孤独になった俺は女教師とその妹と暮らすことになった

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荷物整理の時は部屋から出ましょう

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2人は部屋の端にキャリーケースを置くと先ずは部屋の片付けから始めた。部屋はゴミが少し増えてきたので2人が率先して片付けてくれているので俺も手伝おうとした。
「俺も手伝います。」

「いいよ。星月くんは座ってて。」
有栖川先生が俺の肩をストンッと押す。
先生と紗奈蘭さんがゴミの片付けをする。申し訳ない気分で一杯だった。
ゴミを出したのは俺であって2人ではないから手伝いたかった。
俺は立ち上がって再び手伝いに入る。
「俺もしますよ。俺が出したゴミなんで。」

「じゃあ3人ですぐに終わらせよっか。」
有栖川先生はニコッとする。3人で分担してゴミの片付けをすぐに済ませた。
ゴミの片付けを済ませると3人でテーブルを囲んで座った。

「なんかありがとうございます。先生たちが来て助かりました。」

「私なんかでも力になれたみたいで嬉しいよ。
さーってこれから荷物整理でもしようかな~ 」

有栖川先生と紗奈蘭さんはキャリーケースを開けて荷物を取り出そうとするが有栖川先生の手がピタリと止まった。

「星月くん...少しの間だけ部屋から出てくれない?...下着...とかあるからさ..」
先生は手を合わせて申し訳なさそうに言う。

俺は納得した。確かにこれから一緒に暮らすといえど男と女だ。性別は全く違う。女性からすれば下着は見られたくないものだ。
それに下着は毎日身につけるものだ。何枚も持ってきていてもおかしくない。

俺は部屋を出てキッチンへ行くことにした。
2人にお茶を入れたり和菓子の準備でもしようと思ったからだ。

キッチンへ行き棚から和菓子を何個か手に取り器に入れる。
そして冷蔵庫から冷え冷えの麦茶のボトルを取り出してコップに注いでいく。

その時だった。

「お姉ちゃん!またおっぱい大きくなったの⁉︎ 」
俺に名前を名乗る時に小声だった紗奈蘭さんの声がびっくりするほどの大きい声で叫ぶ。
和室から声が漏れてキッチンまで聞こえてくる。
俺はびっくりして麦茶を零してしまった。

「やべっ机が。」

「紗奈蘭っ!声が大きいよ!恥ずかしいじゃない。太陽くんに聞こえたら。」

「あっ、忘れてた。ごめん。つい2人の気分になってて。」

2人の姉妹会話が聞こえてくる。
俺は"きょうだい"と言うものに憧れていた。
今はそうでもないが昔は"きょうだい"が欲しくてたまらなかった時期もある。
それで祖父を困らせたこともあったものだ。

「やっぱり"きょうだい"っていいよなー。」
俺は心が温かい気持ちで一杯になった。
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