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ひとりぼっちの花
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穏やかな海に囲まれ小さな島がいくつか浮かぶように干渉しあわない程よい間隔で並んでいます。
その中でも一番小さな島、その中央に大きな木が一本木陰を作っていました。その周りは芝生を敷き詰めたように緑色に覆われています。
草花達は、小さな可愛い花を微かな風に揺らせながら幸せな時を過ごしていました。
ある時、隣の島から一羽の鳥が飛んできて島で唯一の木の枝に止まり、羽を休めていました。
その鳥は、小さな種を咥えています。
嘴から零れ落ちた種は、鳥が飛んで行った後も木陰で眠っていました。
「ねぇ、君いつまで寝てるんだい?早く起きないと虫達にご馳走をあげられないよ」
小さな花を揺らせながら、まだ種のまま眠っている子を起こそうと話しかけます。
やっと種はもぞもぞと大地に根を伸ばし始めました。
小さな葉がいくつか顔を出し始め、小さな花達を見下ろす程に大きくなっていきました。
虫達が花の周りを忙しく飛び回る頃には、ふっくらとした蕾が姿を現していました。
「やっと蕾がついたね、良かった。虫達にご馳走できるだろう、間に合って良かった」
小さな花達は、良かった良かったと囁き合って喜んでいました。
「それにしても大きな蕾だ。どんな可愛い子になるのかな?」
どんどん蕾は膨らんでいき、そして、真っ赤なビロードの様な花びらが開いていきました。
「なんて綺麗な子なのかしら」
小さな花達の感嘆の声があちこちから聞こえてきます。
「風が気持ちいい」
大きな花は、そよそよと吹く風に身を任せます。
「綺麗な子、芳しい香りだね」
「ありがとう、あなたも素敵な甘い香りがするね」
「そうかい、ありがとう。甘い香りは虫達が大好きだからね」
「わたしのところにも来てくれるかしら?」
「もちろん来てくれるよ、うっとりとする香りだ」
大きな花は虫達が来てくれるのを心待ちにしていました。
キラキラと木漏れ日が心地良く感じ始めると、虫達は花の周りを飛び始めました。
大きな花にも虫達はやってきました。嬉しくて花はたくさんの蜜と花粉のブーツをプレゼントします。
小さな花達は虫達にあの素敵な方に届けてと囁き、意中の相手を見つけ風に種を乗せます。
「風さん、この子を島の向こう側までお願い」
大きな花は楽しげに眺めていました。でも、大きな花には意中の方はいません。この島には大きな花は自分だけだったのです。
小さな花達は
「きっといつか鳥がまた種を咥えてやってくるよ。諦めちゃ駄目だよ」
「ありがとう」
大きな花は、小さな花達の優しい言葉が嬉しくて美しい歌を毎夜歌い続けました。
その歌声は、日を追うごとに寂しく切なくなっていきます。
小さな花達はその歌声に涙を流し、悲しみのあまり枯れていきます。
大きな花は、自分の悲しみでいっぱいになり、周りの花達を見ようとしていなかった。
小さな花達の声が聞こえてこなくなり、ふと周りを見渡すとあんなに綺麗だった緑の島が枯れた花々で茶色く染まっていました。
大きな花は優しく励ましてくれたのに、自分の殻に閉じこもり嘆いてばかり。馬鹿なことをしてしまったとまた、悲しみに包まれそうになりました。
でも、今度は大きな花は優しく労わるように歌い始めました。
花々達はその歌声に導かれる様に小さな緑の芽を覗かせ、葉を伸びし小さな蕾をつけました。
大きな花は嬉しくて、軽やかに楽しげに歌声を聴かせました。
小さな蕾はその音色に踊る様に花開かせます。
小さな島はまた緑色の綺麗な島に戻りました。
