孤独になった俺は女教師とその妹と暮らすことになった

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有栖川先生は彼氏なし

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片付けが終わり部屋に戻っても大丈夫との許可が出たので俺は和菓子と麦茶を持って部屋に戻った。

「星月くんそれ和菓子~?気が効くぅ~」
有栖川先生は和菓子に飛びついた。

俺はテーブルに置くと和菓子を3人で食べ始めた。祖父は和菓子好きだということもあり家にあるお菓子のほとんどが和菓子なのだ。
「私和菓子大好き。美味しいよね~。何個でも食べられるよ~」

「お姉ちゃん太るよ...」
紗奈蘭さんがボソッと呟く。

「だ、大丈夫だよっ!毎日高校まで歩いて通勤してるからねっ」
有栖川先生は胸を張って答えた。顔もドヤ顔だ。
ドヤ顔というものは腹が立つような顔をするものだが有栖川先生のドヤ顔はひたすら可愛い。
小さな子供が自慢しているように見える。

「高校までって...大した距離じゃないし...」

「うっ...高校まで毎日歩いたらきっと痩せられるっ! ね?星月くん。」

「うぇぇぇっ!」
俺はびっくりして思わず変な声が出た。まさか急に投げかけられるとは思わなかったからだ。
授業中にボーッとしていたら問いを投げかけられる時と同じ感覚だ。

「うーん。どうでしょうか。でも先生は痩せなくても十分細いですし、少し太ったとしても先生は可愛いですよ。」

俺は急に投げかけられたことにテンパったのもあって本音をそのまま言ってしまった。

「わ、私が...可愛い?...そ、そんなことないよっ! 」
先生は否定しつつも耳が真っ赤になっていた。
そして両手で頬っぺたに触れている
それを見た俺は更に先生が可愛く見えてきた。

そして今頃ある疑問が生まれてきた。
先生は俺と生活するということは今までより忙しくなることは確実だ。
そうなれば彼氏と会うことも難しくなるのではないか。
そもそも先生に彼氏がいるから分からない。だがこの可愛いさだきっと彼氏がいることに違いない。そう思っていたのだ。

「有栖川先生。俺気になったんですけど俺と生活することでプライベートの時間...というか彼氏とかと会う時間がなくなるのでは?」

「お姉ちゃん彼氏いないよ。」
なぜか紗奈蘭さんが答える。しかも有栖川先生よりも早くに。

「紗奈蘭の言う通りだよ。それにね、私は星月くんと暮らすの楽しみだよ? 星月くんとはあんまり話したことなかったし先生はこれから凄い楽しみだよ。」

俺は嬉しかった。有栖川先生の優しさに包まれていたのだ。そして先生のことが好きになりそうだった。

そして彼氏がいないという事実は大きなものだった。
「でも先生ってもったいないですよね彼氏いないなんて。」

「そ、そうかな。ははは。」

「お姉ちゃんはね....ふふふ。」
紗奈蘭さんが何かを匂わせて笑う。
有栖川先生に彼氏はいない。しかし他に何かあるのではないか。例えば好きな人がいるとか。
俺は紗奈蘭さんが匂わせたことに気になりモヤモヤしていた。
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