ドエジゲ~ドMが次元干渉スキルで図らずも多次元無双@2222年~

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1章-その男、生粋のドMにつき-

1-2: 幼女機械、2次元時間より

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【あらすじ】
生粋のドMである佐伯は、ドゥエム=サイキョーとして西暦2222年に転生した。転生時に得たスキルは「歪み干渉能力」。

歪んだ性癖と、歪みを操作できる能力をもった人間歪みは、さらなる歪みを求める。
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ドゥエムがクチュビーに60点評価をした時から2日前、転生直後。

チリリリリリ。

目覚ましの音か。

ああ、そうだ、今日は休日なんだ。二度寝しよう…

ぐっすり眠った後、ドゥエムは自然に目が覚めた。

昨日のランク戦は疲れたなぁ。かといって明日も出勤なんだよな…

ん?ランク戦?出勤?

オレはpoetryの社員の佐伯で、転生して…でもランク戦?オレはドゥエム?

ベッドが違う。これは転生したから当たり前。

そして、起き上がることができる。ということは赤ん坊ではない?オレは18歳。18歳か。18歳に転生したということか。そして「自分が18歳である」というこの記憶は? 元々の体…というか脳にある記憶か。昨日のランク戦の記憶も残っているな。

「けっこうありがたいな」

0歳から歳をかさねるのは面倒くさい。18歳は、少なくとも日本なら選択肢がそこそこあって自由な身分のはずだ。

「とりあえず…」

次元干渉スキルを使いたいな。

ドゥエムは記憶をたどりつつ部屋を見回した。

記憶によると、今日一日は休日だ。別にデートもないらしい。部屋はだいたい5,6畳の1ルーム。狭い。無機質なベッドと机と本棚があり、部屋中央はそこそこ広い。

「どう使うの?なんか念じたら出る?」

(次元干渉スキルを使いたい…!)

<レベル1他次元接続、ランダム接続デス。次元半径ハ「0.01」、接続時間ハ180秒デス>

頭の中に機械のような音声が響いた。レベル制か。

「OK、よろしく」

5秒くらい、何も起こらず待った。失敗とかあるのかな?と思った直後。

ドゥエムの視界がゆがんだ。

Vuuuun。

鈍く長い機械音。

なんだ、見える景色が重なっている?

今こうしてスキルを使って部屋から遠ざかっていく景色と、この世界の情報収集のために見ているスマートフォンの画面。

いや、景色だけじゃない。音もなんなら五感全ても、思考と感情さえも。

頭の処理が追い付かない。パラレルワールドか?

頑張ってそのパラレルワールドを理解しようとすると、また別のパラレルワールドが脳内に同期してくる。外に出て街を歩いている自分だ。

頭がバグってきた。だめだ。「スキルを使って部屋から遠ざかっていく自分」が分からなくなってくる。

無理やり、1つの「今」(スキルを使って部屋から遠ざかっていく自分)に意識の焦点を当ててみた。すると、他のパラレルワールドは脳内に流れ込まなくなった。

これは…いうなれば、2次元時間ってところか?

フワッ。

「のわぁ!」

高さ30cmほどのところから急に落下し、しりもちをついたドゥエム。

「いってぇ…」

うつむきながら尻をさすると、地面に草の感触。草原?草は20cmくらいの長さだ。

顔を上げると、地面に一面の緑。終わりが見えない。山さえもない。空は青…じゃない、薄めのオレンジ?

またまた、えらい次元に来てしまったものだ。

ため息をつきながらも、ドゥエムはにやけた。

すると、遠くから何かがこちらに走ってくる音が背中から聞こえた。

振り返ると…小学3年生くらいの大きさの生き物がテクテク走ってくる。1匹だけか。

もう可愛い。顔はまだよく見えないが、どうやらパーカーをかぶっている。



顔が見えてきた。やはり可愛い。どう見ても人間の子どもだ。男?女?わからない、中性的な顔だ。

ただ何をされるかわからないので、一旦様子をうかがった。

その子どもはドゥエムに近づき、手でドゥエムの頭をポンポン撫でた。

「ほえ~、誰にゃむ?」

3歳児くらいの声。ゆっくりとした口調だ。

もう少し様子を見よう。三頭身くらいか。可愛いな。

すると、その子どもは青く輝いた大きな目を少し光らせて、ドゥエムに向けた。

「ふむむ…この物体の情報は…β-238次元?!なぜここに?」

今のところ、害意は感じられない。話してみるか。

「やぁ。初めまして。オレの名前はドゥエムだ」

「ふむ?! 喋った!!」

目を大きくしてドゥエムから離れた子ども。

「驚かせてごめん。オレはその…別の次元から来たんだ」

「はわわわ」

「さっき君がさ、『ベータなんちゃら次元』とかなんとか言ってたけど、ということは、君は他の次元を知っているの?」

「はわわ…は、はい。う~ん、どこまで話してよいものやら」

なるべく情報を引き出したいが、どう出るべきか…

「安心してくれ。ただ遊びに来ただけだ」

「そういうことなら…アタシの名前はクチュビーにゃむ。他次元対応マテリアルで構成されたディムロイドにゃむ」

思ったより口が軽いな。ありがたい。

「ん、ん?他次元対応?ディムロイド?」

「にゃむ!物理定数が少し違う他次元でも活動ができる自律ロボットにゃむ!」

ディム…dimension…次元か?なるほど。

「ありがとう。それでここは?」

「ディムロイド達の楽園!創生主様たちがときどき見にくるにゃむが、今日はもう見に来ない時間にゃむ。そういえば、仲間がいるにゃむが、呼んできてもいいにゃむか?」

創生主…ロボットを作った人間みたいなものか?ここはなんだ、動物園みたいな?

