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163 新婚の心得と大喜びの夫 後編
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自分が恋愛方面に疎い事は理解している。
何せサイカと出会うまではこの僕の容姿を受け入れる奇特な女などいなかったし、そもそも恋愛といった男女のそれにも興味は無かった。
母の、父を慕い続けたある意味純粋な愛はまた別として…父と義母たちの行為や関係を僕はずっと嫌悪すらしていたのだ。
毎日毎日四六時中朝も昼も夜も女の事しか頭にない父。
腹が減ると時間関係なく食事を取り、疲れると眠り、仕事をする事もなく色に溺れるだけのただれた日々。
僕はやるべき事もやらず怠けている奴が大嫌いだ。
父や義弟たちを嫌悪していたが義母や義妹たちのような女もうんざりだった。
弟妹たちは自分たちのしたい事、やりたい事しかせず何人かの弟は、あの父親のように女の尻を追いかける事に夢中だった。
それでもクラフ公爵家の人間かとよく情けない気持ちになったものだ。
恋も愛も下らない。そういった俗物的なものも僕は嫌っていたし、下らなすぎてしたいとも思っていなかった。そんな暇もなかったし。
がしかし。
サイカと出会った後の僕はその下らないと思っていたものたちを下らないとは思わなくなっていた。
サイカという女に会う為必死になって仕事をし、僅かな時間を作っていた。
サイカの事を考えるとむくむくと性欲がわき、自慰に耽ることも。
無駄なものと思っていた色恋、女にどっぷりと嵌まっていった。
そして念願叶いサイカと結婚して数日が経った僕は……
「こら。そんなに密着されると動きにくい。」
「…ごめんなさい。えと…離れた方がいい?」
「馬鹿。昨日伝えたばかりなのにもう心得を忘れたのか?
…そうだな……首に腕を回すのではなく、胸部に抱きついていればいい。
首に抱きつかれたままだと腕を動かしにくいんだ。それ以外全く文句はない。」
結婚後の僕は、愛する妻限定で俗物的なあれこれが大歓迎になっていた。
「新婚というのは素晴らしい。」
こんな素晴らしい心得があるのだと教えてくれたルドルフや使用人たちには感謝しかない。
サイカがこんなにも僕に甘えてくるなどそう多くないのだから。
世の中素晴らしい習慣もあったものだ…ルドルフは実に良い知らせを僕に運んでくれた、とあの日の出来事を思い起こす。
あれはそう、結婚式の丁度二日前の事だ。
式の二日前とあって屋敷にいる皆が慌ただしく動いている最中、書類を読み漁る僕にこれまでにない程真剣な表情をしたルドルフがこんな事を僕に尋ねたのが始まりだった。
「旦那様。旦那様は新婚の心得をご存知ですか?」
「…何を言っているんだお前は。」
「その様子ですとやはりご存知無かったのですね…危惧していた通りだ。これは不味い…ええ、非常に不味いですよ。」
「はぁ?」
尚も気にせず書類を読み進める僕だったが、次に発したルドルフの言葉は衝撃だった。
「新婚の心得その一。
夫婦は長く離れる時間があってはならない。これまで旦那様と奥さ…サイカ様は中々お会い出来ない日々が続いたのです。
旦那様はクラフ公爵領当主。多忙を極める方。そしてサイカ様は、レスト帝国の国母でもあらせられます。互いにお忙しい…。」
「…だから何だ。」
「いけません旦那様。旦那様はこれまでもサイカ様にお会いする為色んな事を調整しなければなりませんでした!サイカ様が奥様になればそりゃ屋敷に居て下さいますけどね!?でもだからって旦那様の忙しさが緩和する訳でもなければ奥様をお迎えした後もっとお忙しくもなるでしょう!そうなると最悪、お二人で過ごせる時間は食事と就寝の時くらいしかないのでは!?帝都とクラフ公爵領、離れた場所にいるなら兎も角結婚しこのお屋敷で奥様が過ごしているのに一緒に居られる時間が少なくていいのですか!?いえ、いいはずがないのです!何事も最初が肝心なのです旦那様!!」
「あ、ああ…?」
