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プロローグ
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自分のせいで誰かが死ぬだなんて
夢にも思わなかった
…………………………………………………………………
高校1年の春
私、椛田るいは只今電車に乗って東京駅を目指しています。
理由は簡単。新高1の親睦を深めることを目的とした研修旅行があるのです。
その集合場所が東京駅ってこと。
この研修旅行で沢山友達作って、彼氏もゲットしてやるんだから!
あぁ、楽しみだなぁ
ルンルン気分でホームに降り立ち、重いスーツケースをゴロゴロ転がしながら待ち合わせ場所へと急ぐ。
「あ、いた!るいー!こっちー!」
友人の星沙がこちらに向かって手を振っているのを見つける。
「皆おはよー!」
たたたっと駆け寄る
「椛田おそよう。まーた遅刻しやがって。」
またまた友人の叶瀬君。
「しょうがないじゃん。楽しみで夜眠れなかったんだから!」
「私達持ち上がりじゃない。面子は変わらないし、楽しみな事なんて無いわよ。」
つまらなそうに星沙は言った。
「そうだけど!交流会もあるし、他のクラスに友達作ろうよ!」
「…あんたはイケメン狙いでしょ」
うぐっ
「そ、そんな事ないよ!」
「図星ね」
「図星だな」
2人が声を揃えて言った。
「うわぁん。酷いよ2人して!」
「そんなことより、石川君と茉莉紗は東京駅で合流だから、早く行きましょうか。」
「そうだね。椛田のせいで予定の電車の1本後だから…石川には俺から連絡入れとくよ。」
叶瀬君の視線が痛い…
「ごめんなさい!もう遅刻しないからぁ!」
「はいはい。椛田は遅刻少女だからしょうがないよ。みんな分かってるから。」
哀れみの顔をしながら叶瀬君は言った。
むっとして叶瀬君を睨みつける。
「そんなことないもん!叶瀬君の意地悪!」
「え?事実でしょ?」
きーっ!正論すぎて反論出来ない…!
「ほら2人共、ホーム降りるわよ。」
星沙の声に前を見るとエスカレーターが
「椛田とかすぐどっか行きそう。分かる?乗る電車は1番線だからな?」
「それぐらい分かりますー!そういう叶瀬君こそ人混みに呑まれて迷子になっちゃうかもよ!」
「はいはい。俺は椛田と違ってしっかりしてるから大丈夫だよーだ。」
んべっと舌を出して軽くあしらわれる
「ほんと、仲がいいこと…」
「良くない!」
「良くねぇ」
ハモった私達に呆れ顔が向けられる。
エスカレーターが下まで着くと、ホームは人でごった返していた。
「なんだかいつもより人が多いわね…」
言われてみれば確かに。通勤ラッシュの時間帯とはいえ、いくら何でも多い気がする。
「なんだか人身事故?あったみたい。」
叶瀬君がスマホの画面を見せてくる。
「ほんとだ」
「満員電車じゃ良くあることよね。電車が来るまで、当分ここで待機ね。」
スーツケースを囲む様にして3人ホームの内側で待機する。
『2番線に、列車が参ります…』
放送が響く
「この状態でまた人が増えるのかよ」
叶瀬君が嫌そうな顔をする
「多分流されるから皆はぐれないように。」
そうだ、はぐれないようにしないと。皆が居ないと私東京駅行けないかもしれないし…
スーツケースの取っ手をぎゅっと握りしめる
放送があってから、少しして2番線に電車が入ってくる
「うわー。ぎゅうぎゅう詰めじゃん…」
叶瀬君の言葉に電車を見ると向こう側の景色が見えないくらい人が乗っている。というより
凄い詰め込まれてる…
『2番線到着です!黄色い線の内側へお願いしますー!』
駅員さんの焦り声が流れる。
通勤ラッシュに事故って大変だよね…。頑張れ駅員さん!
「来たわね…」
星沙が言うなり電車のドアが開かれ、人が水のように溢れ出てきた。
「わわわわわわわ!」
人の流れに呑まれる
やばい!この混雑はやばい!
