やり直し人生は異世界から

ローザ

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お肉を食べよう

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「ごはん ごはん お・に・く♡」

 私自身としては、魔法や狩りと、転移初日にしては頑張ったと思う。生きる手段だと分かっていても生きている物を手にかけるのは辛い。でも、それってどうよ?地球でも動物を食べていたものね。誰かが殺した物を平気で食べていたし、罪悪感なんか考えたこと無かった。

「授業で習った食物連鎖を異世界で実感するなんて…… 取りあえずご飯作ろう」

 テンちゃんの『イエにつくまでがカりなの』の教えのもと注意しながら戻る途中、森から川に流れ込む細い支流で水を飲むホーンラビット一角兎に出会った。
 慎重に風下に移動して、首を狙い1射。今日半日の努力の結果、見事に兎の首を打ち抜いていた。

「【鑑定】」

 ホーンラビット:草原や森に生息している 雑食 素材(魔石 角 皮)食用(肉)

「……食用…… いっヤッタ~!♡」



 拠点より少し離れた場所で兎を解体。木の下で首を落とし、その上の枝に吊して土魔法で穴を掘り血抜きをする。角はストレージに入れて頭は穴に落とす。胴体の方はテンちゃんの指導に従って解体し内蔵も穴に落とした。
 そのままにすると血の臭いで他の魔物を呼び寄せてしまうので、解体後穴に【クリーン】をかけて埋め戻しておく。

 拠点に戻るとストレージから塩と胡椒を取りだし、摘んできたハーブを刻んですり込んでおく。なじむ間に昼に使った焚き火後に石を並べ鍋と薬缶ヤカンが置けるようにした。
 作業をしながら思うことは。

 ……これは…… 今流行の【お一人様キャンプ】憧れてはいたけど、諦めてもいたのよ。異世界で叶うなんて。 ベルクーリュー様、有り難うございます。

 フンフフ~ン🎵 肉は丸ごと蒸し焼き、薬缶にハーブティーを作ろう。待っている間にテントを張ってと。


「ハァー ゆとりを持って食事が出来るって、なんて幸せ。地球むこうではゼリーやブロックの補助食品、良くてコンビニのおにぎりをくわえながらの作業。う~ん、至福の一時♡ さて、今日の反省会。てっ、言うか全部よね。ボーガンの飛距離を伸ばしたいし、剣も振り回してるだけでワザの取得が出来てないのよね。魔法も環境に合わせた物を使えるようにならないと。明日は朝ご飯作りながら魔法の練習、食後に素振りと基礎体力作りかな」

 で、この後は今日の収穫とステータスの確認をしよう。気付いた事も有るしね。まずは解体かな。

 キャンプ地を少し離れた場所でストレージから今日の残りの獲物を出し、先程と同じく【クリーン】をかけながら解体をしていく。

 今日の収穫は、

 各種スライム 魔石×23 スライムゼリー×18(青9 緑6 黄色3)
 ゴブリン 魔石×4 棍棒×1 右耳×4(テンちゃん曰く『討伐部位なの』)
 ホーンラビット(魔石 角 皮 肉)×1
 各種薬草 (ミント タイム ローズマリー クレソン タンポポ クコの実
       桑の実 アケビ 山椒 サッサフラス ハラン)×多数

「分布地域がバラバラなのは理解出来ないけど、今の所私が知っている物と一緒なのは助かるな。落ち着いたら化粧水作ろう」


 解体が終わり自分に【クリーン】をかけキャンプ地に戻る。
 次はスキルのお復習いと検証。地図を開いてみる。

 気配察知とマッピングが重ねられるなら地図も重ねられるのでは?と、やってみたらカーナビ画面のようになった。この方が分かりやすいよね。さらに自分と他の生き物を色を使って表示出来るから、【自分を青・その他を赤】に表示した。
 今、川の側に青い光が点滅しているこれが私。その下の方に【始まりの地】とある出発点。そこから現在地まで、いびつなバナナのように記録され、また斜め上に歪な円を重ねた線を書いていた。隈無くまなく歩き回らないと見慣れた地図には為らないな。

