獣人辺境伯と精霊に祝福された王女

緋田鞠

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 それから、一週間。
 シャーロットは、時間を見ては、領主館に勤めている使用人の元を訪れていた。
 厨房の兎族ハンス、洗濯場の豚族タシャ、メリ、テア、厩舎の馬族テレンス、庭師の蜥蜴族ガレン。
 正体不明のヴィンセントの客人、から、世間知らずの人族の娘、位には、認識が変わったのではないか、とシャーロットは思っている。
 だが、肝心のカティアを始め、シャーロットを敵視する十代から二十代の使用人達とは、相変わらず、距離を詰められていない。
 寧ろ、一部の使用人達がシャーロットへの態度を軟化させた事で、より反発を覚えているようだ。
「ま、仕方ないだろうねぇ。あの子らは、夢を見てお屋敷でお勤めしてるんだから」
「夢、ですか?」
「そうだよ。御屋形様は独身だろう?それも、いい男だ」
 タシャの言葉に、あぁ、と、シャーロットは頷く。
 獣人族の社会には、身分制度がない。
 唯一、マハト貴族の位を持つバーナディス家だけが別格で、後は完全なる実力主義だ。
 各氏族には長がいるが、これも世襲制ではなく、その時に実力のある人格者が、氏族内の推薦で選ばれるのだと言う。
 シャーロットがカーラから聞いた貴族社会の結婚は、家同士の繋がりから婚約者が決まる事が殆どだった。
 恋愛結婚もあるものの、幼い頃から行動範囲が制限され、会える人間が限られている貴族令嬢の知り合う相手は、親同士が知り合いの貴族ばかり。
 身分の垣根を越えての恋愛結婚は、親の反対もあってか数少ない。
 一方、獣人族の社会では、そもそも身分制度がないから、誰とでも結婚出来る。
 それは、バーナディス辺境伯家においても同じ事で、領主館に勤める若い娘達は、ヴィンセントに見染められる事を夢見て勤めているのだと言う。
「あの…基本的な質問をしても、いいですか?」
 洗濯場で、タシャ達の作業を眺めながら声を掛ける。
 見学に来るシャーロットの為に、いつの間にか、ひっくり返した木箱が椅子替わりに用意されるようになった。
 物干し場の裏手にあるアマイの木に満開の花が咲き、庭師のガレンが、今年は何だか花の付きがいい、と喜んでいる。
「私はノーハンに来て、思っていた以上に様々な氏族の方がいらっしゃる事に驚きました。皆さんの結婚は、氏族の垣根を超えるのですか?それとも、氏族内に限定されるのですか?」
 タシャは、洗い終えたシーツをぎゅっと絞りながら、シャーロットの疑問に答える。
 一度絞っただけで、しっかりと水気が取れるタシャの腕力は、今のシャーロットの憧れだ。
「氏族内で結婚する事が多いけど、別の氏族と結婚する事もあるよ。ちなみに、あたしらは全員、豚族と結婚してる」
「それは、やはり、幼い頃から顔を合わせる機会が多いから、ですか?」
 ノーハン領内では、氏族ごとに集落を作って暮らしていると聞いた。
 祖の特性で、生活習慣が異なる事があるから、氏族ごとに固まって暮らす方が、便利なのだそうだ。
「それはあるね」
「ある程度の年になると、番に夢見るのを諦めるからねぇ。その時、近場にいて気が合う相手、ってなると、やっぱり同族になるんだよ」
 メリが笑うと、テアも頷いた。
「うちの旦那は五つ上なんだけどね、あたしが成人して早々に、『どうせお前が番に出会う事なんてないんだから、とっとと俺に決めろ』って言われて。自分が番を諦めたから、って、ねぇ」
「何だい、それ、初耳だね」
「はぁ、全く、そんな求婚があるか、っての。女心が判ってないねぇ」
 テアの夫を腐しながらも、けらけらと笑っているタシャ達に、シャーロットは思い切って声を掛ける。
