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140 サーファス⑤
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どれだけ偉い身分に生まれても、思い通りになんていかない。
どれだけの権力を持って生まれたとしても、その大きな武器である権力が足枷になる場合だってある。
大国、ドライト王国の王子に生まれたって、何一つ自分の思い通りにはいかなかった。
過去の栄光に縋りついたままではいけない。
このままでは…近い将来、ドライト王国は終わってしまう。
国の為に、国に住む多くの民の為に、延いては俺たちの為にと、どれだけ言葉を重ねても変わらない現実。
「女王。兄上。これが、大国…ドライト王国の現実です。」
伝え続けた言葉は長年無下にされてきた。
けれど、崩壊が目の前まで来ているその事実に漸く目が覚めたのか…。
女王と時期国王は、長年無下にし続けた俺の言葉にやっと、耳を傾けたのだった。
「マティアス陛下、有り難う御座いました。」
「いいや、構わん。同じ大国同士、似た問題は今後も出て来よう。他人事ではない。それに…何れ貴国を頼る事もあるかも知れんしな。」
「その際は是非、お力になりましょう。今度とも良い関係を築いていける事を願って。」
「ああ。」
“乾杯”とグラスを傾け、ワインを口に運ぶ。
レスト帝国、リスティア連合国、そしてドライト王国。
世界で三つしかない大国、その内一つに入っている我が国の今の現状は栄えているように見えてその実、豊かなのは大きな町や村、王都ばかりだった。
女王や時期国王の兄、臣下たちは現実を見ていない。
変わらず豊かな部分だけを見て、過酷な現実を送っている所には目を向けていなかった。
『母上、いえ、女王陛下!今一度資料を確認下さい!』
『そのような時間はない。
何度も同じ事を言わすでないわ。』
『このままでは何れ!この国は大変な時期を迎えます!』
『お前の名はサーファスだったな。
わたくしが生んだ十一人の子供の中でも、お前の秀でた能力は買っておる。見目は兎も角な。だが、お前は頭は良いがちと固すぎるわ。我が国は世界で三つしかない大国、ドライト王国ぞ。
そこら辺の小国と比べて貰っては困る。』
『…小さな町や村が滅びれば、大きな町や村、王都に人が押し寄せるでしょう。加えて。難民の多くが大国を目指しています。毎日毎日、大勢の人たちがこのドライト王国に生きる希望を求めてやってきています。』
『受け入れてやればよいではないか。
皆こう思うだろう。“流石は大国ドライト王国だ”と。我が国の領土はレスト帝国に次ぐ広さを持っている。住む場所は沢山あるのだ。』
『……。』
ああ、これが国のトップか。
リスティア連合国とは違い、ドライト王国の王座は世襲制。
母は能力ではなく、世襲で女王になった。先代の国王夫妻、つまり俺の祖父母に男が生まれなかったからだ。
授かった六人の子供は全員王女。長姉だった母が王位を継ぎ、ドライト王国の女王となった。
決して能力に問題があるわけではない。
仕事はきっちりこなすし頭も良く、行動力も威厳もある人だ。
ただ、女王は『大国』である事を過信し過ぎている。
否、母だけじゃない。祖父母も母と同じく、自分たちの国が大国である事を過信しているんだ。
歩んできた歴史の中で、曾祖父母の時代が一番、とはいかないがそこそこに栄えた時代であったドライト王国。
ほんの百何年前のその時代の名残が抜けきっていないのだと思う。
女王である母がそうだから、時期国王として城で政務に励んでいる兄も、母と似た考えを持ってしまった。
危機感は募る一方。
けれど何度、女王や兄、臣下たちに国の行く末…来るかも知れない未来の話を伝えても、聞く耳は持ってくれなかった。
一つの村が滅びる。一つの村と言っても、その村に住んでいるのは一人じゃない。それに、他国から来る難民も多い。
彼らは安住の地を求め、ドライト王国内の、他の村や町に移る。
其ほど大きくない村や町に移り、彼らが生活をするとしよう。果たして全員が仕事に就く事が出来るだろうか。答えは否。
路上で生活しなくてはならない生活困難者も出てくるだろう。そうなるとどうなるか。不衛生な生活から病になる者も多く、もしかしたらそこから疫病へ発展するかも知れない。
病、災害、色んな理由で人は死ぬし、基盤がしっかりしていなければそれまでの日常はいとも容易く崩れてしまう。
積み重ねで一つ、また一つと村や町は消え、残る村や町、人々への負担は大きくなっていくんだ。
それを、この国の中心に立つ彼らが分かっていない。
もう既に崩壊は始まっているというのに、大国ドライト王国が滅びるわけがないと高を括っている。
もう二度と、サバルのような子を出したくない。
サバルが生死の境をさ迷っていたあの日、俺は強いショックを受けた。
『……どうして、こんなことに…サバル、…ごめんな、……生まれてこなきゃ、よかったんだよな…
ごめんな、苦しいよな…ごめんな…父ちゃん、何も出来なくて…ごめ、ん、なあ…、』
そう言ったサバルの父親の言葉が、ずっと忘れられないんだ。
大国、ドライト王国で暮らしている民に、"生まれてこなければ良かった"と、そう言わせてしまった。そう思わせてしまった。
強いショックはたちまち後悔に変わり、大罪を犯したような気持ちになった。
変えなくては。救わなくては。
サバルが暮らしていた、あの村のような過酷な生活を強いられている人々を減らしたい。生まれてこなければ良かったなんて、二度と言わせてはいけない!