なんとかして仲間に引き入れたいな…どうしたものか。

と思考を巡らせはじめた。すると

~~~~~
「お~!ぜひ仲間たちとも喋ってみたい!」
ーーーーー
「あ~、ちょっとこんがらがってるから、いったんクチュビーとだけ話したいな」
~~~~~

俺の声が二重に?やっばい。パラレルワールドが1個見えてしまった。

~~~~~
「やったぁ!じゃあ呼んでくるにゃむ~」
ーーーーー
「それもそうにゃむね。ドゥエム様、他に何か知りたいにゃむか?」
~~~~~

待てよ。うまくやれば、1つのシナリオからディムロイドの情報を引き出して、もう一つのシナリオでクチュビーを仲間に引き入れられるのでは?

やろう。その方がオモロイ。

~~~~~
クチュビーは何も言わず、踊りを舞いはじめた。

「よし、これで10体くらい仲間が来るにゃむ!」

そっか、機械だから通信できるのか。踊りを舞うのは意味不明だが、ここがディムロイドの動物園と考えれば、客が楽しむ用か?
ーーーーー
「知りたいことは、そうだな…どの別次元にその体が対応しているんだ?」

「ざっと100つほどにゃむ!」

「俺のその…βなんちゃら次元にも対応しているのか?」

「β-238次元は、物理定数がほぼ一緒なので対応しているにゃむ!ちゃんとした機械があればそちらに行けるにゃむ」
~~~~~

仲間が少なくとも10体。対応できる次元は100つ。俺の次元にも行ける。ヤバい、情報量が多くなってきた。というかこれ、クチュビーもパラレルワールドを認識しているのか?いやそのことは一旦置いておこう。

どう話を持っていくか…

~~~~~
四方八方から、テクテクとディムロイドがやってきた。確かに10体ほどだ。全員、顔はほぼ同じだが目の色とパーカーの色が違う。

「ドゥエム様、こちらが仲間にゃむ!」

「可愛い!はじめまして、ドゥエムです」

「あ、情報は自動で同期されてるにゃむ」

「おお、そっか」
ーーーーー
「おぉ!まじか!ぜひ来てほしいな~」

というか、俺がクチュビーを連れていくことはできるのか?

(システムさん、ある物体を自分の次元に連れてくることってできる?)

<連レテイキタイト思ッタ物体ヲ連レテイクコトハ可能デス。条件トシテハ、次元接続ガ解除サレル瞬間ニ、ソノ物体ニ触レテイルコトデス>

これはでかい。いけるぞ。
~~~~~

どうする。強制的に連れてくることはひとまずできる。

(システム、次元接続はあと何秒だ?)

<次元接続、ノコリ25ビョウデス>

やばい、思ったより時間がない。となれば…

~~~~~
「君たちって、けっこう別の次元に行くの?」

「ここ10年は無いにゃむ。」

「別の次元、行きたかったりする?」

「う~ん、そういう感情は無いにゃむ」

そうかぁ、機械だから別に感情とかないのかな…
ーーーーー
「クチュビー、そういえば俺って、ある特殊能力を持っててさ」

「ふむ、何にゃむか?」

「手を取って踊ると、すごいことが起きるんだ」

「危険ではないにゃむ?」

「全然そんなことないさ~」

「なら、いいにゃむよ」

そういって、クチュビーはドゥエムの手をとった。
~~~~~

<次元接続ヲ解除シマス>

キタ!どうだ?

Vuuun。

ドゥエムは自分の部屋に戻った。クチュビーもいる。

「ふむむ?!ここはβ-238次元?!」

どの次元かセンサーで分かるのか?それともこれまでの文脈?

ともあれ、クチュビーをこっちに呼び出せて良かった。

<クールタイムハ1時間デス。クワエテ今回ノ初期転移座標ガ、リストニ登録サレマシタ>

1:無題:座標417209.../578979.../740198.../520987.../343499.../527903.../119460...

クールダウン1時間、連続はできないってことか。

「おっ、『タイトルを変更』ボタンがあるな。親切。どう書こうかな~」
「クチュビーはどうされるにゃむ…?」
「まぁまぁ、俺に任せて!」

ドゥエムは『タイトルを変更』をタップし、「パラレルワールド?・クチュビー」というタイトルをつけた。

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ドゥエムはまだ知らない。

クチュビーが「ドS」を開花させることを。
そのおかげでドゥエムの「ドM力」が進化することを。

そして1時間後、もう1つの歪みと運命的な出会いをすることを。
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