「あの。番、とは何ですか?」
 シャーロットの言葉に、ぴたり、と、タシャ達の動きが止まった。
 聞いてはいけない事を尋ねてしまったのか、と、シャーロットが怖気づくと、タシャが、
「あぁ…」
と、納得したように頷く。
「そうか…人族には、番がないんだったね」
「そうだった、忘れてた」
 メリが、溜息を吐いた。
 三人は顔を見合わせて、タシャが代表して口を開く。
「番、って言うのは…う~ん…半身、って事さ」
「はんしん、ですか?」
「そう。生まれ落ちる時に、心の半分を、別の誰かと分けてしまった。普通は、自分の半分が足りない事に気づかない。気づかないまま、死んでいく。だけど、その残りの半分を持ってる相手に、出会う事もある。『あぁ、この人が足りない部分を持ってたんだ』って、出会った瞬間、何て言うんだろうね、心なのか、体なのか、自分の中の奥深い所で、雷に打たれたみたいに理解するんだってさ」
 タシャの話し方が曖昧なのは、彼女自身が、番と結婚したわけではないからだ。
「どうして、獣人族に番があって、人族にないのかは知らない。多分、獣の祖が関係してるんだろうけどね」
「そのように…番、に出会える方は、どれ位、いらっしゃるのでしょう?」
「さぁて、誰も調べた事がないから、判らないけど…少なくとも、今生きてる豚族の中にはいないよ。この屋敷の使用人の中にも、いない。もしも、番が見つかったら、凄い勢いでノーハン中に噂が広まる位、出会えるのは奇跡なんだ」
 だからこそ、憧れるんだよ、と、タシャは付け加えた。
「なかなか出会えない…と言う事は、番になる方は、別の氏族の方が多いのですか?」
 同じ氏族であれば、集落で顔を合わせる機会が多いのだから、直ぐに気が付くのではないか。
 同族による集落が一つと限ったわけではないが、交流は盛んだと聞いていた。
「そうだね。殆どの場合、氏族が違うって聞いた事がある」
「氏族の違う方と、結婚する事が出来るのですか?」
 驚いて問いを重ねるシャーロットに、きょとん、とタシャが目を見開いた。
 そして、あぁ、と笑う。
「子供が出来るのか、って事かい?人族から見れば不思議だろうけど、あたしらの違いは、耳と尾っぽくらいのもんだからね。問題ない、子供も出来る。その場合、父親の氏族の特性を引き継ぐんだよ」
 恋愛結婚でも、多くはないけど、氏族の違う夫婦はいるからね、とタシャは付け足した。
「生むのは女なのに、父親の特性を継ぐのは何だか納得がいかないが、確実な親子関係の証拠だね」
と笑う。
「心の半分、と聞くと、とても大きいように聞こえますが…番に出会う事は、それだけ、獣人族の皆さんにとって、重要な事なのでしょうか」
「そうだね…何て言えばいいのか…愛する家族といても、仲のいい友達といても、心の奥の奥、隅っこの方が、寂しい、って気持ちは判るかい?」
「はい…何となく、ですが」
「番はね、全てを満たしてくれるんだそうだよ。一緒にいるだけで、世界中の誰よりも幸福だ、と実感出来る。相手を愛しいと思う気持ちが溢れて、同時に相手に愛されてる自信も持てる」
 世界でただ一人、絶対的な自分の味方。
 全てを賭けて、愛してくれる人。
 そして、全てを賭けて、愛せる人。
 ただ傍にいるだけで、満ち足りた思いになれる人。
「特に若い娘は、憧れるんじゃないかねぇ。あたしは、旦那と連れ添って二十四年、もう、この人を看取れればそれでいいや、って思ってるけどさ。…絶対に浮気しない、絶対に愛が冷めない、そんな相手と出会えるんなら、出会いたいって思うんじゃないかね」
 メリとテアもまた、深く頷く。
 眉間に皺が寄っているのは、浮気云々の部分だろうか。