「本当にゲームの地図と一緒だわ。レベルが上がれば、記録範囲は広くなるけど、上げる為には歩かねば。楽して事は為し得ないか」

 あれ? 正面、森の方から赤い点が2つ近付いて来る。敵かな? まだ細かく識別出来ないから、自分以外の生き物全部が赤表示なのよね。

 何時でも行動できる様にボーガンを構え後ろの木に登り隠れる。2匹同時はまだやってない。どちらか一方殺すか動きを止めるかしない。
 ボーガンは近距離から中距離用だから、引き付けなくてはいけない。

 落ち着け、焦るな、今日何度もヤッタよね。
 それぞれに1射ずつ放ったら剣で戦うか、そのままボーガンで撃ちまくるか、河原に出たら火魔法でも良いけど咄嗟に威力を調節するのは無理。如何する…… 死にたくない……

 あと少し。見えた! えぇーい!狙え…

 バスッ!

 ギャォー!!

 ホワッと光った。

 当たった! 後一匹

 倒れた仲間には見向きもしないで、棍棒を振り上げ向かってきた。

 私がいる木を棍棒でガンガンと殴る。登れ無いようだ。少し、ホッとした。
 私の腰までの小さな魔物ゴブリン。救いはゲームと同じ醜悪な表情だろうか。目を眇ながら、でも反らさない。どんな存在でも命は命。今日何度もつぶやいた言葉。

「ごめん…」

 せめて一息に。狙いを定め、矢を放つ。
 矢は一直線に魔物の脳天に刺さった。パァッと小さな光が飛び散った。
 殺した……

「ハァー 早く処理しないと魔物が集まってくる」

 木から下りると足下にゴブリンの死体。ストレージに入れて地面に【クリーン】をかける。残りの1体を回収する為に森に入っていく。

「ゲームみたいに死んだら魔石を残して消えてくれたら良いのに。消え無いのに何で光るんだろ」

『マモノはシヌとシンゾウにマセキがデキてイチブのマリョクはシゼンカイにカエるの』

 なるほど他の命を奪っているんだもの嫌な思いもしなさいって事か。
 解体しないと魔石が手に入らないと。でも……

「テンちゃん、自動解体とかぁー、ストレージに入れれば魔石だけ取り出してくれる機能は無いの」

『……あるの、でもロッカはデキナイの。ナビゲーションにそってカイタイするの』

 がくぅぅぅーー

 嫌なことはサッサと終わらせよう。ストレージから2体のゴブリンを出し、1体目を解体し終わったら、

 チャ・ラァーン
【解体】(E)を修得しました。

「【解体】スキルが上がったけど、どう上がったのかしら【鑑定】」

【解体】(E)抵抗無く切れる

「本当だ!お豆腐みたい!楽!! 時短でサクサク解体出来るね」

 ゴブリン 魔石×2 棍棒×1 石×1 右耳×2

【鑑定】
 ゴブリンが持っていた石:何処にでもある石 ゴブリンの涎付き

「イランわぁ!!💢」

 自分に【クリーン】を2回かけました。大事。すごーく大事。


 LV4
 HP32→52
 MP142→154
 腕力40→63
 脚力45→71
 瞬発力32→49
 体術10→18
 攻撃力35→62+(20)<短剣>
 防御力148→162+(30)+(40)
 魔法スキル:土・水・風・火(オールF)・光(C)・精霊(F)
 攻撃魔法:ファイアー・ボール
 攻撃スキル:剣術(F)・弓術(F)懐中
 固有スキル:製薬(F)・調合(F)・料理(C)・裁縫(C)・回復魔法(D)
       回復上昇・クリーン(S)・生活魔法・木工(F)・解体(E)
       探索(F)気配察知30M

 称号:無し

 隠蔽中: 闇(S)・時空(S)・隠蔽(S)・鑑定(D)・マッピング(F)  
      称号:三大神の加護・精霊の愛し子



 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 
 ちなみに 【解体】(F)解体の手順が分かる  です。
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