婚約者を喪った私が、二度目の恋に落ちるまで。

緋田鞠

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「ラファエル、よく来てくれたね」
「ジークムント!また会えて嬉しいよ」
 玄関で出迎えると、ラファエルは学生時代と変わらぬ人懐こい笑みを浮かべた。
 私の隣にレニがいない事を確認して、少し顔を曇らせたラファエルに、
「すまない、妻は今少し、体調を崩しているんだ。彼女も君に、挨拶したがっていたんだが」
と断りを入れる。
 貴族の家に友人が訪問する場合、当主夫妻が出迎えて持て成すのが一般的だから、レニの姿がない事で、招かれざる客なのではないかと、心配になったのだろう。
 ただでさえ、彼は、イルザと私の交際を知る人物。
 今の妻であるレニが、彼を好ましく思っていない、と考えても仕方がない。
「体調を…それは、もしかして、めでたい話か?」
 一瞬、何の事か判らなかった。
 だが、若い夫婦がいて、その妻が体調不良と聞けば、自然と想起される事かもしれない。
 私とレニは、真の夫婦とは呼べない関係だと、私が一番よく判っている。
 だから、体調を崩したと聞けば、子供を授かったのだと考える人がいると、思い至らなかっただけで。
 もう少し、言い方を考えれば良かった。
「…いや、残念ながら違うよ。少し、疲れが出たようでね」
「すまない!実は、半年前に子供が生まれたばかりなんだ。だから、つい、考えがそちらにばかり傾いてしまう」
「構わないよ。子供がいるんだな、おめでとう」
 何の含みもなく祝意を述べる私に、ラファエルはホッと胸を撫で下ろしたようだ。
 貴族、特に高位貴族にとって、後継者である子供の誕生は、極めて繊細な話題だ。
 ラファエルは、アーベルバッハ家がダーレンドルフ国内でどのような立ち位置にある家なのか、よく知っている。
「生後半年か。可愛い盛りだろう?そんな時期に二ヶ月も家を空けなくてはならないとは、寂しいな」
「そうだな…だが、仕方がない。継ぐ家のない俺は、仕事で認められるしかない。可愛い我が子の為にも、パパは頑張るさ」
 はは、と、朗らかに笑うラファエルに、私も笑みを返す。
「さぁ、いつまでも立ち話をするのもな。話は、後でゆっくりするとしよう」