「良く考えて下さい。サイカ様は天使のようにお優しい方ですよ?これまでだってお忙しい旦那様を気遣ってこられた、お優しく謙虚で慎ましい…もう間違いなく女神様…コホン、そんなサイカ様は奥様となっても旦那様を気遣い、遠慮もするでしょう。何が言いたいかと言いますと、多忙な旦那様とお優しい奥様の結婚生活は……すれ違いの日々が待っているかも知れません。」
「何!?」
「旦那様は奥様が屋敷にいる事に安堵し、もう少し時間に余裕が出来た時に思う存分奥様を構おう、ときっとそう思うでしょう。そして奥様も、当然のようにお忙しい旦那様を気遣い我慢なさるでしょう。いいですか旦那様。旦那様の立場では“時間に余裕”なんてそれこそ中々無いのです。これまでだって無かったんですから今後も無いです。ええ、断言します。すれ違いは恐ろしいですよ旦那様。ちょっとした気持ちの擦れが今後の夫婦生活を地獄にも変えるのです。これは決して大袈裟な事ではなく世の夫婦の多くが経験している事実なんです。」
「…まさか、僕とサイカに限ってそんな、」
「その油断が命取り、と申します。
考えてもみて下さいよ。食事と就寝時以外でいつお二人がゆっくり過ごせる時間があるのですか。正味な話…式を挙げて三、四日くらいじゃないですか?その間にも旦那様がやらねばならない仕事は待ってはくれないんですから余りゆっくりし過ぎると後の旦那様が大変な事になりますし。普段お忙しい旦那様がやっと時間を作っても…きっとあの慎ましい奥様は遠慮してしまうでしょうね…。後日時間を作る、では遅いのです!その後日は直ぐに来ないのだから!そしてそういった日々を過ごす内、奥様はどんどん旦那様に遠慮なさり、いつしかお二人の間には少しずつ溝が出来てしまうのです!!」
「!!?
…馬鹿な、……くそ…!では僕はどうすればいいんだ…!?」
「そんな、旦那様のような多忙を極める方にこそあって嬉しい新婚の心得というものが世間には常識としてあるのですよ。」
「何だと!?」
「そう。この心得は想い合って結ばれ、晴れて夫婦となった二人が習慣付けることで今後も夫婦円満な仲を築いていける可能性が高い…馬鹿に出来ないものなのです。」
ルドルフから聞いた心得はどれも本当にそんな低俗な心得が世の中にはあるのか?と疑うくらい、少し前の僕なら下らないと吐き捨てたものばかりだったのだが、“お疑いなら使用人たちに確認してみては如何でしょう”と自信満々のルドルフの言葉に渋々従い、僕に用があって部屋にやってきた使用人たちに確認してみた。
『新婚の心得で御座いますか?ええ、常識ですよ旦那様!!』
『新婚の心得と申しますか、夫の努力もそうですけれど、妻の頑張りが大変重要なもので御座います。特に旦那様のような多忙を極めるお方にこそ効果は抜群…。新妻の健気かつ愛らしい姿に最高に癒されつつ色んな…そう、色んな活力にもなる……と聞いた事が御座いますね。』
『旦那様ご存知無かったのですか!?そんな…新婚とは蜜月。ただひたすらいちゃついていても当たり前…。いちゃいちゃ所か普段は出来ないあんなことやそんなことまで許される期間ですのに!!』
『新婚夫婦は馬鹿になっても許されるのです、旦那様。そう、それは場所や時間、所構わずいちゃつこうとも新婚故に許されるのです。新婚ですから。』
『夫が新妻をこれでもかという程愛でようと、新妻が夫にこれでもかという程甘えても新婚なので許されます。
仮に第三者がその現場を偶然目撃しても…新婚なのね、で納得される…それが新婚期間というものなんです旦那様。』
『因みにでは御座いますが。可愛い新妻に対しちょっとばかりオイタしても“新婚だから許してほしい”と本人へ伝えると大概許されます。ご参考までに。』
使用人たちは“新婚の心得”なるものが存在すると皆口を揃えて言うではないか。
しかも新婚夫婦は所構わずいちゃつくものだとも。
こんな嘘みたいな心得が本当にあるとは…とルドルフを見るとそれはそれはいい笑顔で頷いた。
「…成る程……なかなか…為になった。」
馬鹿みたいだとは思うが僕の相手はサイカなので満更でもない。否、白状すると楽しみな気持ちが大きかった。
世の中下らない事も多いが全てが下らない事ばかりではないと一つ知った。
サイカと恋人になって学んだ事も多いが…こういった…世間では常識として出回っている新婚の心得なんてものがあるなどと、今回ルドルフたちから聞くまで一切知らなかった。