そう決意したのに、何も変わらない。
サバルが死んで、もう十年。
十年という長い間、この国の女王や臣下たちは現実を見ようとしなかった。
何が王族だ、何が王子だ。権力があっても、身分があってもこの様。
無駄に時間だけが過ぎていくことの虚しさ。
俺はこの国の現状、真実の姿を知っているのに、このままじゃいけないと分かっているのに、なのに何一つ動かす事が出来ない。
虚しくて、歯痒くて歯痒くて!自分の存在意義を見失いそうになりながら毎日を過ごす。
何も対策しなかった無駄な十年。この十年間で、凡そ二十の町や村がその役割を果たさなくなっていったけれど…漸く…本当に漸く、事態は動いた。
サイカのあの一件があった時、マティアス陛下と二つ、取引をした。
一つは個人的な望みであり、もう一つは国の事。
同じ大国であるドライト王国が万が一、滅びてしまえば…レスト帝国も被害は免れない。いや、確実に大きな皺寄せがいく。
ドライト王国の民やドライト王国に来ている難民が一気にレスト帝国に流れてしまえば…レスト帝国でさえどうなるか。
マティアス陛下にとっても、今のドライト王国の現状は決して放っておいてはいけない案件だったんだ。
だから恥を忍んで…俺は自国の状況をマティアス陛下に話し、協力を仰いだ。
マティアス陛下自身に、ドライト王国の現状を見て貰おうと。
マティアス陛下がドライト王国内を見回るのなら、当然女王である母や時期国王の兄、大半の臣下たちが行動を供にするだろう。
その読みは当たり、ドライト王国の中心人物たちは…自国の現実をその目に映した。
『ラグーシャ侯、ここは…この規模の土地だ。かつては町だったのだな?』
『左様で御座います、マティアス陛下。小さい町ではありますが…八年前までは大勢の民が住んでおりました。』
『住んでいた者たちは皆何処へ?』
『余所の村や町に移ったと思われます。
残念ながら…彼らの行方を追えてはおりませんが。
…故郷と共に終わりを望んだ者たちもいるでしょう。』
『…何ともやるせない話よな。』
女王が何を思っているのか分からないが、兄は初めて見る光景に胸を痛めている様子なのは分かった。
俺に対しては尊大な態度の兄ではあるけれど、人の心は持っている兄だ。知ろうとしなかった事を後悔しているのかも知れない。
数日かけ幾つかの村や町を回れば流石に呑気な台詞を言う者はいなかった。
この件で一番変わったのは時期国王になる兄。
恐らく、だけど。きっと初めて『王』という責任ある立場、その自覚が出たのだと思う。
『おい、サーファス。』
『何ですか?兄上。』
『前に、お前が陛下に見せようとした資料…まだ持ってるか?』
『ええ。…あります。』
『なら、貸せ。それから…話を聞かせろ。女王陛下にも声は掛けるつもりだが……無理だろうな。』
『……やっぱり、…そう…なりますよねぇ。』
『なるだろそりゃ。…マティアス陛下に自国の恥を晒したんだ。あのプライドの高い母上はさぞショックを受けただろうさ。
でも、今回の事が無かったら気付かないまま、取り返しの付かない事態にまでなってたはずだ。』
『…ぎりぎりですよ、今だって。十年、俺は言ってきたんだから。』
『ああ、分かってる。…否、実際見て…やっと分かった。…悪かった。あと……礼を言う。』
『………。』
まさか。兄に礼を言われるとは思わなかったから、信じられなくてすごく間抜けな顔をしてしまった。
兄は決してお遊びで政務をしていたのではなく、兄なりに真剣に国の事を考えて毎日過ごしていたらしい。
ならもっと早く俺の話に耳を傾けてくれよ、とは思ったけれど、ただ単に…“見下している俺の言葉だから”といった感情もあった様だ。
ばつの悪そうな表情で兄は謝罪したけれど、謝罪についてはどうでも良かった。
俺自身の事についてもそうだし、国の状況についての謝罪も、俺に謝る事じゃないから。
「女王は厳しそうだな。」
「ええ。想定していた通りですけどね。今まで俺の言葉を聞かなかったのは…大国だと過信していたからなのと、何に対してもですが…自分の判断が正しいと思っていたからです。」
「それが崩れたわけだ。それに、他国に恥を晒したとなれば…そう簡単には立ち直れんだろうな…。」
「はい。…けれど、想定外だったのは兄です。兄もプライドが高い人間なので母と同じ状態になるかも知れないと予想していましたが…嬉しい誤算でしたよ。」