 晩餐中は、ラファエルが仕えるマイヤード公国と、彼の家族の話が中心だった。
 所謂、誰に聞かれても大して問題のない、当たり障りのない話題と言うものだ。
 ラファエルは、大学卒業後、国に帰って文官として仕官したらしい。
 子爵家次男であるラファエルは、親に決められた婚約者もなく、奥方と結婚したのは、二十六の時。
 なかなか子宝に恵まれず、半年前に待望の男児が生まれたのだと言う。
 夫婦共に子を望んでいただけに、喜びもひとしおで、後継者を望まざるを得ない立場にいる私もまた、彼と同じようにじりじりと朗報を待ち望んでいるのだと思っていたのだろう。
 食後、場所を移して、ソファに腰を据える。
 学生時代から酒を好んでいたラファエルのグラスに、従兄上から頂いた酒を注いでやろうとすると、彼は片手でそれを留めた。
「先に…素面のうちに、ちゃんと話しておきたいんだ」
「…あぁ」
 ラファエルは、姿勢を正すと、私の顔を正面から見据える。
「学生時代、キルヒホッフ嬢について、きちんと伝えなくて、すまなかった」
 ラファエルの言葉の意味が理解出来ずに、眉を顰める。
 イルザについて、伝えなかった?
 …何を?
「それは…どう言う…」
「彼女が、何を目的に討論会に参加していたのか、だよ。俺は…俺達は、お前は全てを判った上で、学生時代の思い出として彼女と付き合っているだけだと、そう思ってたんだ。卒業したら、お前は国に帰るだろ?それまで、互いに楽しむ一時の関係として、割り切った交際をしてるものと決めつけてた。だから…卒業後、キルヒホッフ嬢がダーレンドルフについて行ったとの噂を聞いて、心配になった」
 ラファエルの言葉が、理解出来ない。
 言葉は聞こえているのだが、頭の中で意味を成さないのだ。
 イルザの目的?
 学生時代だけの割り切った交際?
 何故、そんな必要がある?
「あぁ…やっぱり、気づいてなかったんだな」
 ラファエルは何故か、痛ましそうな顔をした。
「キルヒホッフ嬢が、誰の紹介で討論会に参加するようになったか、覚えているか?」
「いや…私は、彼女が参加し始めて暫くは、言葉を交わした事もなかったから…」
「ジークムントは、女性と話すのが、得意な方ではなかったからな」
 誰とでも直ぐに打ち解けるラファエルにそう言われると、頷かざるを得ない。
「キルヒホッフ嬢は、経済学部の卒業生であるエリマル・ロットマンの紹介で、討論会に参加するようになったんだ」
「エリマル・ロットマン…」
 聞き覚えのある名に、ヒュッと小さく喉が鳴った。
 イルザを襲った犯人と同名なのは、偶然なわけがない。
 やはり、イルザは狙われて襲撃されたのか。
 確かに、あの討論会は、回によって参加者の顔触れが違った。
 いちいち、名乗っていたわけではないから、名に聞き覚えがなくとも、顔を見れば思い出すのかもしれない。
 けれど、まさか、そんな身近に犯人がいたとは。
 私の強張った顔に気づかず、ラファエルは話を続ける。
「ロットマンは、貴族じゃない。裕福な商家の息子で、経済学部でも優秀だったらしい。俺は学年が違うから、詳しくは知らないんだが。キルヒホッフ嬢とは、所謂、幼馴染と言うやつだ。年は少し離れているが、商売の関係で、幼い頃から交流があったのだと聞いた」
「…」
「キルヒホッフ嬢に乞われるままに、貴族も多い討論会に連れて行ったわけだが、彼女の目的は、考古学の知識を深める事じゃなかった」
「、え」
 だが。
 イルザは私に、エメランダ神殿のルビーについて、尋ねて…いや、そうだ。
 尋ねたのは、エメランダ神殿についてではない。
 拳大のルビーの行方について、だ。
「じゃあ、何が目的で…」
「高位貴族と繋がりが欲しかったんだよ。彼女は、高位貴族、それも、他国の貴族との縁を望んでいたんだ」
「…っ」
 私は。
 イルザの出身国とは違うダーレンドルフ王国の公爵家の生まれだ。
 まさか。
 まさか、それが、それだけが、イルザが私に声を掛けた理由…?
「アルフレヒト、ヨシュカ、コード、リュディガー…覚えてるだろ?皆、他国からの留学生だった貴族の子息だ」
 アルフレヒトは、侯爵令息。
 ヨシュカとリュディガーは、伯爵令息。
 コードは、ラファエルと同じく子息令息だった。
 確かに、私がイルザに声を掛けられる前、アルフレヒトと親しくしていたようだったのを、覚えている。
「…俺も、キルヒホッフ嬢に声を掛けられた事がある。彼女は朗らかで話題も豊富だし、盛り上がったと思ったんだけどな。話の流れで、俺が子爵家の人間と判ったら、にっこり笑って、話の方向性が『お付き合い』から『お友達』に変わった」
 ラファエルは、当時から、貴族らしく整った容姿で目立っていた。
 だから、彼に興味を持って近づく女性がいても、何の不思議もない。
 貴族女性にとって、嫁ぎ先の経済状況が関心事なのは判るから、実家の爵位について探りを入れるのも、理解出来る。
 …判らないのは、その女性が、『イルザ』だと言う事だ。
「貴族に生まれたからと言って、家の為に結婚したくないの。だって、私は、私が愛する人と一緒になりたいのですもの。家の事を考えたら、公爵家のジークと男爵家の私が、結婚なんて出来るわけないわ。余りにも、差があり過ぎる。でも、私が結婚したいのは、公爵家じゃなくて、ジークなの。私が一番素敵だと思う人…貴方なのよ。…貴方は、私を望んでくれる?」
 そう言っていた、イルザが。
 ラファエルは、私よりも容姿に秀でている。
 アルフレヒトは、私よりも体術で勝っている。
 ヨシュカは、私よりも優秀な頭脳を持っている。
 リュディガーは、私よりも人品が優れている。
 コードは、私よりも世界情勢に長けている。
 そんな彼等ではなく、私を望んでくれたのは。
 実家の爵位だけが理由…?