やはり恋愛方面に関して、僕はまだまだ疎い部分があるようだ。
こんな素晴ら…重要かつ重大な心得を知らせてくれたルドルフたちへの感謝の気持ちはボーナス支給で表す事にし、僕は僕自身が初めて知った新婚の心得なる情報を妻であるサイカへ伝えたのだった。
サイカは義母たちのように羞恥心の欠片もない女ではなく、此方が悶々としてしまう程恥じらう女だ。貞淑と言えば貞淑なのか?ベッドの上ではひたすらに可愛いが。積極的でもあるしな。
奥ゆかしく恥じらいを忘れないサイカも勿論堪らなく可愛いが、欲を言うならリュカリュカと僕の名前とリュカ大好き愛してると好意だけを口にしながらこれでもかと甘えるサイカをセックス以外の時も出して欲しい。それが人前であろうと無かろうと関係なく。
新婚の心得を伝えた後のサイカは顔を赤くさせて呆然とし、“ちょ、ちょっと話の整理と心の準備が必要だから”と自室へ戻ってしまう。
ああ、すぐに照れてしまうサイカにはやはり難しいか…とだいぶ残念に思いつつ、今は無理でも何れは…と長い目で見ようと思ったその翌日、僕はとんでもない衝撃に襲われる。
サイカが。あの恥ずかしがり屋のサイカが。ベッドの上以外では中々羞恥心を捨てないサイカが。普段我が儘も言わず甘え下手なサイカが……まさか「抱っこ」なんてそんな、そんな可愛い事を言うなど誰が想像出来ようか。
抱っこで膝に乗せろなんてそんな、とんでもなく可愛い我が儘がまさかサイカの口から出てくるなど、昨日までの僕は想像もしていなかった。
恥ずかしいのは恥ずかしいのだろう。
顔も耳も首も、広げて待つ両手さえも真っ赤にして、大きな瞳は今にも溢れそうになっている涙で潤んでいた。
ふるふると小刻みに震えているのも意味が分からないくらいに可愛い。
リュカ、と心細く不安そうな声。
これは現実か?今現実なのか?夢ではなく?
もう呼吸が止まるくらい可愛いサイカを目にし、死ぬかと思った。
新婚の心得とは何て素晴らしいんだ。
新婚生活とは最高じゃないか。
新婚期間だけでなく死ぬまで続けたいものだ。否、これは是が非でも続けさせなければ。これは長く続く夫婦生活の為でもある。夫婦円満を続かせるにはこうした双方の努力が最も大事なのだろう。それが今、はっきりと分かった。完全に理解した。
過去の僕。低俗も大切だ。俗物も。
下らないが下らなくないものもある。
ことサイカという愛する妻に関してはどれもが全く下らなくないぞ。
現に今、僕は幸せすぎてどうにかなりそうだ。
「リュカ、大好き。」
「……はーーーーー…、これは…堪らない…」
今現在仕事をしている僕の膝に座り胸元にすり寄るように甘えるサイカにこれでもかと癒されている。
こんなに仕事が楽しいのは初めてだ。
新婚四日目のあの時よりも楽しい。何故なら今日は僕にされるがままのサイカではなくサイカ自身が僕に甘えているからだ。
「……キスは?」
「んー…、」
目が合うと僕の気持ちを察したのか、サイカからのキス一つ。
求めればまるで褒美のようにまたキスが。
僕に用がある使用人が部屋に入って来るとサイカの体が緊張するのが伝わってもくるし、ぎこちない様子になるものの、それでも普段のサイカからは考えられない状況だ。
因みにルドルフは僕の補佐をしている為殆ど部屋にいるが…気配を断ち完全に空気と化している。ルドルフ、今のお前は家令ではなく隠密に長けた諜報部員に向いているぞ。
しかし新婚というのは本当に素晴らしい。
こんなに可愛いサイカが見れるなんて思わなかった。
結婚して本当に良かった。サイカを妻に出来て本当に良かった。今ばかりは全力で、心から神に感謝する。
サイカが相手なら低俗も俗物も大歓迎だ。
こんな素晴らしい常識があった事に気付くのが少し遅くなってしまったが今日からでも積極的に取り入れたい。
「側で応援する事しか出来なくてごめんね。リュカ、頑張って。」
「ああ、待ってろ。今日の分をすぐ終わらせてみせる。」
単純かも知れないがサイカがいるといないとでは仕事の熱の入り方が全く違う。
クラフ公爵領では父のお陰で未だややこしい問題を抱えた土地が幾つかあり、考えるのも億劫になりそうな案件等、毎年必ず新たな問題が僕の元へ舞い込んで来る。
天候や災害に左右されるものも当然多く頭痛に悩まされる事も少なくない。
考えが纏まらなすぎて一旦仕事を中断してしまうのが普段通りならば、サイカが側にいる日は、ふと閃きがあったりサイカと話す内に考えが纏まったりと不思議と作業が進んでいく。
サイカは“応援しか出来ない”と言うが、とんでもない。
故郷のニホンでは十代後半まで当然のように教育を学んだサイカ。
その後は社会で働いていたサイカ。
サイカのこれまでの経験は決して無駄な事ではなく、僕の仕事でも大いに役立ってくれている。
「この土地は引き続き作物の実りが悪い…いや、年々悪くなってないか?」
「ですね。一昨年より昨年、昨年より今年と悪くなっているみたいです。
災害も起こっていませんし穏やかな気候なのですが…何故なんでしょうか…。」
「…解決策がなければ税収を考慮せねばならん。どうにか出来ればいいんだが…土が痩せていると村の者たちが言っていたな。場所を変えても数年経てば同じことが起こってしまうと。」
「はい。…あの土地は昔は芋が大量に収穫出来て生活にも困らなかったと聞いてたのですが…どうにかならないものですかね…。」
「…それって、連作障害が起きてるんじゃないかな?」
「…連作障害?」
「専門家でもないから確かな事は分からないけれど、土が痩せてるって村の人たちは言ってるんですよね?
同じ場所で人工的に農作物を繰り返して育てていると土壌病害が極端に表れやすくなるって学んだ事があります。」
「…だが、水田で作っているものにはそういった報告はないんだが…。」
「それは水を注いだり水を抜いたり、そういう作業をしているからですよ。
土には微生物が沢山いて、その微生物のお陰もあって作物が実るんです。だけどいいものばかりじゃなくて有害なものも当然いて、土壌環境が悪化するらしいです。
それに、微生物だけじゃなくて作物に病害虫は付き物って良く聞きますし。
水田で被害が少ないのは、水を注いだり抜いたりすることで微生物の寡占化を防げるからって聞きました。」
『………。』
「えと…確か、混作するにしても近縁種は避けなくちゃいけなくて、育てる場所も経過を見て変えたりだとか…育てるものによっては接き木も効果があるらしいの。私の話はあくまで学んだ、聞いたことのある知識としてだから…絶対、とは言えないんだけど…。」
内心焦った。
僕と部屋にいたのがルドルフだったから良かったものの…お前のその知識は普通の貴族令嬢が知っているものではないし普通の貴族令嬢と言うか、平民でも中々いないだろう。
お前のそれは軽く専門知識に当たるものだぞ。とこっそりサイカに伝えた僕は正しい。
まして僕はルドルフにサイカが元娼婦だった事は伝えたがこの世界とは違う、この世界よりもあらゆる分野で水準の高い…遥か未来のような世界から来た事は伝えていないのだから、ルドルフが唖然とした表情になるのも仕方ない。
けれど、そんなサイカのお陰でこの日の仕事はかなり捗り、普段よりずっと時間に余裕が出来た。
夕食までの間、サイカと甘い時間を過ごせるくらいに。
「やはりお前は僕の女神だな。」
「な、なに、突然。」
「仕事でこんなに充実感を得たのは初めてだ。頭痛もしなかったし最初から最後までやる気しかなかったぞ。お前が傍にいたお陰だ。」
「そう?…なら、嬉しいな。」
「ああ。明日も明後日も明々後日も、ずっと頼む。
ああ、でも一つだけ。お前の知識は助かるが気を付けなければならない。いいな?」
「う、うん。」
「よし。…折角早く仕事を終える事が出来たんだ。夕食まではまだ時間があることだし……するか。」
「うん……え?えええ!?するって、…何を!?あ、ちょ、今から!?今からなの!?だめ、だめだから!時間があるって言っても時間が来てもリュカ絶対止めないで……あんっ!やだ、ドレス脱がしながら胸揉まないでぇ~~!」
「新婚だからな。堪え性のない夫を許してくれ。」
駄目と言いつつ最終的には僕を許してくれるサイカ。
結局夕食の時間になっても僕が行為を止められず、ぐったりするサイカの為に部屋で取る事になってしまったが後悔も罪悪感もない。
新婚とはなんと素晴らしい。
僕とサイカの幸せな夫婦生活は始まったばかりだ。
何せサイカと出会うまではこの僕の容姿を受け入れる奇特な女などいなかったし、そもそも恋愛といった男女のそれにも興味は無かった。
母の、父を慕い続けたある意味純粋な愛はまた別として…父と義母たちの行為や関係を僕はずっと嫌悪すらしていたのだ。
毎日毎日四六時中朝も昼も夜も女の事しか頭にない父。
腹が減ると時間関係なく食事を取り、疲れると眠り、仕事をする事もなく色に溺れるだけのただれた日々。
僕はやるべき事もやらず怠けている奴が大嫌いだ。
父や義弟たちを嫌悪していたが義母や義妹たちのような女もうんざりだった。
弟妹たちは自分たちのしたい事、やりたい事しかせず何人かの弟は、あの父親のように女の尻を追いかける事に夢中だった。
それでもクラフ公爵家の人間かとよく情けない気持ちになったものだ。
恋も愛も下らない。そういった俗物的なものも僕は嫌っていたし、下らなすぎてしたいとも思っていなかった。そんな暇もなかったし。
がしかし。
サイカと出会った後の僕はその下らないと思っていたものたちを下らないとは思わなくなっていた。
サイカという女に会う為必死になって仕事をし、僅かな時間を作っていた。
サイカの事を考えるとむくむくと性欲がわき、自慰に耽ることも。
無駄なものと思っていた色恋、女にどっぷりと嵌まっていった。
そして念願叶いサイカと結婚して数日が経った僕は……
「こら。そんなに密着されると動きにくい。」
「…ごめんなさい。えと…離れた方がいい?」
「馬鹿。昨日伝えたばかりなのにもう心得を忘れたのか?
…そうだな……首に腕を回すのではなく、胸部に抱きついていればいい。
首に抱きつかれたままだと腕を動かしにくいんだ。それ以外全く文句はない。」
結婚後の僕は、愛する妻限定で俗物的なあれこれが大歓迎になっていた。
「新婚というのは素晴らしい。」
こんな素晴らしい心得があるのだと教えてくれたルドルフや使用人たちには感謝しかない。
サイカがこんなにも僕に甘えてくるなどそう多くないのだから。
世の中素晴らしい習慣もあったものだ…ルドルフは実に良い知らせを僕に運んでくれた、とあの日の出来事を思い起こす。
あれはそう、結婚式の丁度二日前の事だ。
式の二日前とあって屋敷にいる皆が慌ただしく動いている最中、書類を読み漁る僕にこれまでにない程真剣な表情をしたルドルフがこんな事を僕に尋ねたのが始まりだった。
「旦那様。旦那様は新婚の心得をご存知ですか?」
「…何を言っているんだお前は。」
「その様子ですとやはりご存知無かったのですね…危惧していた通りだ。これは不味い…ええ、非常に不味いですよ。」
「はぁ?」
尚も気にせず書類を読み進める僕だったが、次に発したルドルフの言葉は衝撃だった。
「新婚の心得その一。
夫婦は長く離れる時間があってはならない。これまで旦那様と奥さ…サイカ様は中々お会い出来ない日々が続いたのです。
旦那様はクラフ公爵領当主。多忙を極める方。そしてサイカ様は、レスト帝国の国母でもあらせられます。互いにお忙しい…。」
「…だから何だ。」
「いけません旦那様。旦那様はこれまでもサイカ様にお会いする為色んな事を調整しなければなりませんでした!サイカ様が奥様になればそりゃ屋敷に居て下さいますけどね!?でもだからって旦那様の忙しさが緩和する訳でもなければ奥様をお迎えした後もっとお忙しくもなるでしょう!そうなると最悪、お二人で過ごせる時間は食事と就寝の時くらいしかないのでは!?帝都とクラフ公爵領、離れた場所にいるなら兎も角結婚しこのお屋敷で奥様が過ごしているのに一緒に居られる時間が少なくていいのですか!?いえ、いいはずがないのです!何事も最初が肝心なのです旦那様!!」
「あ、ああ…?」
「良く考えて下さい。サイカ様は天使のようにお優しい方ですよ?これまでだってお忙しい旦那様を気遣ってこられた、お優しく謙虚で慎ましい…もう間違いなく女神様…コホン、そんなサイカ様は奥様となっても旦那様を気遣い、遠慮もするでしょう。何が言いたいかと言いますと、多忙な旦那様とお優しい奥様の結婚生活は……すれ違いの日々が待っているかも知れません。」
