溶けたバニラアイス

ちゃん

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溶けたバニラアイス

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二人の定番待ち合わせだった場所、ピンクやらレモンイエローやらライトブルーやら色んな色がせめぎ合う、カラフルな内装のナイトカフェ。
空気を読まないネオン装飾ライト製のやたらキラキラした飾り文字やハート、星やヤシの木型のインテリアが私をうざったくじっと見ている。

バニラアイスの溶けかけた私のクリームソーダ。かつてはデートスポットを彩る甘いドリンクだった。
今は炭酸の小さな泡がフツフツと弾けている様子が、私の勝手なジメジメした苛立ちを表しているように見えてしまうメロンソーダの上に、甘いバニラアイスクリームが。さっき口にしたシロップ漬けのさくらんぼは、ふてくされた私に反して赤く熟れて可愛こぶりっ子した感じだった。
さくらんぼの甘酸っぱさとシロップのふんわり重たい甘さは、今の私の心にはじわりとした毒のようで。
お気に入りの服、ミントグリーンカラーのレース襟ワンピースを着てもなんだか気分は良くない。髪だって巻いてツインテールにしてきたのに。

いつも向かい合って座っていたソファ席に、今は一人。

何がいけなかったのか、そんなことを考えていても答えはでない。
優しいあの人はあまりにも残酷に、私を傷つけない言葉で私を慰めて私の元を去っていった。
思えば少しずつ、二人の関係はダレて、色褪せていた気はしていた。
でも、さ、それって私のせいにしてもよかったじゃん。ちょっとくらい。
女の子同士だし、元々男が恋愛対象だったバイの先輩には色々やりづらかったこともあったのに、私がいつまでも甘ちゃんで子供だったのもあったよ。それに私、結構わがままな女だったし。

なんだよ、そういうやんわりした関係切りが一番傷つくよ。私のことまだ可愛いって思ってくれてるし、好きな部分があったのは分かるけど。楽しかったこともあるし。それは私もそうだもん。

「…ムカつく。」
そんな可愛げの無い言葉を吐き捨てて、ストローを噛んでも、何も戻らないのに。

あ、バニラアイス溶けてきちゃった。
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