「上に立つ者の自覚でも出たのだろう。」
「ええ、俺もそう思いました。
その兄ですが…女王の退位に向けて動くそうです。…恐らく女王も受け入れるでしょうね。」
母は母親ではなく“女王”だった。
自分の統治、女王としての資質に自信を持っていた。
大国であるドライト王国は他の国に比べ、遥かに豊かな国であると絶対の自信を持っていたんだ。
けれど、蓋を開ければそうじゃなかった。
荒れて痩せ細った土地、そこで暮らす民の表情はお世辞にも“大国”で暮らしているなんて言えない、楽しみや希望など何もない表情。
そんな“国の恥”である部分を同じく大国のマティアス陛下に見せてしまった。
持っていた女王としての、統治者としての絶対の自信はひび割れ、砕けた。
視察から戻るなり自室に隠ってしまった女王の代わりに動いたのは兄で、その兄は周りの貴族たちを動かし、女王に退位を求めるつもりでいる。この件に関してはそれが、一番いい終わり方だから。
「…しかし残念だ。
そなたの方が王に向いていると思うのだが。」
「いいんですよ。動きたい時に動けないのは嫌なんで…あと、時期国王じゃなかったから国の問題に気付けたっていうのもありますし。
俺は周りから見下されている。王になったって、然程力は持てないと思うんですよね。
…今は違うと思うけど…マティアス陛下にもそういう時があったんじゃないですか?」
「…ああ、あったな。割りと最近まで。」
「ね?なら、兄が王になった方が断然いい。兄なら、貴族たちも言葉を聞くし、動く。
それに一番は…国王になったらサイカを手に入れられないじゃないですか!」
「……諦めの悪い男だ…。」
「そうですね。諦めは悪いです。因みに性格も良くないんで。でも自覚があるのでまだいいじゃないですか。
いつかきっと…俺もサイカの男になります。なってみせますよ、マティアス陛下。」
「……。」
「悪い方にばかり考えないで下さい。
ドライト王国での俺の地位、立場。
総合的に見れば…色々と役立つでしょう?
陛下や皆さんなら…そこの所、よーく分かっていらっしゃると思うんですけど。」
「……。」
「沈黙は肯定と取りますね。
陛下や皆さんが俺を五人目の男にしたくないのは個人的な気持ちの部分だけ。
それを除くとメリットの方が大きい。
なら…要はサイカだ。決定権はサイカにある。
じゃあ俺は、ずっとサイカを思い続けます。この思いをずっと貫く。」
以前に比べたら俺も随分変わったなと思う。
少し前の俺は、こんなにも人前でズバズバ言える性格じゃなかったし、以前は面倒くささと恐怖の方が大きかったから否定的な言葉や強い言葉は言わなかった。
何を言われても笑顔。
傷付いた顔をすれば、余計に相手は付け上がる。
誰と話しをしても、相手の望むような言葉を返してきた。
そうしていると自分を守れたからだ。
誰かに本音を伝えるということ。素直な、正直な気持ちを伝えるのは俺にとって恐怖と、諦めしかなかった。
誰も、理解しない。誰も、理解しようともしない。
なら、伝わらないと諦めた方が馬鹿を見ないで済む。余計な傷を負わなくて済む。
ずっとずっと、長い間そうしてきたから本当の自分すら分からなくなっていた。
どうやって本当の自分を出せばいいのかも分からない。自分の本音を伝える事も難しくて、作った表情じゃなくて、自分の心に従った表情を出すのもとても難しくて、恐ろしくて。
最初の頃はサイカの前でも取り繕うような笑顔しか出来なかったけれど、あの子は根気強く俺に付き合ってくれて…やがて少しずつ、サイカの前では素の自分で過ごすが出て来て…。
その時に初めて知ったんだ。
一人よがりじゃない。自分の気持ちを知ろうとしてくれて、自分の気持ちが相手に伝わる…ただそれだけの事が、何よりも嬉しくて。
本当の自分でいるのは、何て楽で、楽しいんだろうって。
こんなにも、幸せな事なんだって、サイカのお陰で初めて知った。
“変わったな”と今回、兄にも言われた。俺自身で感じる変化は周りも感じているみたいだ。
サイカが本当の俺を知っている。
人の顔色を伺って笑顔しか浮かべない、誰にとっても都合のいいサーファスじゃなく、好きな子の前でも泣いてしまうような…涙脆くてみっともなくて、性格だって良くはないサーファスをサイカは知っている。
好きで笑顔でいた訳じゃない。