「それに、番の間に生まれた子供は、強い、って言う。病気に強いだけじゃない、力も強いし、体力もあるし、賢いって話だ。どうせなら、そんな優秀な子供が欲しい、って本能はあるね」
 メリが、それに比べるとうちのはぼんくらでね…と、遠い目をする。
 シャーロットは、一番、気になっていた事を聞いてみた。
「あの。ですが、番には全員が出会えるわけではないのですよね。番との出会いを諦めて恋愛結婚をして、その後、番となるお相手に出会う事は、ないのですか?」
 タシャの頬が、引きつる。
 一度、口を開いた後、言葉を飲み込んだ。
 暫し、逡巡した後、諦めたように頷く。
「…なくは、ない。大体、番に出会うのは、結婚適齢期…成人前後から、二十代、って言われてる。でも、大概の獣人族は、二十代前半には番探しを諦めて結婚するんだ。だから、それ以降に、番に出会う事は、ない、とは言えない」
「その場合…どちらを、選ぶのですか?」
「そりゃ、勿論、番だよ。だって番は、命の半分なんだ。失うなんてありえない。番を失ったら、死んだも同然なんだよ。それが判ってるから、結婚後に番が見つかった場合、先に結婚してた方は、番を優先して身を引くんだ」
 シャーロットは、胸の内に抱いていた疑問の答えが、見つかった気がした。
 恐らく。
 ヴィンセントの父である先代辺境伯は、アテム領主の娘である人族の妻と恋愛結婚をしたが、ヴィンセントが生まれた後に、番に出会ってしまったのだ。
 番は、獣人族にとって、絶対的存在。
 だから、番が見つかった以上、先代辺境伯は番との結婚を望んだだろう。
 だが、人族の妻にとって、それは夫の心変わり。とても、納得出来るものではなかったに違いない。
 ましてや、彼女は隣領の領主の娘であり、貴族階級出身なのだ。
 彼女の親元が、全く口を挟まないとは思えない。
 政略結婚であり、お互いに益がなくなった故の離縁なら、受け入れられたとしても、種族の垣根を越えて恋愛結婚をしておきながら、人族には理解の出来ない理由での離縁を求められて、即座に頷くのは難しい。
「私の…人族の考えでは、愛する配偶者に番が見つかり、身を引いたとしても、想いは失われずに辛くなるような気がするのですが…獣人族の方は、違うのですか?」
「…どうなんだろうねぇ…全く、何も感じないって程に冷え切った夫婦じゃなければ、思う事は何かしらあるんだろうね。だけど…あたしらは、番がどれだけ大事なものかも、理解してるから…諦めるしか、ないんだよ」



 タシャ達に礼を言って別れ、シャーロットは領主館から離れると、丘を少し下った。
 シャーロットが領主館を訪れてから一週間。
 丘に広がる草原の中で、夏の花が今を盛りとばかりに咲き誇っている。
 耳の中で、先程のタシャの言葉が何度も繰り返される。
 それと同時に、これまでに様々な人々から聞いて来た言葉の断片も。
『ロビンは、先代様の事があるから、御屋形様を心配してンのさ。いや、御屋形様だけじゃぁねぇ、あぁ見えて、お嬢様の事も心配してンだ』
『獣人には獣人の理があって、結婚後にその理が働いたんだとさ。そんなものに負けるなんて、やっぱりあいつらは所詮、獣なんだよ』
『だって、御屋形様が結婚しないのは、番を待ってるからでしょ?』
『先代様が番に出会ったのは、三十三の時でしょ?御屋形様が今、三十だから、あと三年は結婚しない筈』
 ロビンは、先代と同じように、シャーロットと婚姻を結んだ後に番と出会うのではないか、と、ヴィンセントの身を案じている。
 同時に、番が現れれば離縁されるシャーロットの事も、心配してくれているのだ。
 人族であるアテムの旅籠の女将には、獣人族の理である番の関係が、理解出来なかった。