「ちょっと、るい!?どこいくの!」
星沙の声で周りを見ると誰もいない。
「えっ、嘘!私流されてる!?」
どうしよう…叶瀬君も星沙の姿も見えない…
一瞬にして流された私は焦る。
人が多すぎて前にも後ろにも進めない
『まもなく1番線に……』
こんな状況下で私達の乗るべき電車が来るだなんて!
とにかく1番線の方に行かないと…!
ぐいぐい人を押しのけて1番線の近くへ向かう
あーもうスーツケース邪魔ぁ!
「すいませんっ…!通して……!」
流れに逆らって歩いてたら急に右から強い衝撃を受ける。
「っ!!」
不意に受けたもんだから体がよろけ、スーツケースから手が離れてしまう。
「!」
押されに押されもう何処にいるかすら分からない。
私のスーツケースすらも。
「あ、いた椛田!」
聞き覚えのある声に顔を向けると、ぴょこっと人混みの中から叶瀬君の顔が見える。
「あああ!叶瀬君助けて!」
「お前なにそんな所まで流されてるんだよ!」
「うわああああああん」
「あーもう!ちょっと待ってろ!椋椅スーツケース頼む!」
『1番線列車来ますー!黄色い線の内側へ!』
その時だった。
私の体が浮いたのは
「え……」
ホームにいる大勢の人が私を見て驚いている。風景が静止したように止まって何も聞こえなくなった。
私の体がホームの外へ…線路へと押し出されてしまったのだと把握するのに時間はかからなかった。
あぁ、私死んじゃうんだ。
また沢山迷惑かけちゃったなぁ…。
「叶瀬君に怒られそう」
「ほんとだよ」
ぐいっと落ちかけた体がホームに引き戻される。
「相変わらず俺に迷惑かけてばっかだよな。怒っても怒っても…。呆れて物も言えないよ。」
困った顔で笑う叶瀬君がいた。
「叶瀬く………」
「このぽんこつばーか」
いつもの様に毒を吐いて、叶瀬君の体がホームの外へ消えた瞬間、電車が目の前を遮った。
夢にも思わなかった
…………………………………………………………………
高校1年の春
私、椛田るいは只今電車に乗って東京駅を目指しています。
理由は簡単。新高1の親睦を深めることを目的とした研修旅行があるのです。
その集合場所が東京駅ってこと。
この研修旅行で沢山友達作って、彼氏もゲットしてやるんだから!
あぁ、楽しみだなぁ
ルンルン気分でホームに降り立ち、重いスーツケースをゴロゴロ転がしながら待ち合わせ場所へと急ぐ。
「あ、いた!るいー!こっちー!」
友人の星沙がこちらに向かって手を振っているのを見つける。
「皆おはよー!」
たたたっと駆け寄る
「椛田おそよう。まーた遅刻しやがって。」
またまた友人の叶瀬君。
「しょうがないじゃん。楽しみで夜眠れなかったんだから!」
「私達持ち上がりじゃない。面子は変わらないし、楽しみな事なんて無いわよ。」
つまらなそうに星沙は言った。
「そうだけど!交流会もあるし、他のクラスに友達作ろうよ!」
「…あんたはイケメン狙いでしょ」
うぐっ
「そ、そんな事ないよ!」
「図星ね」
「図星だな」
2人が声を揃えて言った。
「うわぁん。酷いよ2人して!」
「そんなことより、石川君と茉莉紗は東京駅で合流だから、早く行きましょうか。」
「そうだね。椛田のせいで予定の電車の1本後だから…石川には俺から連絡入れとくよ。」
叶瀬君の視線が痛い…
「ごめんなさい!もう遅刻しないからぁ!」
「はいはい。椛田は遅刻少女だからしょうがないよ。みんな分かってるから。」
哀れみの顔をしながら叶瀬君は言った。
むっとして叶瀬君を睨みつける。
「そんなことないもん!叶瀬君の意地悪!」
「え?事実でしょ?」
きーっ!正論すぎて反論出来ない…!