自分を守る為の手段で、人付き合いを無難に済ませる為に笑顔を作っていた俺をサイカは知っている。
あの子が俺を知って、俺の味方でいてくれるというだけで…有り得ない程の力が湧いてくるんだ。
あの子の笑顔を、その存在を思い浮かべるだけでこんなにも力強く、前向きな気持ちで生きていける。
地位も権力も、美醜もどうだっていい。
他人の評価もどうだっていい。
身内の尊大な態度も放漫な態度だってどうだっていい。
気にならなくなれば心が一気に軽くなった。
視野も世界も広がり、それまで見えなかった、見ようとはしなかった色んなものが見え始めた。
大変な事も増えたし忙しくもなったけれど…毎日責任だけでしか感じていなかった生きる意味も今はそれだけじゃないと感じるし、毎日が輝いている。
人生、捨てたもんじゃない。
否、俺の人生は何て素晴らしいんだ。
それを教えてくれたのは、俺の大好きなあの子だ。
サイカに出会ったから、サイカを好きになったから、責任だけじゃない、人生の生きる意味を感じるようになったんだ。
やっと、やっと苦しいだけじゃない生きる意味を見つけたんだ。
「俺ね、歳を取って…お爺さんになってもしつこいと思う。
多分、死ぬまであの子を諦められないと思うんですよ。」
「…サイカが望まなくても、か。」
「ええ。何度断られても。ほんの少しでも望みがあるなら…死ぬまで、あの子を思い続けるでしょうね。
それこそ、あの子が俺の事を大嫌いになるくらいじゃないと…思いを断ち切るのは無理だと思うので。」
「……そうか。」
「同じ女に、きっと何度も恋をする。初恋は理想が強かった。でも会うたび、話すたび、あの子を知るたび…強く、恋を実感する。
あの子がどんな子かを知った。どんな考えを持ち、どんな人間かを知った。
知ったらまた…好きになった。同じ女に二度、恋をした。」
強く、強く思う。
強く、強く感じる。
彼女じゃなければ。サイカでないと駄目なんだ。
サイカがいい。あの子がいい。どうしても。どうしてもどうしても。
サイカと恋をして、サイカを愛して、愛されたい。
切なくて、嬉しくて、もどかしくて、楽しくて、苦しくて、優しくて、悲しくて、素敵で、やるせなくて、けれどとても幸せな恋を。
俺はサイカとしたいんだって、強く、とても強く思うんだ。
「マティアス陛下。
俺は、あの子に必要な男になりますよ。皆さんが与えてくれたチャンスを無駄にはしない。そうなるように必ず仕向ける。
それが一年後か五年後か十年後か…はたまたもっと先かは分かりませんけどね。」
「…そう言えば…以前、そなたは長期戦を見据えていると言っていたな。」
「ええ。例えよぼよぼのお爺さんになったとしても片想い上等です。
俺の生涯の恋はあの子だけに捧げるつもりなので。ああ、付け加えると愛も、ですね。」
はっ。っとマティアス陛下が小さく笑う。
笑ったのは多分、俺の気持ちを容易く理解出来るからだ。
陛下が俺の立場であれば、きっと同じだったろう。
絶対にこの女だという、そんな運命の女に出会ってしまった。
例え何年、何十年と経とうとこの思いは色褪せない。
長い年月が経ち、それでもあの子との関係が友人から変わらなくたって、きっと変わらず思い続けている。
沢山の女性と出会っても、色んな出会いがあったとしても、もうあの子にしか恋は出来ない。そんな予感さえある。
年老いて色んな事を忘れていったとしても、きっとずっと、あの子に恋をしてるんだ。
ずっとずっと、色鮮やかに。
どれだけの権力を持って生まれたとしても、その大きな武器である権力が足枷になる場合だってある。
大国、ドライト王国の王子に生まれたって、何一つ自分の思い通りにはいかなかった。
過去の栄光に縋りついたままではいけない。
このままでは…近い将来、ドライト王国は終わってしまう。
国の為に、国に住む多くの民の為に、延いては俺たちの為にと、どれだけ言葉を重ねても変わらない現実。
「女王。兄上。これが、大国…ドライト王国の現実です。」
伝え続けた言葉は長年無下にされてきた。
けれど、崩壊が目の前まで来ているその事実に漸く目が覚めたのか…。
女王と時期国王は、長年無下にし続けた俺の言葉にやっと、耳を傾けたのだった。
「マティアス陛下、有り難う御座いました。」
「いいや、構わん。同じ大国同士、似た問題は今後も出て来よう。他人事ではない。それに…何れ貴国を頼る事もあるかも知れんしな。」
