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第一章
召喚初日が過ぎていった
しおりを挟む二人はこの外で喚きながら扉を破壊しようとしていたらしい。
コワッ⁉︎
マジでコワッ‼︎
「なんで? 理由は?」
「それは今から調査する」
「キュリオの話ではこの城には地下牢があるらしい。アイツらはそこに突っ込んだ」
地下にある牢獄だから地下牢……というのは間違いだった。
「凄えぞ。この世界の地下牢は地下にある穴蔵なんだぜ」
「入り口から入ると左に天井から床まで柵がはめられてて、柵の向こうは真っ暗なんだ」
地下牢は魔法も魔導具も効かない。
そのため、柵の向こう側は真っ暗闇で奥が見えなかったらしい。
「二人を中に放り込んで地下牢の扉を閉めたんだけどな。よくよく考えると光のない真っ暗闇なんだぜ。すっげー怖えって」
「食事は? 近くに厨房があるんでしょ?」
「いや。キュリオの話だと、あの中は食事は必要がないらしい。『そう出来ている』んだとさ」
それで納得できるのも洗脳の影響だろうか?
「まあ、あの中にいれば少しは反省するかもな」
「逆に恨みをもちそうだよね」
「今度の矛先はレモンか王子か?」
「地下牢に入れるって提案したキュリオかもよ」
「自分たちを見捨てた&龍とレベッカもありえるな」
聞いてるだけも次々と名前があがってていく。
「─── 敵が増えていく」
「というより……すでに離宮で騒ぎを起こしたんだ」
どうやら自分たちの離宮が小さいと文句を言って&龍とレベッカを追い出したそうだ。
「真っ先に外観がかわいいって取ったんじゃないの?」
「そうそう。それが思ったより室内が狭いって騒いだんだ」
「たしか、キュリオが『そこはやめたほうがいい』って言っても騒いでいたよね?」
「だって、あそこは簡易宿泊施設を併設したガゼボなんだって」
「ガゼボってなんだ?」
「『見晴らしの良い四阿』じゃなかった?」
「アイリスさん、詳しいね」
「ただのラノベで得た知識」
そういったら「あー、わかる」と凛々に言われた。
凛々もラノベを愛読しているらしい。
でもガゼボを知らなかったそうだ。
「私は意味がわからなかったら調べるから」
「へえ、賢いねー」
「お前はその知識をどうした」
「読むだけなら知識はいらないもん」
開きなおる凛々に苦笑が漏れた。
「それがアイリスとの知能の差だろ」
「ちょっとー! 私だって知能はあるよ、知識はないけど!」
「堂々と開きなおるな!」
和やかな雰囲気に気持ちが落ち着いてきた。
凛々はバカではない……天然だけど。
それでも今回はいい方向に振り回されている。
「今日はさ、もう休もう」
「そうだね。アイリス、本を読みに来るのは明後日からにするね~」
「その頃にはあの二人の取り調べが終わってるだろ」
「身体にロープを括りつけて黒い霧の中を歩かせよう。凛々と一緒に」
「ちょっとー!」
「うるさくて魔物が逃げる」
「「「それはいいじゃないか‼︎」」」
「いーやーだー!」
こうして、召喚初日が過ぎていった。
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