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74、ある日の出来事~冒険編①~
しおりを挟む◻️いつかの出来事
その日はよく晴れた日だった。フェンやメリーちゃんは、神獣としてのお勤めに出ているし、もふもふっ子たちは、母さんたちが面倒を見てくれている。
久しぶりにルークとふたりきりの時間。
ちゅんちゅん子鳥のさえずりか聞こえてくるなか、
「リオン!冒険に出掛けよう!」
薄紫の瞳を輝かせて、弾むような声でそう言われた。
元々ルークは、身体を動かすのか好きだ。S級冒険者として一緒にダンジョンやクエストを受けていた時もある。これまでのみっちゃんを始め、神獣たちやダンジョンボスたちと幾度も戦ってきた。
だが、ここ最近は色々あって冒険に出ていなかった。そう、ルークは冒険に飢えていた……。内心、久しぶりのふたりきり、しっほり愛し合いたかったのだが、こんなに目を輝かせているルークをみると、断れない。
手を差しのべてくるルークの手を握り、微笑んで見せると嬉しそうにやったとはしゃぐ愛おしいひと。
俺達には、マジックバッグがあるため冒険に必要なものも揃っているため、準備は必要ない。ふたりで地図を広げながら、何処に行こうかと相談を始める。
日帰りで行くとなると……あそこにするか。
ルークに伝えると食い気味に了承されたため、準備をしたのち早速転移した。
そこに広がる光景は、まさに圧巻。塔が大きくそびえ立っており、そこを中心に街が形成されている。もちろん塔はダンジョンで、冒険者が集う街でもあり、そのため活気のある街だった。
なぜここを選んだかというと、ここは最終到達階に転送してくれる機能がついてあるからだ。このダンジョンは、誰がどの階まで到達したか分からない仕様になっている。そのため、冒険者たちはその情報をギルドに売ったり、冒険者同士で交換したりしているのだが、俺たちのように攻略階層を秘匿したいものたちにとっては都合のいいダンジョンというわけだ。
しかも、ここは食べ物が上手い!各地から届けられる食材もさることながら、海が近いため新鮮な魚介類たちが美味しい!
俺だって料理は得意だけど、ここの料理はここでしか味わえない。そして、ルークも気に入っている。早速屋台に繰り出し、食べたいものをかたっぱしから購入し、マジックバッグ内に収納していく。
何個かはその場で食べ、頬が緩んでしまう。ルークをみると、ガツガツ食べていた。口端についた食べかすを指でとってあげると、にぱっと笑い、ありがとうと言われ、心臓を撃ち抜かれてしまい俺はその場で崩れ落ちそうになった。
お、俺のお嫁さん、か、可愛すぎる!
絹のように細く滑らかな銀髪を一括りにして結んでいるが、垂れた髪の毛が首筋にかかっており、冒険者独特な粗野な印象ではなく、匂い立つほどの色香を醸し出していた。もちろん、フェロモン抑制効果があるアクセサリーを装着させているのだが、それだけでは完全に防げない。
一見鍛え上げられた肉体に端正な顔立ちで、女性陣からの熱い視線を集めやすいルークではあるが、俺に散々牝としての快感を教え込まれた男は、もう色々とヤバい。
早々と買い物をしてから、塔へと向かう。冒険者カードを提示すると目を見開かれたが、特に騒がれることはなかった。ここにはお忍びでくる有名人とかもいるらしく、ギルド職員もその辺は弁えている。
何個かある転移陣にのった冒険者たちが消えていく。どんな原理かは解明されていないものの、とっても便利な代物だ。最終到達階層を記憶してくれており、そこに運んでくれるのだから。
ちなみに、俺たちの最終到達階層は覚えていない。
なぜなら、ここにきたのは数百年以上ぶりだからだ。その年数で街は更に発展し、あの時とは違う食べ物が豊富にあってさっき爆買いしてしまった理由だ。
それにしても、俺たちを覚えている輩がいなくて良かった。まぁあの時はフードを被っていたから、俺たちとは分からないはず……。
今回は久しぶりの冒険でフードを被るのを忘れてしまったわけだが。いやぁ、最近森や街で完結してしまっていたから、ルークのフェロモンのことを忘れてしまっていた。
てへ。
ほら、あの街には抑制装置を隅々に埋め込んでいるし!