「何!?」
「旦那様は奥様が屋敷にいる事に安堵し、もう少し時間に余裕が出来た時に思う存分奥様を構おう、ときっとそう思うでしょう。そして奥様も、当然のようにお忙しい旦那様を気遣い我慢なさるでしょう。いいですか旦那様。旦那様の立場では“時間に余裕”なんてそれこそ中々無いのです。これまでだって無かったんですから今後も無いです。ええ、断言します。すれ違いは恐ろしいですよ旦那様。ちょっとした気持ちの擦れが今後の夫婦生活を地獄にも変えるのです。これは決して大袈裟な事ではなく世の夫婦の多くが経験している事実なんです。」
「…まさか、僕とサイカに限ってそんな、」
「その油断が命取り、と申します。
考えてもみて下さいよ。食事と就寝時以外でいつお二人がゆっくり過ごせる時間があるのですか。正味な話…式を挙げて三、四日くらいじゃないですか?その間にも旦那様がやらねばならない仕事は待ってはくれないんですから余りゆっくりし過ぎると後の旦那様が大変な事になりますし。普段お忙しい旦那様がやっと時間を作っても…きっとあの慎ましい奥様は遠慮してしまうでしょうね…。後日時間を作る、では遅いのです!その後日は直ぐに来ないのだから!そしてそういった日々を過ごす内、奥様はどんどん旦那様に遠慮なさり、いつしかお二人の間には少しずつ溝が出来てしまうのです!!」
「!!?
…馬鹿な、……くそ…!では僕はどうすればいいんだ…!?」
「そんな、旦那様のような多忙を極める方にこそあって嬉しい新婚の心得というものが世間には常識としてあるのですよ。」
「何だと!?」
「そう。この心得は想い合って結ばれ、晴れて夫婦となった二人が習慣付けることで今後も夫婦円満な仲を築いていける可能性が高い…馬鹿に出来ないものなのです。」
ルドルフから聞いた心得はどれも本当にそんな低俗な心得が世の中にはあるのか?と疑うくらい、少し前の僕なら下らないと吐き捨てたものばかりだったのだが、“お疑いなら使用人たちに確認してみては如何でしょう”と自信満々のルドルフの言葉に渋々従い、僕に用があって部屋にやってきた使用人たちに確認してみた。
『新婚の心得で御座いますか?ええ、常識ですよ旦那様!!』
『新婚の心得と申しますか、夫の努力もそうですけれど、妻の頑張りが大変重要なもので御座います。特に旦那様のような多忙を極めるお方にこそ効果は抜群…。新妻の健気かつ愛らしい姿に最高に癒されつつ色んな…そう、色んな活力にもなる……と聞いた事が御座いますね。』
『旦那様ご存知無かったのですか!?そんな…新婚とは蜜月。ただひたすらいちゃついていても当たり前…。いちゃいちゃ所か普段は出来ないあんなことやそんなことまで許される期間ですのに!!』
『新婚夫婦は馬鹿になっても許されるのです、旦那様。そう、それは場所や時間、所構わずいちゃつこうとも新婚故に許されるのです。新婚ですから。』
『夫が新妻をこれでもかという程愛でようと、新妻が夫にこれでもかという程甘えても新婚なので許されます。
仮に第三者がその現場を偶然目撃しても…新婚なのね、で納得される…それが新婚期間というものなんです旦那様。』
『因みにでは御座いますが。可愛い新妻に対しちょっとばかりオイタしても“新婚だから許してほしい”と本人へ伝えると大概許されます。ご参考までに。』
使用人たちは“新婚の心得”なるものが存在すると皆口を揃えて言うではないか。
しかも新婚夫婦は所構わずいちゃつくものだとも。
こんな嘘みたいな心得が本当にあるとは…とルドルフを見るとそれはそれはいい笑顔で頷いた。
「…成る程……なかなか…為になった。」
馬鹿みたいだとは思うが僕の相手はサイカなので満更でもない。否、白状すると楽しみな気持ちが大きかった。
世の中下らない事も多いが全てが下らない事ばかりではないと一つ知った。
サイカと恋人になって学んだ事も多いが…こういった…世間では常識として出回っている新婚の心得なんてものがあるなどと、今回ルドルフたちから聞くまで一切知らなかった。
やはり恋愛方面に関して、僕はまだまだ疎い部分があるようだ。