「キルヒホッフ嬢は、留学生に一通り声を掛けていたから、彼女に声を掛けられた時に、理由を尋ねたんだ。どうして、いずれは国に帰ってしまう留学生ばかりを相手にするんだ?って。そうしたら、言葉は回りくどく耳障りのいいものだったけど、要するに、期間限定だから後腐れがない、他国の貴族なら、彼女の爵位を気にする者も少ないから、と言われた。留学生の中でも高位貴族を選んだのは、『お金を遣わせても罪悪感がないし、私はもっと上を目指せるのだから、高位貴族としか付き合うつもりはないの』とあっけらかんと言われて、何も言えなかった。上昇志向が強くて、自己評価が高いのは、決して悪い事じゃない。貴族女性に、多いタイプではあるからな。そう言う女性なのだと踏まえた上で、付き合えばいいだけの話だ」
 考えた事もない話に、眩暈がする。
「彼女は美人だから、連れ歩いた時に自慢出来るだろ?だから、在学中のデート相手として、互いに割り切った付き合いが出来るなら、それもいいと、アルフレヒトなんかは思ってたらしい。良さげな相手を見繕えば、妻の座は諦めてくれそうだったからな。だが、彼女が最終的に選んだのは、お前だった。…お前も、彼女の目的が判った上で、留学中だけの事と割り切って付き合ってるもんだと思い込んでたから、二人の事に口を出さなかったんだよ…。卒業する時には、綺麗に別れるだろうから、って」
 公爵家令息なんだから、ハニートラップに引っ掛からないように、注意して育てられただろ?
 ラファエルの言葉が、耳を通り過ぎる。
 …従兄上が言っていたのは、兄が心配していたのは、これか。
「でも、彼女がお前についてダーレンドルフに行ったと知って、上手く別れられなかったんだと判って…その時に、もしかして、お前は彼女の目的に気づいていなかったんじゃないか、と初めて気づいた。キルヒホッフ嬢の最終目的は、高位貴族の仲間入りをする事だから、単に別れを切り出しただけじゃ、ダメだ。上手く、別れに誘導する必要があった」
 思い返せば、驚く程に世間知らずだったもんな。
 ラファエルの言葉を、全く否定出来そうにない。
「キルヒホッフ嬢は、話を聞くのが上手かっただろ?何か言うと、『流石ね』『知らなかった…!』『素晴らしいわ』と褒めてくれるから、こっちも調子に乗って話してしまう」
 そうだ。
 確かにイルザは、私が暴走気味に古代遺跡について語っても、にこにこと微笑んで相槌を打ってくれた。
 ジークムント様のお話は、聞いていて楽しいわ、と。
 …だが、何故、それをラファエルが知っている…?
「…留学前、同じ事を別の令嬢にされた事がある。相槌を打つタイミングや、言葉選びが微妙にずれていて、どうにもしっくり来なくてね。そのご令嬢とはそれきりだったんだが、キルヒホッフ嬢との会話が盛り上がった時に、同じような言葉を聞いた事があるな、と思い出した。で、『あぁ、これはご令嬢にとっての手練手管なんだな』と気が付いたんだ」
「…!」
 …人は。
 誰しも、他者に承認されたいと言う欲求があると思う。
 ありのままの自分を、受け入れて欲しい。認めて欲しい。
 そのままでいいのだと、抱き締めて欲しい。
 愛して、欲しい。
 私は。
 幼くして両親を亡くし、優秀な兄や従兄と比べ続けられて、自分でも判る位に、卑屈になっていた。
 国内ではいつだって、誰もが私ではなく、私の背後に見える兄や従兄を意識して近づいてくる。
 彼等の言葉は、私の存在を通り越して、兄達へと向けられたもの。
 誰も、私など、見てくれない…。
 自分に自信が持てず、殻に閉じ籠ろうとした私を心配して、兄達が、アーベルバッハの名の影響が少ない国外への留学を勧めてくれた事も、判っている。
 だから、初めて兄達ではなく、を認めてくれたイルザの存在が、嬉しかったのに。
 それが…見事に、イルザの掌の上で泳いでいた、と…?
 背筋を、氷塊が滑り落ちて行った気がした。
 じわり、と、掌に汗が滲む。
 違う。
 違う、イルザはそんな女性じゃ、ない。
 私の前では、そんな女性じゃ、なかったんだ。
 けれど、こんなにも動揺しているのは、今更、ラファエルが嘘を吐く理由がない事も、イルザの行動で疑問に思っていた点に説明がついた事も、理解しているからだ。
 理解、してしまったからだ…。
「…すまない、少し、気持ちの整理が必要で…」
「…うん、俺こそ、すまなかった。別の女性と結婚したジークムントに、わざわざ伝える必要はない、と思ったんだ。だって、お前はちゃんと、彼女と決別出来たって事だろ?キルヒホッフ嬢がついて来たと言っても、アーベルバッハ家は公爵家だし、彼女との結婚が容易に認められるわけもない。だけど…奥方が余りに若かったから、もしかして、長い事、揉めたせいで、結婚が遅れたのかもしれない、と思って。学生時代にちゃんと話しておけば…と後悔した」
 ラファエルの口振りでは、イルザが別れを受け入れなかった、と言うように聞こえる。
 …そうか。
 彼等の目には、そう見えていたのか…。
「タナートの女性は、貴族であっても、ダーレンドルフとは貞操観念が違う。婚前の関係を理由にごり押し出来ると思ったんだろうけどな…」
 呟かれたラファエルの言葉に、顔色が変わったのが判った。
「ちょっと待て。私とイルザの間に、体の関係はない」
「…え?」
 ラファエルが、驚いたように目を見開いて、
「でも、少なくとも一年は付き合ってただろ?」
「それは、そうだが。だが、結婚もしていないのに」
「マジか…」
 何故か頭を抱えたラファエルに、目で問い掛けると、彼は渋々と言った様子で口を開いた。
「俺が知る限り…討論会メンバーのうち、高位貴族に分類される男の少なくとも半数は、彼女と関係を持った筈だ。お前との交際が始まった後も、彼女が他の男とデートしてたのを知ってるから、余計に、割り切った付き合いだと思ったんだよ…」
「…な…」
 想定外の言葉に、言葉を失くす。
 同時に…生前のイルザが浮かべた、何とも奇妙な顔の記憶が蘇る。

