不思議な声”が再び響くことはなかった。
「なんで………私の名前を………?彼女の名前だって………なんで知って………」
分からないことだらけ。
少しずつ……整理をしていていく。
あの声が言った意味。
考えて、考えて……。
「まさか……あの子が…………?」
そうだ。最初からおかしかった。
ドミニカはどうして私が覚えていないことを知っていたのか
思考していくことで、合わさるピース。
なにかが見えた気がした。
「そうか…………そういうことか」
と、納得した。
理解した。
(戻さないと……。あの子によって引っ掻き回された現実を)
そう決意したその時……。
『……お願い!誰か………助けて………!!』
一つの声が響いた。
ドミニカだ。
(まさかあんたに再び会うことになるとはね……相変わらず救いようのないお馬鹿さんだわ)
水晶には、今にも殺されそうな王子。
ヒロインであるはずの彼女はそれを黙ってみて、助けを呼ぶだけ。
こいつはどこまで腐れば気がすむのだろうか。
助けを求めるんじゃなくて、すぐに王子の前に立ちふさがれば彼は救えるじゃないか。
でも、王子を殺されるのはまずいし、フレアを助けられなくなるかもしれない。
(だから……行かないと………)
大丈夫。私にはできるはず。
その力があるはずだから……。
「私を……外へ……」
そう呟くと、私の身体は輝きだした。
(あの子のSOSを受けるのは癪だけど、これも仕方ない……か)
でも、最後にこれだけは言わせてもらおう。
「私……あなたみたいな人、大っ嫌い」
満面の笑みで私はドミニカに言ってやった。
そうして私の意識は外へ浮上していったのだった。
その光景を見続けるものがいた。
“彼女”は消えていく美智瑠を見つめていた。
『ごめんね……。最後まで、あなたに押し付けることになっちゃったね……』
(本来なら……私がやらなければいけないことだったはずなのに……)
でもできない。
自分は見守ることしかできないから。
彼女に力を与えることで精一杯だったから。
思えば、どこまでもあわれな少女だった。
結局、彼女に幸せは訪れなかった。
でも、どこまでも優しかった少女だった。
いつも笑っていた。
その下に眠る感情には、最後まで誰も気づくことはなかった。
それでも、彼女は笑顔を浮かべて生きた。
お人好しで、自らの命と引き換えに少女を助けた憐れな子だった。
(せめて、この世界では幸せに生きて欲しいと思ったのにな……)
でも邪魔が入ったせいでそれすら叶わなかった。
どうか今度こそ幸せになって欲しい。
本当の世界で……本来のあなたで……。
私は微笑み、静かに告げた。
『大丈夫だよ。あなたならきっとできるから。救えるから……。だってあなたこそが』
『本来のヒロインなのだから………』
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
はいはーい!どーも皆さんこんにちは!
なんかいろいろ伏線?張りすぎてどうしてこうなった\(^o^)/状態のSAKURAさんです!
いや~ほんとどうしてこうなった\(^o^)/
即興って怖いね!でも構成考えるのもめんどくさくて……(言い訳乙)
だが後悔はしていない!(キリッ)
まぁちゃんと答え合わせ?はするから!
てか、本当にこれ短編なのか……とちょっと怖くなってます!
11月中に終わるのだろうか……((((;゜Д゜)))ガタガタ
まぁやるしかないね!うん!(ポジティブ)
というわけで、なんかハチャメチャ展開になってますが、今後も読んでいただけると嬉しいです!
完結までもうしばらくお付き合いしていただけると……(^_^;)(汗)
というわけで、いよいよ美智瑠はんのフレア救出編入る……かな?
まぁ入ると思います!
入らなかったらごめんなさい!
はたしてフレアちゃんは無事救うことができるのか!
美智瑠ちゃんは何者だったのか!
真実はどうなるのか!
お楽しみに!
それでは以上!SAKURAでした!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
幼馴染の許嫁
山見月 あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
貴方の幸せの為ならば
缶詰め精霊王
恋愛
主人公たちは幸せだった……あんなことが起きるまでは。
いつも通りに待ち合わせ場所にしていた所に行かなければ……彼を迎えに行ってれば。
後悔しても遅い。だって、もう過ぎたこと……
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛はリンゴと同じ
turarin
恋愛
学園時代の同級生と結婚し、子供にも恵まれ幸せいっぱいの公爵夫人ナタリー。ところが、ある日夫が平民の少女をつれてきて、別邸に囲うと言う。
夫のナタリーへの愛は減らない。妾の少女メイリンへの愛が、一つ増えるだけだと言う。夫の愛は、まるでリンゴのように幾つもあって、皆に与えられるものなのだそうだ。
ナタリーのことは妻として大切にしてくれる夫。貴族の妻としては当然受け入れるべき。だが、辛くて仕方がない。ナタリーのリンゴは一つだけ。
幾つもあるなど考えられない。
私、お母様の言うとおりにお見合いをしただけですわ。
いさき遊雨
恋愛
お母様にお見合いの定石?を教わり、初めてのお見合いに臨んだ私にその方は言いました。
「僕には想い合う相手いる!」
初めてのお見合いのお相手には、真実に愛する人がいるそうです。
小説家になろうさまにも登録しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる