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第九章 それでも、禁呪は許されませんか

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「んっ、んっ、ううんっ……」

 ベッドに腰かけたルチアーノの足元に跪いて、真純は懸命に舌を動かしていた。ルチアーノの言った通りだ。一舐めするごとに、口の中のものは、驚くほどの勢いで質量を増していく。硬く熱いそれで頬の内側の粘膜を擦られるたび、真純自身も恍惚となるのを感じた。

「また、目を閉じておるぞ」

 ポンポンと頭を撫でられ、真純はハッと瞳を開けた。ルチアーノの命令で、なるべく彼と視線を合わせるようにしているものの、気が付けば瞼が落ちそうになるのだ。恥ずかしい、というよりは、気持ち良すぎるせいだろう。ルチアーノの両手は、休むこと無く真純の躰をまさぐっては、最終的に乳首に到達する。再び前が勃ち上がり始めるのを、真純は感じていた。

「――っ……」

 声にならない吐息が、頭上から降って来る。見上げれば、ルチアーノの白い頬には、うっすら赤味が差していた。もう少しだろうか。だが、張り切って吸い立てようとしたその時、真純はドキリとした。ルチアーノが両脚で、真純の躰を器用に抱き込んだのだ。つま先を背骨に添わせると、そろりそろりと下降させて行く。言い様の無い快感に、真純は躰を震わせた。

「んんっ、んっ……」

 危機感を覚えて躰をよじるも、ルチアーノの脚は、真純をがっちり捕らえて放さない。案の定、彼のつま先は、瞬く間に蕾に到達した。足指で荒っぽく愛撫されただけで、躰中に電流が走るほどの快楽が襲う。するとルチアーノは、にやりと笑った。

「頑張ってくれたが……、私はやはり、こちらで楽しませてもらいたい」

 言葉と同時に、口内からずるりと雄が引き抜かれる。息をつく間も無く、真純はベッド上に抱え上げられた。仰向けに押さえ込まれ、胸に着かんばかりに、大きく脚を広げられる。

「あっ、ルチアーノ、待っ……」
「すまぬ。限界だ」

 制止する間も無く、楔が突き立てられる。二人分の先走りと、真純の唾液のおかげで、それは驚くほどスムースに入って行った。深く、さらに深く突き進むそれに、今さらながら恐怖を覚える。

「あっ、ああっ、あっ……」

 ルチアーノは、最奥まで打ち込んでは入り口付近まで抜き出し、突き立てるのを繰り返す。激しい抽挿に、真純はだんだんわけがわからなくなってきた。
 
「共にいこう」

 ルチアーノが囁く。次の瞬間、ある部分が力強く抉られた。

「――ああっ……!」

 目の前に、閃光が走る。真純は、躰を痙攣させて達していた。

「……っ……、はぁっ……」
 
  息の整わない真純の躰から、ずるりとルチアーノの雄が引き抜かれる。ややあって、腹の上に熱い感覚が広がった。

(やっぱり……、外に……)

「一緒にって、言ったのに……」

 真純は、思わずぼやいていた。真純の額に口づけながら、ルチアーノが微笑む。

「そうだな。また、そなたの方が早かった」

 故意にしたくせに、と真純はルチアーノをにらみつけた。彼が、けろりと言う。

「では、三回目の勝負といくか?」
「……は?」

 冗談だろう、と青ざめた真純だったが、ルチアーノの表情は大真面目だ。どうやら、冗談ではなさそうである。再び覆いかぶさられ、真純は観念して瞳を閉じたのだった。
 
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