アクセサリーでこれなら、外した時どうなってしまうのかと少し恐ろしくもあるが、見てみたい気もする……。
ざわざわ騒がしいフロアで順番待ちをしているルークを見上げ、そんなことを思ってしまった。
「ん? リオン、どうした?」
これからはじまる冒険に心底嬉しそうにしているルークは、俺の邪な気持ちを知らず無邪気に話しかけてくる。ちらりと視線を周りに移すと、慌てて目をそらす冒険者たち。
街の中でもあんなだったから、注目するのは当たり前である。
冒険者が集まる街だからルークぐらいの体格の冒険者は一定数いるため驚くことはないが、それがこんなに男前なのだ。普通やっかみを買うところだけど、それはない。何故なら、ルークだからだ!(ドヤ顔)
そう、ルークの魅力を語ろう。語りたいだけともいう。
元々ルークは、三白眼で周囲の人からも恐れられる顔つきをしていた。騎士団長時代だった頃ね!
そんないかめつい顔は、徐々に男前に変化し、今に至っては端正な顔立ちの中に艶やさが同居した顔つきになっている!それに薄い唇の下にあるホクロが、またエロい!
それだけじゃないぞ!
胸当てに隠されているとはいえ、豊満な雄っぱい。そしてむっちりとした尻肉。ゴツゴツとした男の身体とは思えないぐらいなめらかな曲線がそこにはある。服からでもわかる肉体美に、男心をくすぐられ、自然と唾を飲み込む冒険者たち。
男も女も、人間も獣人も全てを魅了してしまう。
そうまさに、エロの化身!つか、サキュバスにもなれるしね!
ハスハスハス♡♡興奮しかせん!
転移陣にのって飛ばされる冒険者たちは名残惜しそうに視線を投げかけているのをみて、見せつけるようにルークの腰を抱き寄せる。周囲の冒険者たちを煽るように、服を引っ張り顔を近づかせ、内緒話をするように耳元に唇を寄せると、顰め面になるのを視界の端に捉え、小さく嗤う。
これからの冒険に浮き足立つルークは気が付かない。
何百年とそんな視線に晒されてきたため、鈍感になっているのだ。フェンやメリーちゃんの視線には敏感なのにね……。
ああ、本当に俺のルークは、可愛らしい♡♡
小物たちの殺気は、心地よいね。
ルークの周囲には、気が付かれないように結界を展開しているから、気が付かれる心配はない。だからこそ、どんどん煽っていく。
さわりと腰のラインに手を這わせ、時々擽るように触る。その美に、小さくビクンと反応し、恥ずかしそうに怒られる俺は、ごめんねと返しながら、ちらりと周囲に視線を走らせる。
取るに足らない冒険者たちの中には、S級と思われる冒険者グループは存在しており、こちらを気にしないふりをしていても、一瞬でも気をそらせていない。それがどんな意味かなんて、判別できないけど、俺たちを気にしているのは丸わかりだった。
まっ、俺にだけ分かるようにしているみたいだけどね。
ふふっ、本当に楽しい。ルークが望んだ冒険は、面白いことになりそうな予感しかなく、笑いが込み上げてくるのをとめられなかった。
ルークが、リオンも楽しそうだなと嬉しそうに言われ、そうだねと俺は返し、転移陣の向こうに消える彼らを見送った。
それから少しして、俺たちの番がきたため、転移陣にのると、
わくわくしているルークを抱き寄せ、後頭部に手を回し引き寄せ掠めるように唇を重ねる。
よりざわつくフロアを横目に、俺たちは転移した。
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