「その際は是非、お力になりましょう。今度とも良い関係を築いていける事を願って。」
「ああ。」
“乾杯”とグラスを傾け、ワインを口に運ぶ。
レスト帝国、リスティア連合国、そしてドライト王国。
世界で三つしかない大国、その内一つに入っている我が国の今の現状は栄えているように見えてその実、豊かなのは大きな町や村、王都ばかりだった。
女王や時期国王の兄、臣下たちは現実を見ていない。
変わらず豊かな部分だけを見て、過酷な現実を送っている所には目を向けていなかった。
『母上、いえ、女王陛下!今一度資料を確認下さい!』
『そのような時間はない。
何度も同じ事を言わすでないわ。』
『このままでは何れ!この国は大変な時期を迎えます!』
『お前の名はサーファスだったな。
わたくしが生んだ十一人の子供の中でも、お前の秀でた能力は買っておる。見目は兎も角な。だが、お前は頭は良いがちと固すぎるわ。我が国は世界で三つしかない大国、ドライト王国ぞ。
そこら辺の小国と比べて貰っては困る。』
『…小さな町や村が滅びれば、大きな町や村、王都に人が押し寄せるでしょう。加えて。難民の多くが大国を目指しています。毎日毎日、大勢の人たちがこのドライト王国に生きる希望を求めてやってきています。』
『受け入れてやればよいではないか。
皆こう思うだろう。“流石は大国ドライト王国だ”と。我が国の領土はレスト帝国に次ぐ広さを持っている。住む場所は沢山あるのだ。』
『……。』
ああ、これが国のトップか。
リスティア連合国とは違い、ドライト王国の王座は世襲制。
母は能力ではなく、世襲で女王になった。先代の国王夫妻、つまり俺の祖父母に男が生まれなかったからだ。
授かった六人の子供は全員王女。長姉だった母が王位を継ぎ、ドライト王国の女王となった。
決して能力に問題があるわけではない。
仕事はきっちりこなすし頭も良く、行動力も威厳もある人だ。
ただ、女王は『大国』である事を過信し過ぎている。
否、母だけじゃない。祖父母も母と同じく、自分たちの国が大国である事を過信しているんだ。
歩んできた歴史の中で、曾祖父母の時代が一番、とはいかないがそこそこに栄えた時代であったドライト王国。
ほんの百何年前のその時代の名残が抜けきっていないのだと思う。
女王である母がそうだから、時期国王として城で政務に励んでいる兄も、母と似た考えを持ってしまった。
危機感は募る一方。
けれど何度、女王や兄、臣下たちに国の行く末…来るかも知れない未来の話を伝えても、聞く耳は持ってくれなかった。
一つの村が滅びる。一つの村と言っても、その村に住んでいるのは一人じゃない。それに、他国から来る難民も多い。
彼らは安住の地を求め、ドライト王国内の、他の村や町に移る。
其ほど大きくない村や町に移り、彼らが生活をするとしよう。果たして全員が仕事に就く事が出来るだろうか。答えは否。
路上で生活しなくてはならない生活困難者も出てくるだろう。そうなるとどうなるか。不衛生な生活から病になる者も多く、もしかしたらそこから疫病へ発展するかも知れない。
病、災害、色んな理由で人は死ぬし、基盤がしっかりしていなければそれまでの日常はいとも容易く崩れてしまう。
積み重ねで一つ、また一つと村や町は消え、残る村や町、人々への負担は大きくなっていくんだ。
それを、この国の中心に立つ彼らが分かっていない。
もう既に崩壊は始まっているというのに、大国ドライト王国が滅びるわけがないと高を括っている。
もう二度と、サバルのような子を出したくない。
サバルが生死の境をさ迷っていたあの日、俺は強いショックを受けた。
『……どうして、こんなことに…サバル、…ごめんな、……生まれてこなきゃ、よかったんだよな…
ごめんな、苦しいよな…ごめんな…父ちゃん、何も出来なくて…ごめ、ん、なあ…、』
そう言ったサバルの父親の言葉が、ずっと忘れられないんだ。
大国、ドライト王国で暮らしている民に、"生まれてこなければ良かった"と、そう言わせてしまった。そう思わせてしまった。
強いショックはたちまち後悔に変わり、大罪を犯したような気持ちになった。
変えなくては。救わなくては。
サバルが暮らしていた、あの村のような過酷な生活を強いられている人々を減らしたい。生まれてこなければ良かったなんて、二度と言わせてはいけない!