こんな素晴ら…重要かつ重大な心得を知らせてくれたルドルフたちへの感謝の気持ちはボーナス支給で表す事にし、僕は僕自身が初めて知った新婚の心得なる情報を妻であるサイカへ伝えたのだった。
サイカは義母たちのように羞恥心の欠片もない女ではなく、此方が悶々としてしまう程恥じらう女だ。貞淑と言えば貞淑なのか?ベッドの上ではひたすらに可愛いが。積極的でもあるしな。
奥ゆかしく恥じらいを忘れないサイカも勿論堪らなく可愛いが、欲を言うならリュカリュカと僕の名前とリュカ大好き愛してると好意だけを口にしながらこれでもかと甘えるサイカをセックス以外の時も出して欲しい。それが人前であろうと無かろうと関係なく。
新婚の心得を伝えた後のサイカは顔を赤くさせて呆然とし、“ちょ、ちょっと話の整理と心の準備が必要だから”と自室へ戻ってしまう。
ああ、すぐに照れてしまうサイカにはやはり難しいか…とだいぶ残念に思いつつ、今は無理でも何れは…と長い目で見ようと思ったその翌日、僕はとんでもない衝撃に襲われる。
サイカが。あの恥ずかしがり屋のサイカが。ベッドの上以外では中々羞恥心を捨てないサイカが。普段我が儘も言わず甘え下手なサイカが……まさか「抱っこ」なんてそんな、そんな可愛い事を言うなど誰が想像出来ようか。
抱っこで膝に乗せろなんてそんな、とんでもなく可愛い我が儘がまさかサイカの口から出てくるなど、昨日までの僕は想像もしていなかった。
恥ずかしいのは恥ずかしいのだろう。
顔も耳も首も、広げて待つ両手さえも真っ赤にして、大きな瞳は今にも溢れそうになっている涙で潤んでいた。
ふるふると小刻みに震えているのも意味が分からないくらいに可愛い。
リュカ、と心細く不安そうな声。
これは現実か?今現実なのか?夢ではなく?
もう呼吸が止まるくらい可愛いサイカを目にし、死ぬかと思った。
新婚の心得とは何て素晴らしいんだ。
新婚生活とは最高じゃないか。
新婚期間だけでなく死ぬまで続けたいものだ。否、これは是が非でも続けさせなければ。これは長く続く夫婦生活の為でもある。夫婦円満を続かせるにはこうした双方の努力が最も大事なのだろう。それが今、はっきりと分かった。完全に理解した。
過去の僕。低俗も大切だ。俗物も。
下らないが下らなくないものもある。
ことサイカという愛する妻に関してはどれもが全く下らなくないぞ。
現に今、僕は幸せすぎてどうにかなりそうだ。
「リュカ、大好き。」
「……はーーーーー…、これは…堪らない…」
今現在仕事をしている僕の膝に座り胸元にすり寄るように甘えるサイカにこれでもかと癒されている。
こんなに仕事が楽しいのは初めてだ。
新婚四日目のあの時よりも楽しい。何故なら今日は僕にされるがままのサイカではなくサイカ自身が僕に甘えているからだ。
「……キスは?」
「んー…、」
目が合うと僕の気持ちを察したのか、サイカからのキス一つ。
求めればまるで褒美のようにまたキスが。
僕に用がある使用人が部屋に入って来るとサイカの体が緊張するのが伝わってもくるし、ぎこちない様子になるものの、それでも普段のサイカからは考えられない状況だ。
因みにルドルフは僕の補佐をしている為殆ど部屋にいるが…気配を断ち完全に空気と化している。ルドルフ、今のお前は家令ではなく隠密に長けた諜報部員に向いているぞ。
しかし新婚というのは本当に素晴らしい。
こんなに可愛いサイカが見れるなんて思わなかった。
結婚して本当に良かった。サイカを妻に出来て本当に良かった。今ばかりは全力で、心から神に感謝する。
サイカが相手なら低俗も俗物も大歓迎だ。
こんな素晴らしい常識があった事に気付くのが少し遅くなってしまったが今日からでも積極的に取り入れたい。
「側で応援する事しか出来なくてごめんね。リュカ、頑張って。」
「ああ、待ってろ。今日の分をすぐ終わらせてみせる。」
単純かも知れないがサイカがいるといないとでは仕事の熱の入り方が全く違う。
クラフ公爵領では父のお陰で未だややこしい問題を抱えた土地が幾つかあり、考えるのも億劫になりそうな案件等、毎年必ず新たな問題が僕の元へ舞い込んで来る。
天候や災害に左右されるものも当然多く頭痛に悩まされる事も少なくない。
