エーデルワイス〜戦後記憶を失った少女が自分とは何者か探しに行く物語〜

さかな

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ルキウス(2話)

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「私はどこ出身の人間なの。」


「まぁご飯を食べよう。」

父はそう言った。


「この地の言葉ではない字が読めたよ。父さん。」


「全てを話すよ。ローザ。いや、」




ー2年前ー
「おいルキウス。」
「なんでしょうか大佐。」
「我らヴァルミッチ国とダーバルテット国の戦争はいつ終わると思う。」
「どちらかが降参するまででしょうか?」
「まぁ間違ってはいないな。だが私はこう思うんだ。どちらが失ってはいけないものを失った時だと思うんだ。」
「と言うと?」
「ルキウス。君にとって失ってはいけないものとはなんだ。」
「私はヴァルミッチに命を捧げています。この国のために命尽きることが本望です。」
「違う。そうじゃない。命が大切と言うのは本質だが君の命の話をしているのではない。」
「私以外のですか?」
「君には娘がいるだろう。娘の命が亡くなったらルキウスお前はどうする。」
「私は父親として何もしてあげられていません。妻も娘が産まれたすぐにいなくなりましたし、私たち親があの子にしてあげられることはありません。大切だと言ってしまえば今までの行為と矛盾します。なので私は何もできません。」
「ならば君が生きなければいけないな。」
「なぜそう思うのですか。」
「私は生きる意味は人それぞれだと思うんだ。だが、死ぬことには意味はない。君の言う命を捧げるというのは命ある限りの話だ。君の娘がもし死んでしまったら彼女はもう死んでいるんだ。彼女にできることはもう無い。だから君がやるんだ。できないことなんてないんだルキウス。」
「そうかもしれません。」
「君の娘の名は」
「ローザと言います。14歳になりました。」
「まだまだこれからの若人だね。この国の若人は私は死なせたくない。失ってはいけないよ。」


次の日ヴァルミッチ国内の前線の防衛部隊がある1人の女によって壊滅させられダーバルデット全軍は本土に潜入。激戦の果てにヴァルミッチは崩壊。軍人だけでなく多くの一般人も亡くなった。


そして私のいえも爆弾によって吹っ飛んだ。そして、


ローザは死んだ。


私は戦っていたが銃弾が目に掠った程度に済んだが戦闘中に意識を失い気を起こした時にはもう戦争は終わっていた。この国は何もかも失っていた。そして私は娘も失った。私家のあったところに戻った。すると私が娘にあげた綺麗な色をしたはがきと靴があった。私は折り紙を広げた。すると私への言葉が綴ってあった。


ーーパパへ。いつか2人で平穏な暮らしがしてみたいです。パパはこの国を守るヒーローだから帰ってこれないかもしれないけど娘として誇らしく思います。パパが築いただれも傷つかない平和な世界でパパと暮らせることを楽しみにしています。ローザ。ーー


「こう言うことだったのですね。私たちの負けですね。大佐。」
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