そう決意したのに、何も変わらない。
サバルが死んで、もう十年。
十年という長い間、この国の女王や臣下たちは現実を見ようとしなかった。
何が王族だ、何が王子だ。権力があっても、身分があってもこの様。
無駄に時間だけが過ぎていくことの虚しさ。
俺はこの国の現状、真実の姿を知っているのに、このままじゃいけないと分かっているのに、なのに何一つ動かす事が出来ない。
虚しくて、歯痒くて歯痒くて!自分の存在意義を見失いそうになりながら毎日を過ごす。
何も対策しなかった無駄な十年。この十年間で、凡そ二十の町や村がその役割を果たさなくなっていったけれど…漸く…本当に漸く、事態は動いた。
サイカのあの一件があった時、マティアス陛下と二つ、取引をした。
一つは個人的な望みであり、もう一つは国の事。
同じ大国であるドライト王国が万が一、滅びてしまえば…レスト帝国も被害は免れない。いや、確実に大きな皺寄せがいく。
ドライト王国の民やドライト王国に来ている難民が一気にレスト帝国に流れてしまえば…レスト帝国でさえどうなるか。
マティアス陛下にとっても、今のドライト王国の現状は決して放っておいてはいけない案件だったんだ。
だから恥を忍んで…俺は自国の状況をマティアス陛下に話し、協力を仰いだ。
マティアス陛下自身に、ドライト王国の現状を見て貰おうと。
マティアス陛下がドライト王国内を見回るのなら、当然女王である母や時期国王の兄、大半の臣下たちが行動を供にするだろう。
その読みは当たり、ドライト王国の中心人物たちは…自国の現実をその目に映した。
『ラグーシャ侯、ここは…この規模の土地だ。かつては町だったのだな?』
『左様で御座います、マティアス陛下。小さい町ではありますが…八年前までは大勢の民が住んでおりました。』
『住んでいた者たちは皆何処へ?』
『余所の村や町に移ったと思われます。
残念ながら…彼らの行方を追えてはおりませんが。
…故郷と共に終わりを望んだ者たちもいるでしょう。』
『…何ともやるせない話よな。』
女王が何を思っているのか分からないが、兄は初めて見る光景に胸を痛めている様子なのは分かった。
俺に対しては尊大な態度の兄ではあるけれど、人の心は持っている兄だ。知ろうとしなかった事を後悔しているのかも知れない。
数日かけ幾つかの村や町を回れば流石に呑気な台詞を言う者はいなかった。
この件で一番変わったのは時期国王になる兄。
恐らく、だけど。きっと初めて『王』という責任ある立場、その自覚が出たのだと思う。
『おい、サーファス。』
『何ですか?兄上。』
『前に、お前が陛下に見せようとした資料…まだ持ってるか?』
『ええ。…あります。』
『なら、貸せ。それから…話を聞かせろ。女王陛下にも声は掛けるつもりだが……無理だろうな。』
『……やっぱり、…そう…なりますよねぇ。』
『なるだろそりゃ。…マティアス陛下に自国の恥を晒したんだ。あのプライドの高い母上はさぞショックを受けただろうさ。
でも、今回の事が無かったら気付かないまま、取り返しの付かない事態にまでなってたはずだ。』
『…ぎりぎりですよ、今だって。十年、俺は言ってきたんだから。』
『ああ、分かってる。…否、実際見て…やっと分かった。…悪かった。あと……礼を言う。』
『………。』
まさか。兄に礼を言われるとは思わなかったから、信じられなくてすごく間抜けな顔をしてしまった。
兄は決してお遊びで政務をしていたのではなく、兄なりに真剣に国の事を考えて毎日過ごしていたらしい。
ならもっと早く俺の話に耳を傾けてくれよ、とは思ったけれど、ただ単に…“見下している俺の言葉だから”といった感情もあった様だ。
ばつの悪そうな表情で兄は謝罪したけれど、謝罪についてはどうでも良かった。
俺自身の事についてもそうだし、国の状況についての謝罪も、俺に謝る事じゃないから。
「女王は厳しそうだな。」
「ええ。想定していた通りですけどね。今まで俺の言葉を聞かなかったのは…大国だと過信していたからなのと、何に対してもですが…自分の判断が正しいと思っていたからです。」
