クジを引いたら幼馴染と異世界に来て能力身につけた

ディオス編

希良梨の想いは永遠に

　イーストを殺害したディオスは雄叫びを挙げて周辺を焼き払う。マグマを纏い暴れ舞うディオスの元に希良梨がやって来る。

「昇。私のこと覚えてる? 」

「はぁんっ....希良梨だなぁっ 」

　ディオスは涎を垂らしながら希良梨を見る。希良梨は変貌し、面影を失った昇を見て涙する。

「私ね、ずっと昇とこの世界に来る前のこと考えてたの....」

　希良梨は昇と共に通っていた高校時代の記憶を振り返る。つい最近のことなのに、古く思えてくる。それだけではなく、徐々に消えかけている事を自覚していた。

「どんなに綺麗な物でもいつかは、ボロボロになるよね。私たちだってそう......でも、早いよね。早すぎるよ 」

「希良梨ぃ。俺の元へ来いっ。俺の嫁になれ。そうすれば安泰だ。子を作り未来を築くことができるぅっ 」

「嫌だよ。少なくとも今の昇とは 」

「そうか....ならば死ね 」

　ディオスは希良梨の心臓を貫いた。希良梨は目を見開いてディオスを見る。ディオスの目は希良梨をはっきりと見ていなかった。

「やっ、やっぱり、ダメなんだね 」

　希良梨はディオスの前で倒れた。