そして、大きな木の側では、今日もひとりぼっちの大きな花は、真っ赤な大輪を震わせ小さな花達に歌を歌います。でも、もう寂しくも悲しくもありません。周りにはたくさんの友達が優しく囁いてくれるのですから。
その中でも一番小さな島、その中央に大きな木が一本木陰を作っていました。その周りは芝生を敷き詰めたように緑色に覆われています。
草花達は、小さな可愛い花を微かな風に揺らせながら幸せな時を過ごしていました。
ある時、隣の島から一羽の鳥が飛んできて島で唯一の木の枝に止まり、羽を休めていました。
その鳥は、小さな種を咥えています。
嘴から零れ落ちた種は、鳥が飛んで行った後も木陰で眠っていました。
「ねぇ、君いつまで寝てるんだい?早く起きないと虫達にご馳走をあげられないよ」
小さな花を揺らせながら、まだ種のまま眠っている子を起こそうと話しかけます。
やっと種はもぞもぞと大地に根を伸ばし始めました。
小さな葉がいくつか顔を出し始め、小さな花達を見下ろす程に大きくなっていきました。
虫達が花の周りを忙しく飛び回る頃には、ふっくらとした蕾が姿を現していました。
「やっと蕾がついたね、良かった。虫達にご馳走できるだろう、間に合って良かった」
小さな花達は、良かった良かったと囁き合って喜んでいました。
「それにしても大きな蕾だ。どんな可愛い子になるのかな?」
どんどん蕾は膨らんでいき、そして、真っ赤なビロードの様な花びらが開いていきました。
「なんて綺麗な子なのかしら」
小さな花達の感嘆の声があちこちから聞こえてきます。
「風が気持ちいい」
大きな花は、そよそよと吹く風に身を任せます。
「綺麗な子、芳しい香りだね」
「ありがとう、あなたも素敵な甘い香りがするね」
「そうかい、ありがとう。甘い香りは虫達が大好きだからね」
「わたしのところにも来てくれるかしら?」
「もちろん来てくれるよ、うっとりとする香りだ」
大きな花は虫達が来てくれるのを心待ちにしていました。
キラキラと木漏れ日が心地良く感じ始めると、虫達は花の周りを飛び始めました。
大きな花にも虫達はやってきました。嬉しくて花はたくさんの蜜と花粉のブーツをプレゼントします。
小さな花達は虫達にあの素敵な方に届けてと囁き、意中の相手を見つけ風に種を乗せます。
「風さん、この子を島の向こう側までお願い」
大きな花は楽しげに眺めていました。でも、大きな花には意中の方はいません。この島には大きな花は自分だけだったのです。
小さな花達は
「きっといつか鳥がまた種を咥えてやってくるよ。諦めちゃ駄目だよ」
「ありがとう」
大きな花は、小さな花達の優しい言葉が嬉しくて美しい歌を毎夜歌い続けました。
その歌声は、日を追うごとに寂しく切なくなっていきます。
小さな花達はその歌声に涙を流し、悲しみのあまり枯れていきます。
大きな花は、自分の悲しみでいっぱいになり、周りの花達を見ようとしていなかった。
小さな花達の声が聞こえてこなくなり、ふと周りを見渡すとあんなに綺麗だった緑の島が枯れた花々で茶色く染まっていました。
大きな花は優しく励ましてくれたのに、自分の殻に閉じこもり嘆いてばかり。馬鹿なことをしてしまったとまた、悲しみに包まれそうになりました。
でも、今度は大きな花は優しく労わるように歌い始めました。
花々達はその歌声に導かれる様に小さな緑の芽を覗かせ、葉を伸びし小さな蕾をつけました。
大きな花は嬉しくて、軽やかに楽しげに歌声を聴かせました。
小さな蕾はその音色に踊る様に花開かせます。
小さな島はまた緑色の綺麗な島に戻りました。
そして、大きな木の側では、今日もひとりぼっちの大きな花は、真っ赤な大輪を震わせ小さな花達に歌を歌います。でも、もう寂しくも悲しくもありません。周りにはたくさんの友達が優しく囁いてくれるのですから。
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