 君が大事だから、結婚するまでは清い関係で。
 でも、口づけは、許してくれないか。

 そう告げた言葉に、何故、あんな顔をしたのか、ずっと不思議に思っていた。
 気が逸り過ぎただろうか、と、付け加えた言葉を聞いても、イルザはもどかしそうな、不機嫌そうな顔をしたままだった。

 愛しているから、君に触れたいんだ。
 決して、君の名誉を傷つけるような事はしないから。

 それに対する返答は、
「愛する貴方になら、私の全てを捧げていいのよ?近い将来、ジークは私の旦那様になるのでしょう?」
と言うものだった。
 私だって、若い男だった。
 理性と本能と好奇心の挟間で、悩まなかったわけではない。
 いずれ、妻にする女性なのだから、いいのでは、と耳元で囁く何かがあったのは、事実だ。
 けれど、何よりも大切だったのは、兄の教え。
 公爵家に生まれたからこそ、守るべきルールがあるのだ、と言う兄の教えを守った結果、私は彼女が処女おとめではない、と言う事すら、知らないままだったのか。
「あ、言い訳させて貰うと、俺は子爵家って事で切り捨てられたから、手を握っただけだからね!」
「…別に、何も言ってないだろ」
 私の顔色を見て、場の空気を変えようとしたのだろう。
 お道化たようなラファエルの言葉に、小さく笑う。
「…時間は掛かったかもしれないけどさ。今は、幸せなんだろ?」
「あぁ…」
「夜会で会った時に、心から安心したんだよ。あんなに柔らかく笑うジークムントを見るのは、本当に久し振りで。…キルヒホッフ嬢といる時のお前は、いつも、何処か気を張ってる感じがしたから…」
 そう、か。
 イルザに認めて欲しくて、イルザに呆れられたくなくて、実際以上に自分を大きく見せようとしていたかもしれない。
 ありのままの自分を受け入れてくれた、と喜びながら、同時に、取るに足らない自分を、誰よりも私自身が判っていたのだから。
「ラファエル」
「ん?」
「伝えにくい事を、話してくれて有難う。…正直、今はまだ、混乱している部分があるけれど…マイヤードに戻る前に、また、顔を見せてくれないか。その時にはきっと、この十年の話が出来るから」
「あぁ、判った」
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