考えが纏まらなすぎて一旦仕事を中断してしまうのが普段通りならば、サイカが側にいる日は、ふと閃きがあったりサイカと話す内に考えが纏まったりと不思議と作業が進んでいく。
サイカは“応援しか出来ない”と言うが、とんでもない。
故郷のニホンでは十代後半まで当然のように教育を学んだサイカ。
その後は社会で働いていたサイカ。
サイカのこれまでの経験は決して無駄な事ではなく、僕の仕事でも大いに役立ってくれている。
「この土地は引き続き作物の実りが悪い…いや、年々悪くなってないか?」
「ですね。一昨年より昨年、昨年より今年と悪くなっているみたいです。
災害も起こっていませんし穏やかな気候なのですが…何故なんでしょうか…。」
「…解決策がなければ税収を考慮せねばならん。どうにか出来ればいいんだが…土が痩せていると村の者たちが言っていたな。場所を変えても数年経てば同じことが起こってしまうと。」
「はい。…あの土地は昔は芋が大量に収穫出来て生活にも困らなかったと聞いてたのですが…どうにかならないものですかね…。」
「…それって、連作障害が起きてるんじゃないかな?」
「…連作障害?」
「専門家でもないから確かな事は分からないけれど、土が痩せてるって村の人たちは言ってるんですよね?
同じ場所で人工的に農作物を繰り返して育てていると土壌病害が極端に表れやすくなるって学んだ事があります。」
「…だが、水田で作っているものにはそういった報告はないんだが…。」
「それは水を注いだり水を抜いたり、そういう作業をしているからですよ。
土には微生物が沢山いて、その微生物のお陰もあって作物が実るんです。だけどいいものばかりじゃなくて有害なものも当然いて、土壌環境が悪化するらしいです。
それに、微生物だけじゃなくて作物に病害虫は付き物って良く聞きますし。
水田で被害が少ないのは、水を注いだり抜いたりすることで微生物の寡占化を防げるからって聞きました。」
『………。』
「えと…確か、混作するにしても近縁種は避けなくちゃいけなくて、育てる場所も経過を見て変えたりだとか…育てるものによっては接き木も効果があるらしいの。私の話はあくまで学んだ、聞いたことのある知識としてだから…絶対、とは言えないんだけど…。」
内心焦った。
僕と部屋にいたのがルドルフだったから良かったものの…お前のその知識は普通の貴族令嬢が知っているものではないし普通の貴族令嬢と言うか、平民でも中々いないだろう。
お前のそれは軽く専門知識に当たるものだぞ。とこっそりサイカに伝えた僕は正しい。
まして僕はルドルフにサイカが元娼婦だった事は伝えたがこの世界とは違う、この世界よりもあらゆる分野で水準の高い…遥か未来のような世界から来た事は伝えていないのだから、ルドルフが唖然とした表情になるのも仕方ない。
けれど、そんなサイカのお陰でこの日の仕事はかなり捗り、普段よりずっと時間に余裕が出来た。
夕食までの間、サイカと甘い時間を過ごせるくらいに。
「やはりお前は僕の女神だな。」
「な、なに、突然。」
「仕事でこんなに充実感を得たのは初めてだ。頭痛もしなかったし最初から最後までやる気しかなかったぞ。お前が傍にいたお陰だ。」
「そう?…なら、嬉しいな。」
「ああ。明日も明後日も明々後日も、ずっと頼む。
ああ、でも一つだけ。お前の知識は助かるが気を付けなければならない。いいな?」
「う、うん。」
「よし。…折角早く仕事を終える事が出来たんだ。夕食まではまだ時間があることだし……するか。」
「うん……え?えええ!?するって、…何を!?あ、ちょ、今から!?今からなの!?だめ、だめだから!時間があるって言っても時間が来てもリュカ絶対止めないで……あんっ!やだ、ドレス脱がしながら胸揉まないでぇ~~!」
「新婚だからな。堪え性のない夫を許してくれ。」
駄目と言いつつ最終的には僕を許してくれるサイカ。
結局夕食の時間になっても僕が行為を止められず、ぐったりするサイカの為に部屋で取る事になってしまったが後悔も罪悪感もない。
新婚とはなんと素晴らしい。
僕とサイカの幸せな夫婦生活は始まったばかりだ。
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