「ほら2人共、ホーム降りるわよ。」
星沙の声に前を見るとエスカレーターが
「椛田とかすぐどっか行きそう。分かる?乗る電車は1番線だからな?」
「それぐらい分かりますー!そういう叶瀬君こそ人混みに呑まれて迷子になっちゃうかもよ!」
「はいはい。俺は椛田と違ってしっかりしてるから大丈夫だよーだ。」
んべっと舌を出して軽くあしらわれる
「ほんと、仲がいいこと…」
「良くない!」
「良くねぇ」
ハモった私達に呆れ顔が向けられる。
エスカレーターが下まで着くと、ホームは人でごった返していた。
「なんだかいつもより人が多いわね…」
言われてみれば確かに。通勤ラッシュの時間帯とはいえ、いくら何でも多い気がする。
「なんだか人身事故?あったみたい。」
叶瀬君がスマホの画面を見せてくる。
「ほんとだ」
「満員電車じゃ良くあることよね。電車が来るまで、当分ここで待機ね。」
スーツケースを囲む様にして3人ホームの内側で待機する。
『2番線に、列車が参ります…』
放送が響く
「この状態でまた人が増えるのかよ」
叶瀬君が嫌そうな顔をする
「多分流されるから皆はぐれないように。」
そうだ、はぐれないようにしないと。皆が居ないと私東京駅行けないかもしれないし…
スーツケースの取っ手をぎゅっと握りしめる
放送があってから、少しして2番線に電車が入ってくる
「うわー。ぎゅうぎゅう詰めじゃん…」
叶瀬君の言葉に電車を見ると向こう側の景色が見えないくらい人が乗っている。というより
凄い詰め込まれてる…
『2番線到着です!黄色い線の内側へお願いしますー!』
駅員さんの焦り声が流れる。
通勤ラッシュに事故って大変だよね…。頑張れ駅員さん!
「来たわね…」
星沙が言うなり電車のドアが開かれ、人が水のように溢れ出てきた。
「わわわわわわわ!」
人の流れに呑まれる
やばい!この混雑はやばい!
「ちょっと、るい!?どこいくの!」
星沙の声で周りを見ると誰もいない。
「えっ、嘘!私流されてる!?」
どうしよう…叶瀬君も星沙の姿も見えない…
一瞬にして流された私は焦る。
人が多すぎて前にも後ろにも進めない
『まもなく1番線に……』
こんな状況下で私達の乗るべき電車が来るだなんて!
とにかく1番線の方に行かないと…!
ぐいぐい人を押しのけて1番線の近くへ向かう
あーもうスーツケース邪魔ぁ!
「すいませんっ…!通して……!」
流れに逆らって歩いてたら急に右から強い衝撃を受ける。
「っ!!」
不意に受けたもんだから体がよろけ、スーツケースから手が離れてしまう。
「!」
押されに押されもう何処にいるかすら分からない。
私のスーツケースすらも。
「あ、いた椛田!」
聞き覚えのある声に顔を向けると、ぴょこっと人混みの中から叶瀬君の顔が見える。
「あああ!叶瀬君助けて!」
「お前なにそんな所まで流されてるんだよ!」
「うわああああああん」
「あーもう!ちょっと待ってろ!椋椅スーツケース頼む!」
『1番線列車来ますー!黄色い線の内側へ!』
その時だった。
私の体が浮いたのは
「え……」
ホームにいる大勢の人が私を見て驚いている。風景が静止したように止まって何も聞こえなくなった。
私の体がホームの外へ…線路へと押し出されてしまったのだと把握するのに時間はかからなかった。
あぁ、私死んじゃうんだ。
また沢山迷惑かけちゃったなぁ…。
「叶瀬君に怒られそう」
「ほんとだよ」
ぐいっと落ちかけた体がホームに引き戻される。
「相変わらず俺に迷惑かけてばっかだよな。怒っても怒っても…。呆れて物も言えないよ。」
困った顔で笑う叶瀬君がいた。
「叶瀬く………」
「このぽんこつばーか」
いつもの様に毒を吐いて、叶瀬君の体がホームの外へ消えた瞬間、電車が目の前を遮った。
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