「それが崩れたわけだ。それに、他国に恥を晒したとなれば…そう簡単には立ち直れんだろうな…。」
「はい。…けれど、想定外だったのは兄です。兄もプライドが高い人間なので母と同じ状態になるかも知れないと予想していましたが…嬉しい誤算でしたよ。」
「上に立つ者の自覚でも出たのだろう。」
「ええ、俺もそう思いました。
その兄ですが…女王の退位に向けて動くそうです。…恐らく女王も受け入れるでしょうね。」
母は母親ではなく“女王”だった。
自分の統治、女王としての資質に自信を持っていた。
大国であるドライト王国は他の国に比べ、遥かに豊かな国であると絶対の自信を持っていたんだ。
けれど、蓋を開ければそうじゃなかった。
荒れて痩せ細った土地、そこで暮らす民の表情はお世辞にも“大国”で暮らしているなんて言えない、楽しみや希望など何もない表情。
そんな“国の恥”である部分を同じく大国のマティアス陛下に見せてしまった。
持っていた女王としての、統治者としての絶対の自信はひび割れ、砕けた。
視察から戻るなり自室に隠ってしまった女王の代わりに動いたのは兄で、その兄は周りの貴族たちを動かし、女王に退位を求めるつもりでいる。この件に関してはそれが、一番いい終わり方だから。
「…しかし残念だ。
そなたの方が王に向いていると思うのだが。」
「いいんですよ。動きたい時に動けないのは嫌なんで…あと、時期国王じゃなかったから国の問題に気付けたっていうのもありますし。
俺は周りから見下されている。王になったって、然程力は持てないと思うんですよね。
…今は違うと思うけど…マティアス陛下にもそういう時があったんじゃないですか?」
「…ああ、あったな。割りと最近まで。」
「ね?なら、兄が王になった方が断然いい。兄なら、貴族たちも言葉を聞くし、動く。
それに一番は…国王になったらサイカを手に入れられないじゃないですか!」
「……諦めの悪い男だ…。」
「そうですね。諦めは悪いです。因みに性格も良くないんで。でも自覚があるのでまだいいじゃないですか。
いつかきっと…俺もサイカの男になります。なってみせますよ、マティアス陛下。」
「……。」
「悪い方にばかり考えないで下さい。
ドライト王国での俺の地位、立場。
総合的に見れば…色々と役立つでしょう?
陛下や皆さんなら…そこの所、よーく分かっていらっしゃると思うんですけど。」
「……。」
「沈黙は肯定と取りますね。
陛下や皆さんが俺を五人目の男にしたくないのは個人的な気持ちの部分だけ。
それを除くとメリットの方が大きい。
なら…要はサイカだ。決定権はサイカにある。
じゃあ俺は、ずっとサイカを思い続けます。この思いをずっと貫く。」
以前に比べたら俺も随分変わったなと思う。
少し前の俺は、こんなにも人前でズバズバ言える性格じゃなかったし、以前は面倒くささと恐怖の方が大きかったから否定的な言葉や強い言葉は言わなかった。
何を言われても笑顔。
傷付いた顔をすれば、余計に相手は付け上がる。
誰と話しをしても、相手の望むような言葉を返してきた。
そうしていると自分を守れたからだ。
誰かに本音を伝えるということ。素直な、正直な気持ちを伝えるのは俺にとって恐怖と、諦めしかなかった。
誰も、理解しない。誰も、理解しようともしない。
なら、伝わらないと諦めた方が馬鹿を見ないで済む。余計な傷を負わなくて済む。
ずっとずっと、長い間そうしてきたから本当の自分すら分からなくなっていた。
どうやって本当の自分を出せばいいのかも分からない。自分の本音を伝える事も難しくて、作った表情じゃなくて、自分の心に従った表情を出すのもとても難しくて、恐ろしくて。
最初の頃はサイカの前でも取り繕うような笑顔しか出来なかったけれど、あの子は根気強く俺に付き合ってくれて…やがて少しずつ、サイカの前では素の自分で過ごすが出て来て…。
その時に初めて知ったんだ。
一人よがりじゃない。自分の気持ちを知ろうとしてくれて、自分の気持ちが相手に伝わる…ただそれだけの事が、何よりも嬉しくて。
本当の自分でいるのは、何て楽で、楽しいんだろうって。