 彼女にとって、それは心変わりでしかなく、番などと言う言葉は、ただの言い訳にしか聞こえない。だから、番に出会った事で離縁された領主の娘を、不憫に思った。
 カティアは、ヴィンセントが番との出会いを意識していると思っている。
 少なくとも、父親が番に出会った年まではその可能性があるだろう、と、結婚相手を決めないのだと考えている。
 先代の大騒動、と言うからには、ヴィンセントの母は、番が現れた事での離縁を、即刻承知したわけではないのだろう。
 諸々の気持ちを飲み込んで、冷静に離縁に応じていたのならば、アテムの人々の感情はあそこまで拗れる事はなかった筈だ。
 獣人族達は、番が何より優先されるべきものだと考えているから、離縁されたヴィンセントの母を不憫にも思っているだろうが、それよりも番に先代の隣を渡そうとしなかった彼女への憤りが大きいのだろう。
 シャーロットは、そこまで考えて、ふぅ、と溜息を吐いた。
 アテムの旅籠の女将の気持ちも、獣人族の使用人の気持ちも、どちらも判る。
 シャーロットだって、愛を夢見る若い娘だ。
 絶対的な自分の味方、全力で愛し、愛される相手がいるのなら、出会いたい。
 ただ…今は、ヴィンセントの事しか、考えていないだけで。
「…カティアさんが、私を疎ましく思うのは、当然だわ」
 カティア達、若いメイドは、ヴィンセントの気持ちを慮っている。
 彼が番を待つ間、じっと、己の恋心を秘しているのだろう。
 そして、彼が番を諦めた時に、配偶者候補として名乗り出られるように、傍に居るのだ。
 そこに、婚約者を名乗るシャーロットが現れたのだから、風当たりも強くなる。
 何しろ、シャーロットは人族の娘。
 もしも、ヴィンセントが番に出会った時に、その隣を容易に明け渡す事等ない、と思われている人族なのだから。
「でも…」
 小さく呟いた言葉は、風に攫われる。
 シャーロットだって、ヴィンセントの傍に居たいのだ。
 彼は、広い世界をシャーロットに与えてくれた。
 温かい手で、シャーロットに触れてくれた。
 優しい眼差しで、シャーロットを見つめてくれた。
 祝福された王女――名ばかりは誇らしげな、実際は呪われた王女として扱われていたシャーロットを、その異名ではなく、シャーロット自身として見てくれた身内以外の人だった。
 ヴィンセントが居るだけで、シャーロットの世界は色づく。
 彼の周りには清涼な風が吹いていて、傍に居ると呼吸が楽になる。
 その透き通るような空気のお陰なのか、世界が明るく輝いて見えるのだ。
「…ヴィンセント様は、どのようなおつもりなのかしら」
 本当に彼が、番を待っているのであれば、シャーロットは婚約者を名乗る事など、出来ない。
 幾ら、王宮の書面で、王女シャーロットとバーナディス辺境伯の婚姻が成立しているとしても、ノーハンでのシャーロットは、平民の娘シャーロット・エイディアだ。
 王女と言う身分のないシャーロットは、他の娘達同様、己の能力でヴィンセントの目に留まらなくてはならない。
 ただ、一歩なりとも他の娘より先んじていると思えるのは、ヴィンセント自身が、シャーロットを望んでいる、と、言ってくれたからだ。
「…ヴィンセント様が、どのようにお考えでも…」
 シャーロットは、彼の期待に添いたい。
 シャーロットを連れ出してくれた礼として、だけではなく、彼を慕う、一人の娘として。
「ヴィンセント様…どうぞ、ご無事で…」
 遠く、カーシャに向かって、シャーロットは祈る。
 彼女の体を取り巻く風が、きらきらと輝いている事に、目を閉じていたシャーロットは、気づかないままだった。
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