こんなにも、幸せな事なんだって、サイカのお陰で初めて知った。
“変わったな”と今回、兄にも言われた。俺自身で感じる変化は周りも感じているみたいだ。
サイカが本当の俺を知っている。
人の顔色を伺って笑顔しか浮かべない、誰にとっても都合のいいサーファスじゃなく、好きな子の前でも泣いてしまうような…涙脆くてみっともなくて、性格だって良くはないサーファスをサイカは知っている。
好きで笑顔でいた訳じゃない。
自分を守る為の手段で、人付き合いを無難に済ませる為に笑顔を作っていた俺をサイカは知っている。
あの子が俺を知って、俺の味方でいてくれるというだけで…有り得ない程の力が湧いてくるんだ。
あの子の笑顔を、その存在を思い浮かべるだけでこんなにも力強く、前向きな気持ちで生きていける。
地位も権力も、美醜もどうだっていい。
他人の評価もどうだっていい。
身内の尊大な態度も放漫な態度だってどうだっていい。
気にならなくなれば心が一気に軽くなった。
視野も世界も広がり、それまで見えなかった、見ようとはしなかった色んなものが見え始めた。
大変な事も増えたし忙しくもなったけれど…毎日責任だけでしか感じていなかった生きる意味も今はそれだけじゃないと感じるし、毎日が輝いている。
人生、捨てたもんじゃない。
否、俺の人生は何て素晴らしいんだ。
それを教えてくれたのは、俺の大好きなあの子だ。
サイカに出会ったから、サイカを好きになったから、責任だけじゃない、人生の生きる意味を感じるようになったんだ。
やっと、やっと苦しいだけじゃない生きる意味を見つけたんだ。
「俺ね、歳を取って…お爺さんになってもしつこいと思う。
多分、死ぬまであの子を諦められないと思うんですよ。」
「…サイカが望まなくても、か。」
「ええ。何度断られても。ほんの少しでも望みがあるなら…死ぬまで、あの子を思い続けるでしょうね。
それこそ、あの子が俺の事を大嫌いになるくらいじゃないと…思いを断ち切るのは無理だと思うので。」
「……そうか。」
「同じ女に、きっと何度も恋をする。初恋は理想が強かった。でも会うたび、話すたび、あの子を知るたび…強く、恋を実感する。
あの子がどんな子かを知った。どんな考えを持ち、どんな人間かを知った。
知ったらまた…好きになった。同じ女に二度、恋をした。」
強く、強く思う。
強く、強く感じる。
彼女じゃなければ。サイカでないと駄目なんだ。
サイカがいい。あの子がいい。どうしても。どうしてもどうしても。
サイカと恋をして、サイカを愛して、愛されたい。
切なくて、嬉しくて、もどかしくて、楽しくて、苦しくて、優しくて、悲しくて、素敵で、やるせなくて、けれどとても幸せな恋を。
俺はサイカとしたいんだって、強く、とても強く思うんだ。
「マティアス陛下。
俺は、あの子に必要な男になりますよ。皆さんが与えてくれたチャンスを無駄にはしない。そうなるように必ず仕向ける。
それが一年後か五年後か十年後か…はたまたもっと先かは分かりませんけどね。」
「…そう言えば…以前、そなたは長期戦を見据えていると言っていたな。」
「ええ。例えよぼよぼのお爺さんになったとしても片想い上等です。
俺の生涯の恋はあの子だけに捧げるつもりなので。ああ、付け加えると愛も、ですね。」
はっ。っとマティアス陛下が小さく笑う。
笑ったのは多分、俺の気持ちを容易く理解出来るからだ。
陛下が俺の立場であれば、きっと同じだったろう。
絶対にこの女だという、そんな運命の女に出会ってしまった。
例え何年、何十年と経とうとこの思いは色褪せない。
長い年月が経ち、それでもあの子との関係が友人から変わらなくたって、きっと変わらず思い続けている。
沢山の女性と出会っても、色んな出会いがあったとしても、もうあの子にしか恋は出来ない。そんな予感さえある。
年老いて色んな事を忘れていったとしても、きっとずっと、あの子に恋をしてるんだ。
ずっとずっと、色鮮やかに。
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